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日銀が2%物価目標「2年」で達成の修正を検討へ、年内にも (Bloomberg)
http://www.asyura2.com/14/hasan90/msg/796.html
投稿者 五月晴郎 日時 2014 年 10 月 07 日 08:44:46: ulZUCBWYQe7Lk
 

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-ND0MS76KLVRD01.html

10月7日(ブルームバーグ):

日本銀行が「2年で2%」の物価目標を実現するというコミットメント(公約)を掲げていることについて、最高意思決定機関である政策委員会メンバーの大半が近い将来、修正が必要になると考えていることが関係者への取材で明らかになった。

日銀は2013年4月4日、消費者物価の前年比上昇率2%の物価安定の目標を「2年程度の期間を念頭に置いて」できるだけ早期に実現すると表明。マネタリーベース残高や長期国債の保有額を2年で2倍に増やす量的・質的金融緩和を導入した。

関係者によると、政策委員の大半は2年の期限にこだわらない姿勢を示しており、2年の達成期限を先延ばしする方向で修正する可能性が強まっている。原油価格が大きく下げているため、目先の物価上昇ペースが鈍る可能性があることに加え、円安に対する批判が強まる中、追加緩和に踏み切れば円安をさらに加速させかねないことが背景にある。

マネタリーベース残高見通しを今年末までしか示していないことへの批判があるため、早ければこれと合わせて年内に、遅くとも、量的・質的緩和導入から2年が経つ来年春までに修正を行う公算が大きい。

黒田東彦総裁は3日の衆院予算委員会で、「2年で2%」を達成する考えに変わりはないかと問われ、「変わってない」と明言した。日銀は人々や市場の期待に働きかける姿勢を重視してきただけに、2年の期限を延期すれば、金融政策に対する信認に影響を与える可能性がある。

  「安定的に持続」も明確化へ


日銀は量的・質的緩和について、2%の物価目標が「安定的に持続するために必要な時点まで継続する」というもう1つのコミットメントを掲げている。関係者によると、「安定的に持続」という条件を明確化し、同政策の継続方針をより強める方向で修正することも検討する。

9人の政策委員会の中には、量的・質的緩和の長期継続に否定的な委員も複数存在するため、より長期の継続を前提とする修正案については票が分かれる可能性が高い。

元日銀副総裁の武藤敏郎大和総研理事長は1日のインタビューで、2年で2%の物価目標の達成は困難だと指摘。その上で、日銀は追加緩和に踏み切るという選択肢のほかに、「少し時間はかかるが、ある程度時間軸を長くとれば2%に向かうと想定されるのであれば、2%の目標は降ろさず、達成期限を少し延ばすことも1つの判断だ」と述べた。

同じく元日銀副総裁の岩田一政日本経済研究センター理事長も先月19日のインタビューで、2%の物価目標を達成するのに「2年という期間は短過ぎる」と指摘。日銀は5年程度の中期的な目標に修正すべきだという見解を示した。

武藤氏は「達成期限を先延ばしすれば、批判的なことを言う人はいるだろうが、現実に対応していくのが政策であり、理想論だけで政策は打てない」と言明。「市場を納得させる努力は必要だが、それをうまくやりながら軟着陸していくということではないか」と言う。

            根強い追加緩和観測

日銀は現在、消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI、消費税の影響除く)前年比上昇率が「15年度を中心とする期間に2%程度に達する可能性が高い」としている。しかし、ブルームバーグ・ニュースが9月26日から10月1日にかけて行った調査で、エコノミスト33人中29人はこうした見通しは実現しないと答えている。

黒田総裁は先月11日、官邸で安倍晋三首相と会談し、「仮に目標達成に困難をきたす状況が出てくれば、躊躇(ちゅうちゅ)なく、追加緩和であろうと何であろうと政策調整を行う用意がある」と述べた。

みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは「日銀の景気・物価シナリオは現実とのギャップが目立ち始めている」と指摘。「一種のお約束事として、追加緩和が避けられない」と言う。ニッセイ基礎研究所の矢嶋康次チーフエコノミストも「来年1月には日銀の物価見通しと実態が乖離(かいり)し、物価目標が達成困難であること明らかとなり、追加緩和を決定する可能性が高い」とみる。

              早めに動く可能性も

一方、JPモルガン証券の菅野雅明チーフエコノミストは、15年度中の2%達成が困難になれば、年明け後、「日銀は何らかの対応が必要になるだろう」とした上で、追加緩和も1つの選択肢だが、「円安・株高が進み、景気の先行き見通しも悪くない場合には、単なる『2%物価達成目標時期の延長』もあり得る」と言う。

農林中金総合研究所の南武志主席研究員は「日銀の想定を下振れる可能性が高まれば、追加緩和か、あるいは『2年で2%』という目標の変更を迫られるだろう」と指摘。タイミングとしては「早めに動く可能性もある」とみる。

関係者によると、日銀が追加緩和に消極的になっている背景には、円安に対する批判が高まっていることも背景にある。野村証券の松沢中チーフストラテジストは「円安に対して国民から待ったがかかり始めており、政府も容易に日銀には緩和要求をしづらくなった」と言う。

            強まる量的・質的緩和の弊害

BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミストは「円安でも実質輸出がほとんど増えない一方で、家計の実質購買力は低迷しており、円安はデメリットの方が大きくなっている」と指摘。「マネタリーベース目標達成のため、日銀がマイナスの実効金利で短期国債を買わざるを得なくなっていることが、ここに来てさらなる円安を助長しており、量的・質的緩和の弊害は日増しに大きくなっている」と語る。

東短リサーチの加藤出チーフエコノミストは「追加緩和策の必要性は、日銀のコミットメントの辻褄(つじつま)をどう合わせるか、という問題に帰着する。弊害が多い追加緩和を行うよりも、コミットメントを微妙にずらしていく方が日本経済にとっては良い」としている。

記事に関する記者への問い合わせ先:東京 日高正裕 mhidaka@bloomberg.net;東京 藤岡 徹 tfujioka1@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:Brett Miller bmiller30@bloomberg.net淡路毅, 谷合謙三
更新日時: 2014/10/07 08:00 JST  

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コメント
 
01. 2014年10月07日 10:41:52 : E7SnLubCIE
とぼけた日銀だな。

ないがインフレだ、今円安不況が進行している。
物が高いと、買わん!
消費税を0%にしたらどうか?

アメリカには、消費税はない。
アメリカ追従日本なのに、おかしい話だ。


02. 2014年10月07日 10:49:06 : nJF6kGWndY

当然、そうなるだろうな

03. 2014年10月07日 11:36:14 : nJF6kGWndY

何度も言っていることだが、バラマキと緩和だけで、全てが上手く行くと考える方が間違い


http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20141006/272167/?ST=print 
政府が「デフレ脱却」を宣言できない理由
2014年10月7日(火)  上野 泰也


 麻生太郎財務相は9月3日の記者会見で最近の経済情勢について、「(安倍政権の)2年弱の成果としてデフレから脱却したとは言える段階に来た」と発言した。けれども、この発言を政府による「デフレ脱却宣言」の前触れだと受け取るべきではない。
 政府の中で「デフレからの脱却」を宣言するかどうかを所管しているのは内閣府であり、この問題を担当している大臣は「アベノミクスの司令塔」である甘利明経済再生相である。その甘利氏は9月5日のインタビューで、デフレ脱却宣言の時期について、「(安倍晋三首相による15年10月に再度引き上げるかどうかの)消費増税の判断のなかではできない」と述べて、年内の脱却宣言は困難との見方を示した。
 ちなみに、麻生財務相は上記の発言に続けて、「好況かと言われれば、そこまでは言い切れない」とも指摘した上で、「デフレ不況から脱却して経済成長の波に乗せていく必要がある」と述べている。麻生氏の場合、「デフレ」からは脱却したと言えるものの「デフレ不況」からは脱却していないという独自の語法でコメントしているようである。
デフレ脱却の判断基準は厳しい
 政府が「デフレ脱却宣言」を行うかどうかの判断基準は、市場参加者の間でもあまり知られていないが、2006年に決まったことが基本的にそのまま踏襲されており、かなり厳しいものになっている。
 政府・自民党と日銀との間で「デフレ脱却」の定義を共有できない状態のまま、日銀は06年3月9日に量的緩和政策を解除した。それよりも後の3月28日に、政府(内閣府)は「デフレ脱却」の定義とその判断基準を公表した。
 「デフレ脱却」の定義は、「物価が持続的に下落する状況を脱し、再びそうした状況に戻る見込みがないこと」とされた。逆戻りしない見込みとなっているのを確かめる必要があるという点が、デフレ脱却を宣言するまでのハードルの高さにつながっている。
デフレ脱却を見極める4つの指標
 そして、脱却したかどうかの判断に利用する4つの経済指標は、@消費者物価指数(CPI)、AGDPデフレーター、B需給ギャップ、C単位労働コストである。これらを踏まえて「物価の基調や背景を総合的に考慮し慎重に判断する必要がある」「ある指標が一定の基準を満たせばデフレを脱却したといった一義的な基準を示すのは難しく、慎重な検討を必要とする」とされた。
 4つの指標の直近の状況は、以下の通りである。「デフレ脱却宣言」が年内といった近いタイミングで出されるのはきわめて難しいことが、あらためて確認される。
@ CPI
 この物価指標については、その基調を的確に判断するため、特殊要因による変動を除いたCPIを内閣府が独自に作成し、「月例経済報告主要経済指標」に掲載している。総務省が作成している「食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合」のCPI、いわゆる欧米型コアとは異なる指標である。
CPIプラス幅縮小、デフレーターでは「悪い物価上昇」
 「生鮮食品、石油製品及びその他特殊要因を除く総合」(連鎖基準)と表示された当該データを見ると、前年同月比プラス幅はこのところやや縮小している。具体的には、今年4月分と5月分が前年同月比+2.8%で、6月分は同+2.7%、7月分は同+2.8%。消費税率引き上げの影響を除くと、4月分が前年同月比+1.0%で、5月分と6月分が同+0.8%、7月分が同+0.9%である。過去の円安による押し上げ効果のはく落によって、プラス幅は目先さらに縮小する可能性が高い。
A GDPデフレーター
 9月8日に発表された4〜6月期のGDP(国内総生産)2次速報で、GDPデフレーターは前期比+1.7%・前年同期比+2.0%になった。前年同期比は09年7〜9月期以来、19四半期ぶりのプラスである。また、内訳である民間最終消費支出デフレーターは前期比+1.9%、前年同期比+2.6%になった。前年同期比は4四半期連続のプラスである。
 だが、4〜6月期のこうした数字は消費税率の引き上げという、本来の物価の基調とは関係のない税制変更という特殊要因によって大きくかさ上げされている。それより前の数四半期分の民間最終消費支出デフレーターについても、需要の増加ではなく為替相場の円安や国際商品市況の変動といった供給側のショックに起因する「悪い物価上昇」によって持ち上げられた数字である。
 そうしたいくつかの要因がはく落してもなお、GDPデフレーターや民間最終消費支出デフレーターの前期比や前年同期比が安定的な上昇を続ける状態に日本の経済が変わったとは、筆者には到底考え難い。政府当局者もそのように考えているだろう。
B 需給ギャップ
 内閣府が試算した4-6月期の需給ギャップ(潜在的な供給力と実際の需要のかい離幅)は、GDP2次速報発表時点で▲2.3%となり、1-3月期の▲0.3%からマイナス幅が急拡大した。金額に換算すると約10兆円である。次の7-9月期分では、消費税率引き上げ前の駆け込み需要の「反動の反動」が出てくるため、実質GDPは前期比プラス成長になり、需給ギャップのマイナス幅は縮小する可能性が高い。
 しかし、今の日本経済は景気の「けん引役」が不在となっており、先行き不透明感がきわめて強い。そうした中であるだけに、内閣府試算の需給ギャップが安定的にプラスになる状況は見えていないと言わざるを得ない。
C 単位労働コスト
 GDP統計から、雇用者報酬(実質原系列)と国内総支出(名目原系列)を用いて試算される単位労働コスト(生産一単位当たりの労働コスト)は、4〜6月期のGDP2次速報で前年同期比+1.7%になった。5四半期ぶりのプラスである<図1>。
■図1:単位労働コスト

(出所)内閣府資料から筆者試算
 だが、この四半期には言うまでもなく、消費税率引き上げ前の駆け込み需要の反動などから国内総支出が大きく落ち込んだという特殊要因がある。これに対し、雇用者報酬には一定の下方硬直性があるので、単位労働コストがプラスの伸びになったという構図である。したがって、上記の動きだけで単位労働コストの増加基調(前年同期比のプラス基調)が定着したと言うことはできない。
 では、なぜ「デフレ脱却宣言」のハードルがそこまで高くなっているのだろうか。最大の理由は単純明快。脱却を宣言したのに、そこからあまり時間を置かずにまたデフレに陥ってしまうと、政府が赤っ恥をかくことになってしまうからである。
過少需要・過剰供給の構造は変わらない
 そして、「デフレには逆戻りしない」という条件をクリアするのが難しいのは、日本経済の根底にある過少需要・過剰供給の構造(「デフレ構造」と筆者は呼んでいる)には「アベノミクス」が実行されている中でも、いっこうに変わりがないからである。
 それがよく分かる指標を紹介しよう。日銀短観(企業短期経済観測調査)9月調査で、個人消費や消費者物価に直接関連している3つの業種である「小売」「対個人サービス」「宿泊・飲食サービス」に的を絞って、国内での製商品・サービス需給判断DI(回答比率「需要超過」−「供給超過」)を見ると、「小売」が▲27、「対個人サービス」が▲29、「宿泊・飲食サービス」が▲38だった<図2>。
■図2:消費関連3業種の「国内での製商品・サービス需給判断DI」

(出所)日銀
 この3つとも、依然として大幅なマイナス(過剰供給で値崩れしやすい状態)に沈んだままなのである。



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