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写真はイメージ/(C)日刊ゲンダイ
「会社を辞めた人が生き生きして見える」の心理を科学する
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/153944
2014年10月9日 日刊ゲンダイ
かつての上司に街中でバッタリ会った。彼が退職したのは2年半ほど前。「よぉ〜、久しぶり。元気か。ガハハ」と、笑いながら近寄ってきた。団塊世代の真ん中くらいだったから、今年66、67歳か。
会社にいた当時はムダ口が少ない“怖い”タイプだった。今はその面影はない。円くなったのだろうか。在籍当時より明るいというか、生き生きしている感じがした。「景気はどうだ?」と畳み掛けてくる。元気だし、顔色もいい。
数週間後、銀座の地下街で今度は中途退職した後輩と偶然出くわした。彼は3年ほど前、50歳を前に転職し会社を起こした。「大変ですよ〜。毎日若いヤツらとケンカしてます。ハハハ」と言うものの、悲愴感はない。むしろ楽しそうだ。
定年退職者も転職組も、会社を去った人に久しぶりに会うと、一緒に仕事をしていたころより“元気に見える”人が多い。いったい、なぜか――。
■ストレスから解放
まず、定年組の場合。定年後に何もすることがなくなって軽いうつになる60代が心配された時代があった。だが、最近はその傾向は減った。60代が元気なのだ。サラリーマンの生態に詳しい埼玉学園大学人間学部の古澤照幸教授が言う。
「たとえば、団塊世代の多くは趣味を見つけようと積極的だし、ボランティアを始めたりコミュニティーに加わったりする。20年前、30年前の定年組より体力的にも若々しいし、ずっと活動的です。また、仕事を辞めることによって人間関係やノルマなどさまざまな組織のストレスがグ〜ンと減る。何よりこれが大きい。新たな楽しみを見つけるのが上手な世代ですし、笑顔が出てくるのは当然でしょう」
退職して“しがらみがなくなった”と笑う先達は少なくない。上司やOB、取引先との付き合いや接待は、やはり気が抜けない仕事だったのだ。それらから解放され、せいせいしたということか。
■仕事の満足度の差
転職者のケースは事情が違う。会社を辞めて他社に移るのは、給与や待遇に満足できなかったり、人間関係も含め現在の部署に不満があるからに他ならない。だから、“希望の職種を求めて”会社を飛び出すのだ。
「自分に合った仕事に就いている人ほど“満足感が高い”という調査があります。つまり、転職により仮に収入そのものが減ったとしても仕事の満足度はアップ。生き生きしていられるのです。そもそも、転職するタイプのサラリーマンは出世を目指す管理職志向より、専門職志向が高い。好きなことをコツコツ続ける中で自分の力を付けていく傾向があります。張り合いが出るのは言うまでもありません」(古澤照幸教授=前出)
今の仕事がイヤでイヤで……な〜んて人は論外。目的や希望をもって会社を“出た”人間は、満足度が違うのだ。
■残った人の負の感情
会社に残って働き続ける社員の中にも、実は“出ていきたい”思いを秘めながら行動に移せない社員もいるかもしれない。
「人手が少なくなって、1人が担当する仕事量が増えた結果、ストレスも増える。はっきりノーと言えずに仕事を引き受け、いっぱいいっぱいで働き続ける。こんな状況があちこちの会社で起こっています。社員の胸の奥には“負の感情”がどんどん積み重なって、一にも二にも会社を辞めた人が“羨ましい”と思ってしまう。こうした心理メカニズムが働くのです」(古澤照幸教授=前出)
自分自身がネガティブになっているからこその羨望――、それも理由のひとつだ。
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