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景気ウォッチャー調査について
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52653185.html
2014年10月08日 在野のアナリスト
昨日、発表された8月の景気動向調査、やや意外感のある結果でした。一致指数が前月比1.4pt低下の108.5、先行指数も前月比1.4pt低下の104.0と、低下は予想通りですが、一致指数では商業販売額、中小企業出荷指数が小幅に改善しており、先行指数では新築住宅着工床面積、中小企業売上げ見通しが小幅改善です。意外なところに、改善傾向がみられる点は驚きです。内閣府は、この結果をうけて「下方へ局面変化」と、景気の悪化を事実上みとめる形になっています。
今日、内閣府から発表された景気ウォッチャー調査も、中身には意外感があります。現状判断DIは47.4と横ばい。良くなっている、が大きく増えて、やや良くなっているが大きく減った。やや悪くなっているが増えて、悪くなっているが減った。中身をみると、雇用関連が-4.1と低調でしたが、小売が堅調です。ただ小売の動向をみると、今回の結果も説明つきそうです。要するに、外国人旅行客をとりこめる百貨店、専門店などは売上げを伸ばし、食料品中心のスーパーなどは業績が悪化している。内需は衰えている中、これも外需頼みの構図といえるのでしょう。
しかも先行き判断DIは48.7と前月比1.7pt減という大きな下落です。中身も悪く、やや良くなる、変わらないが大きく減って、やや悪くなる、悪くなるが大きく増えた。しかも項目がすべてマイナス、よい部分がありません。メディアでも安倍ノミクス失速が伝えられ、マインド面が変わってしまった印象もあり、アンケート調査になると、顕著な結果も出てきてしまうのでしょう。
東京商工リサーチ発表の9月企業倒産状況をみると、倒産件数は827件と低いものの、円安倒産は急増しています。倒産ではなく、経営の厳しい企業を休眠させるよう、裏で通達があるとされる中で、円安倒産は防ぎようもなく、結果的にそればかりが目立ちますが、中小零細企業は今後も苦しい状況においこまれます。ナゼなら、8月国際収支状況をみても貿易収支は8318億円の赤字。これを第一次所得収支、即ち海外からの利子、配当のうけとりが過去最大となり、補った形で、単月では黒字を維持しています。つまり海外の資産をもつ大企業が有利、中小零細企業にはまったく恩恵のない形が、円安によってさらに強化されているという事態に陥っているのです。
サービス収支も2508億円の赤字ですが、前月からは500億円以上改善しており、これも外国人観光客の影響です。円安でウハウハの外国人が、国内でお金を落としてくれることで、ぎりぎり保っているのが、今の日本経済です。これでは、次に円高局面を迎えたとき、日本は大いなる苦境に陥るでしょう。今の日本は、極めて円高に弱い経済体質になりつつあるとも言えるのです。
最近、政府、政府系有識者からは「実質雇用者報酬は増えた」と喧伝されます。しかし正規雇用は11万人減でも、非正規雇用が168万人増なのですから、増えるのは当たり前です。その報酬が、将来に亘って約束されない点が問題なのです。経済指標でも、雇用はピークを越えた感があり、非正規雇用も今後は減少していく。安倍氏お得意の「景気の好循環」どころか、「景気の悪循環」が始まる、その入り口に立っているとも云えるのでしょう。かつてナポレオンに準えたこともあるので、もう一度ナポレオンの言葉を示しておきます。「私はつねに二年先のことをしている」これは絶頂期、彼が自信に満ちていたときの言葉ですが、安倍氏が二年前、この現状を準備したのであって、行動の結果として日本は更なる深刻な事態を迎えつつある、と言えるのでしょうね。
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