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仕事をしていない風の老害社員は、本当に仕事をしていないのか?大きく組織に貢献?(Business Journal)
http://www.asyura2.com/14/hasan90/msg/777.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 10 月 06 日 07:55:25: igsppGRN/E9PQ
 

仕事をしていない風の老害社員は、本当に仕事をしていないのか?大きく組織に貢献?
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20141006-00010001-bjournal-bus_all
Business Journal 10月6日(月)0時10分配信


●ジャイアント馬場は、亡くなる2カ月前までリングに上がっていた

 最初に、少しプロレス談義に付き合っていただきたい。ふと、故・ジャイアント馬場さんのことを思い出した。馬場さんが亡くなったのは1999年。ちょうど今年で15年だ。名前の通り、大きな人だった。公称209cmの長身。プロレスラーの中には、身長、体重をサバ読んでいる人は多数いた(最近は、正確に表記するようになっているとも業界関係者から聞いたが)。ただ、馬場さんは明らかに大きかった。

 馬場さんは80年代半ばくらいからタイトルマッチ戦線からは降りたものの、生涯現役だった。亡くなる約2カ月前の98年12月5日の東京・日本武道館大会までリングに上がっていたのである。6人タッグマッチで出番も少なめだったが、試合に出ていた。よく、プロレスに対する批判で「あんなものは八百長だ」「ピークをすぎた馬場が出ている時点で、ウソだろ」という声を当時よく聞いたものだが、そのたびに「お前、会場で観たのかよ」と反論していた。たとえ出番が少なくても、馬場さんは存在感があったし、技の説得力があったのだ。さすがプロと感じたものだった。

 この日はどうだったが定かではないが、筆者の記憶では地方巡業の際などには、グッズ売り場に座り、サインなどをしていた。見かけた瞬間、「あ、馬場さんだ!」と感激したのを覚えている。団体のトップであり、当時テレビのバラエティ番組やCMにもよく出演していた、あの馬場さんがすぐそばにいるのである。
 
 そんな馬場さんは、なぜ亡くなる2カ月前まで試合に出続けたのだろうか。本人にインタビューしたわけではないし、推測にすぎないのだが、「動員力があったから」だと筆者は考えている。当時の全日本プロレスのリング上では、四天王といわれる三沢光晴(2009年没)、川田利明、小橋建太、田上明などが激しいプロレスを展開していたし、スタン・ハンセン、スティーブ・ウィリアムスなど外国人選手も充実していた。しかし、長年プロレスでも、バラエティやCMでもテレビに出続けていた馬場さんは集客力抜群だったというわけである。

 余談だが、「テレビに出ている人(出ていた人)」がいるかどうかというのは、プロレスにおいては重要なのだ。リング上で亡くなってしまった三沢も、体調が悪いとか、社長業に専念したいと思っているなどと噂されつつもリングに上がり続けたのは、自身が大会ポスターに載っているかどうかが、集客に影響するからである。また、女子プロレスでも、クラッシュギャルズや北斗晶がブームを呼んでいた頃に活躍していたレスラーたちが出る大会に観客が入っていたのは、やはりテレビの影響力である。
 
 試合内容では、若い選手の体力、運動神経が目立つが、集客ではベテランのほうが有利。まず、この事実を認めなければならない。

●「老害」には存在意義がある

 プロレス談義はこれくらいにして、職場の話をしよう。皆さんの職場にも、上の世代で仕事ができるか働いているかどうか怪しいのに社内に君臨している人は、1人や2人いるだろう。「こいつ、働けよ」「使えねえオヤジだ」と思われてしまう人たちである。いや、さすがにこういう「ノンワーキング・リッチ」といわれる人たちは駆逐されてきたとは思うのだが、とはいえ、こういう感情を抱いたことは1度や2度はあるだろう。

 これまた余談だが、その上司がサボっているかどうかを判断するには、マイクロソフトのOS「Windows」にアクセサリとしてついているゲーム、ソリティアをやらせてみると良い。これが異常に上手い人というのは、サボっている可能性大である。特に、机が人と離れていて、パソコンの画面を覗かれない部長は上手い。

 ただ、こうした人々は「仕事をしていない」といえるのだろうか。そもそも、仕事とは何かということを考えたい。せっせと企画書を書く、顧客を訪問する、会議をまとめるなどは、若手から中堅の仕事である。彼らと「仕事をしていない」ようにみえる上司を同列に見てはいけない。彼らは仕事をしていなそうで、実はしている。特に、人脈、経験などの点で組織に貢献しているのである。

 若手なら何度も訪問をして信頼関係を構築しなければいけない取引先も、彼らが商談に行けば、先方も経営トップ層が出てきて、あっという間に商談がまとまる。業界内人脈も豊富なので、最新の情報もどんどん入ってくる。何かトラブルがあった際も、それこそ笑っておさめることすら可能なのだ。

 この仕事のできない風の老害社員と、馬場さんを並べて議論するのはややたとえとして適切ではないのだが……。ただ、前述した四天王ほどの激しい試合をするのは無理だとしても、地方での大会を企画する、ちゃんとお客さんを動員する、やってきたお客さんに満足してもらうという「仕事」を立派に果たしたという意味で、馬場さんは立派に仕事をしていたわけである。馬場さんほど貢献してはいないだろうが、働き盛りの若手〜中堅のように激しく働いてはいなくて、時にはサボっている風にみえる上司も、実はちゃんと貢献しているのだという視点を持つと、上の世代に対して、少しだけ優しくなれることだろう。

 上の世代に対して「こいつ、使えねえな」と思うのではなく、「いや、こいつも何か仕事しているはずだ」という視点を持つと、見方が変わるだろう。もっとも、本当にお荷物でお給料だけもらっている中高年というのもいるのだけれども。

常見陽平/評論家、コラムニスト、MC


 

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コメント
 
01. 2014年10月06日 13:15:30 : SBztI6XWSY
プロレス団体と一緒にするな、
プロレスは興行であり、レスラーは広告塔。
広告塔が事務作業するか。

このオヤジ連中は、広告塔じゃない。
ただの労働者。
広告塔と労働者をごっちゃにすんな。
ただのごく潰し。

ごく潰しじゃないというのなら、
営業に同行させて顔が効くか試せはよろしい。


02. 2014年10月06日 15:29:52 : tivI8OUQkI
「上の世代に対して「こいつ、使えねえな」と思うのではなく、「いや、こいつも何か仕事しているはずだ」という視点を持つと、見方が変わるだろう。もっとも、本当にお荷物でお給料だけもらっている中高年というのもいるのだけれども。」

これが相談者にとっての主訴だとすれば、
キャリアカウンセラーからすれば、
「中高年世代の中にも、個人的な事情については別にしても、仕事に対する経験や知識というものについては、若い世代からすれば、見習うところも数多くあるわけだし、逆に、意欲や行動力という面に関しては、若い世代に劣るのではないか」というのが、一つの見立てであるとすれば、これを解決するにはどうしたらよいのかということを考えれば良いだけのことですよね。

しかしながら、これも会社側の事情や、様々な業界、業種などにより、解決すべき課題そのものについては、異なるので何とも申し上げることは出来ませんが、
共通して言えることは、この課題の解決目標や手段としては、中高年世代の社員にしてみれば、若い世代に対して、自らの経験や能力を元に指導やアドバイス等を通じて、若い世代の社員に仕事を任せることで、もしも結果が出なかった場合には、その原因と対策を自ら考えさせ、これを教訓として、成功に結びつけることが出来る様に、共に考えながら、寄り添い、暖かく見守りながら、仕事を進めて行けるようにすれば良いのではないでしょうか。そうすることで、中高年世代も若い世代も、共に正しい自己実現に繋がり、職場環境の改善に繋がり、付加価値の向上と生産性向上が同時に実現出来る「健康職場モデル」というものを通じて、安定した収益を確保し、安定した利益の拡大に繋がり、会社全体の持続的成長と、労働者の利益にも繋がり、これが顧客満足度の向上に繋がり、顧客の利益の利益に繋がり、株主や様々な取引先相手の利益にも繋がっていくことにより、日本経済を共に支え合い、助け合い、分かち合いながら、共に幸せに暮らすことが出来て、なおかつ価格競争ではなく、体質改善によって、貿易依存度を低下させ、廃棄物を減らし、適正な規模で、適正な品質で適正な価格の商品が、適正な量だけ売れることになることで、過剰品質の防止にも繋がるし、クレーム減少に繋がり、メンタルヘルス不調からくるうつ病等の精神的疾患や過労死、自殺者を減らすことに繋がり、異常行動による事故やトラブルも減り、犯罪も減り、パチンコは業界は衰退することになるのは構わないのだし、酒が好きならば、責めて赤提灯で愚痴をこぼす程度のことでストレス解消になるのならば、これだけで大いに結構なことだし、これによりアルコール依存症なども減り、麻薬やカジノなんていうものはもってのほかのことだと割り切ってしまえば良いのだし、幾らでも日本社会全体が安定化させ、グローバル競争からは誇りを持って下りてしまうことになろうとも、安定したプラス成長に繋がり、少子高齢化による人口減少の歯止めも掛かって行くことになるのならば、大いに結構なことではないでしょうか。


03. 2014年10月07日 01:57:37 : DX4OZ7kaWw
人間生活をするために金とかいうものを必要としているのであって、金だけのために生きているのではないのだよ。

今の人類が持つ技術、使っているエネルギー、生産力を持っているのもかかわらず多くの生活困窮者がいる社会が貧しいのだよ。

宣伝、洗脳屋だけが儲けても始まらんのだよ。


04. 2014年10月07日 11:05:32 : nJF6kGWndY

人生は、そう長くはない

よく考えることだな

http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20141003/272119/?ST=print
「河合薫の新・リーダー術 上司と部下の力学」
40代を襲う「つまらないオジサン化現象」にブチ切れた妻のホンネ

志を必死に持ち続けることが“前向きな力”になる

2014年10月7日(火)  河合 薫

 今回は、「ウチの夫」について書こうと思う。

 といっても、私の“夫”ではありません(夫持ちじゃありませんし……苦笑)。学生時代の友人M子の“夫”である。

 彼女の話というか愚痴の内容は、おもしろさ半分、切なさ4分の1。でもって、残りはニッポンの、いや、オジサンたちの未来を考えさせる示唆に富んだ内容である。が、彼女のあまりにストレートな物言いに、
「おい! そりゃあないだろう。男の気持ちをわかってない!」と、怒る方もいるかもしれない。

 いずれにしても、アナタの妻もこんな風に思っているかもしれないので、我が事として聞いていただければ幸いである。夫婦円満のためにも……。

 ちなみに、M子は、某大手企業に勤め、2年前に部長に昇進。20代後半で結婚。会社の福利厚生が恵まれていたこともあり、その後2人の子どもを出産し、仕事と家庭を両立した。
 M子の“夫”は、某大手企業に勤め、半年前に現場から外れ、新しい部署に異動になった。年齢は、49歳である。
 2人の愛娘のうち1人は、来年、大学受験を控えている。

 では、早速、彼女の愚痴をお聞きください。

 「辞令を受けたときは、さすがにショックだったみたいだけど、もともとライン上の人ではなかったから『仕方ないね〜』って感じだったの。それに、今までもいろいろと苦労して頑張ってきた人だし、独立してフリーになるようなタイプではないので、私も大して気にしなかった。ところがさ〜、なんか最近、すっかりつまらない男になっちゃったんだよね」

 「オーラゼロ! っていうか、一緒にいるとこっちに負のオーラが伝染するんじゃないかっていうくらい、冴えない男になった。二言目にはセカンドライフ、セカンドライフって。まだ50前なのに、そんな話ばっかりだよ! いったい何十年先のこと言ってるんだっちゅーの。お願いだから、しっかりしてよ! って感じだし、しけた顔ばかりしないでほしいんだよね〜」

 「今まで、夫と仕事の話をするのは、結構楽しかったの。彼は私の一番の理解者であり、応援者だった。お互いやりたいことが明確だったし、それをやるために入った会社だったんで、紆余曲折ありながらも、自分の理想とか、欲望とか、上手くいかないこととか、折り合いのつけ方とか……、よく語りあった。たまには意見が対立することもあったけど、ホントに夫と話すのは楽しかった」

 「夫は決して目立つ人ではないけど、的を射たこと言うし、お互いに成長してるって感じが好きだったの。彼がいるから私もやってこられたんだよね。なのにさぁ〜、セカンドライフだの、老後どうする? だの、そんな先の話ばっかりで。野心とか欲望とか皆無。完全にフェードアウト体制で、正直、ウンザリしてる」

“つまらないオジサン”になっていませんか

 「で、こないだ大学時代の同級生たちと久しぶりに飲んだんだけど、これがまた、つまらなくてつまらなくて! ウチの夫と同じような話ばっかりでさ〜。バリバリがんばっていた同級生が、ただの“つまらないオジサン”になってた。なんで、男たちはこんなに超内向きになっちゃってんだって、がっかりしたよ」

 「旦那さんも、同級生たちも、65歳までは会社に居られるだけいようって思ってるのかな? 独立とか、転職とか、起業とか、そういうのはないの?」(河合)

 「ないない。全くない。おまけに危機感ゼロ。数年前、40代がリストラされていた時期があったでしょ? あのときのほうが危機感あったし、なんかあがいている感があって共感できた。でも、今は給料下がっても、とりあえずは会社にいられるから、開き直ってるっていうか、完全に死んでる。しかも、夫も同級生たちも、『会社に貢献してきた』感がやたらと強くて、“それが何か?”って言いたくなる」

 「私からすれば、だったらこれからも貢献しろよ! って思うんだけど、その気は一切なし。どんな部署にいたって、どんな仕事してたって、新しいことってやろうと思えばなんでもできるでしょ? っていうか、それをやらないと会社だって生き残れないのに、それがわからない。みんないい大学出て、それなりにやってきた人たちなのにね〜」

 「でも、意外と外では別人かもよ。新天地でバリバリ働いて、後輩の育成とか潤滑油になって、結構、貢献してたりして?」(河合)

 「ないね。それはない。だいたい、なんで俺がそんなことやらなきゃいけないんだって感じアリアリだもん。夫はついこないだまで、50過ぎても現場に居続けるオジサンを批判してた。オリンピックが決まった時に、その人が『7年後か。ギリギリ現場に入れるな』って嬉しそうに言ったのを聞いて、『そのときまで現場に居続ける気かよ! 後輩に譲れよ!』って文句言ってたの」

 「自分は異動で現場外れたから、それだけで後輩の育成に貢献したって思ってたりして(苦笑)」(河合)

 「そうかもしれない! でもね〜、なんでこんな魅力のない、つまらないオジサンにみんななっちゃうんだろう。ホントがっかりだよ。それなりのキャリアを築いてきた人たちなのに、なぜ、それを生かして次のフェーズに挑まないんだろうね。そういえば、同級生の1人が、『こんなに出世できないとは思わなかった』ってボヤいてた……」

 「入社面接のときに、“御社の社長になりたいです!”とか言って、“いいね〜。向上心があって”なんて、上司に気に入られたタイプかも(笑)」(河合)

 「ボヤくくらいなら、なんとかしろっつーの! だいたいセカンドライフだの、老後だのって、そんな悠々自適な生活できるほど、おカネないし。しっかり働いて稼いでもらわなきゃ困るのにさ〜。ったく。男たちはつまらない! 女の人たちと話しているほうが元気出るし、よっぽど楽しいよ」

 「ウチの夫」話は以上です。

 彼女の言いたいことがなるべく伝わるよう、ありのままを書き連ねたので、お聞き苦しい言葉が少々あったかもしれませんが、どうかご容赦くださいませ。

 ふむ、……。こうやって熟年離婚になっていくのだろうか?

「会社のために30年近く頑張ってきたのは、紛れもない事実なんだから、少しくらい楽させてもらってもいいじゃないか」
「っていうか、夫婦なんだから老後のことを話して、何が悪いんだ!」

 彼女の夫にも、異論・反論があるかもしれない。

前向きに頑張っている男性は尊敬できる

 ただ、かなり個人的な意見を言わせてもらえば、役職や立場に関係なく、前向きに頑張っている男性は(女性も)、かっこいいし、リスペクトできる。おそらく彼女も、夫のそういうところが好きだった。男であり、夫であり、父親であり、同志であり、先輩であり、助言者であり――。

 そんな夫がいるから、仕事もがんばれた。慣れない育児も、子どもが反抗期になったときも乗り越えられた。

 ところがその夫が、しょぼくれたオジサンになった。セカンドライフだの、老後だのと、気分はすっかり定年後で、しけた話に明け暮れる始末だ。

 ヒエラルキーの階段は閉ざされたとしても、会社人生が終わったわけじゃない。定年まで、あと15年、いや20年近くもある(老齢年金の受給開始年齢がさらに引き上げられ、定年が伸びる可能性もあり)。その貴重な時間を、20年以上のサラリーマン生活を、定年気分で過ごすのか、と。

 奇しくも、先日、日立製作所が管理職の年功序列制度廃止を発表した。安倍政権も「日本型の賃金・労働慣行を見直して若い世代の賃金を手厚くすべき」と問題提起し、「年齢だけでなくいろんなことで賃金が決まるのが望ましい」と、塩崎恭久厚生労働相も記者会見で述べた。

 つまり、時代の流れで考えると、オジサンたちの給料が今後下がることはあっても、上がる可能性は極めて低い。悠々自適なセカンドライフなど、夢のまた夢。

 「我が家のどこに、そんな余裕がある? まだ、子どもの学費も払わなきゃならないし、家のローンだって残っているというのに、いったい何?」

 と彼女が言いたくなるのも、無理もない。極めて現実的な話なのだ。

定年気分になるには早すぎる

 米国の組織心理学者エドガー・シャインは40代を、「気が滅入り、落胆した状態。あるいはガソリンが切れて、モチベーションを失った状態であり、彼らは彼らの仕事に興奮を得られず、もし経済的に実行可能なら劇的なキャリア転換さえ夢見る時期である」と評した。

 ところが、夫には、「劇的なキャリア転換の夢」もなければ、自分のキャリアと向き合う気配もなければ、危機という認識すら感じられない。

 かつて、仕事や人生を熱く語り合ったときにあった、「志」はどこにいってしまったのだろう?

 そうなのだ。彼女が失望したのは、夫が志を失ったこと。

 それが“夫への愚痴”の真意なのである。

 志――。

 最近、滅多にこの言葉を目にすることも、耳にすることもなくなったけれど、志は、人間の生きざまを決める大切な土台である。やる気とかモチベーションとはちょっと違う。その人の内側から、フツフツと湧いてくるエネルギーのようなもので、志のない人生ほど味気ないものはない。

 心理学でいえば、「人生における目的(Purpose of Life)」であり、「人格的成長(Personal Growth)」。どちらもポジティブな方向に人生を導く力で、ウェルビーイングを高める重要なリソースである。

 「人生における目的」は、自分の進もうとする方向を見据えることができて、初めて手に入る感覚で、この感覚を持っている人は、人生を退屈に感じたり、他人の意見にむやみに振り回されたり、世間の評価をやたらと気にすることがない。

 また、「人格的成長」は、自分の人生は新しい経験に向けて開かれていると思える感覚で、新たな知識習得や経験に前向きな姿勢や、チャレンジ精神を高める。この感覚を持っている人は、自分の可能性を信じることができる。

目的と成長は人生満足度と関連性が高い

 「人生における目的(Purpose of Life)」と「人格的成長(Personal Growth)」は、心身の健康、幸福感、人生満足度と関連性が高いことが、多くの実証研究で確かめられている。しかしながら、どちらの感覚も年齢と共に低下しやすくなるため、自ら積極的に高めることが求められるようになる。

 そのためには、「もういいや」とあきらめちゃダメ。「もう若くはないけど、自分にはまだ秘められた可能性がある」と前を向いて、ゆっくりでもいいので歩きだすしかない。途中休憩してもいいし、しんどいときには寝たふりをしてもいい。

 だが、そこでうつむいて歩くのを止めるんじゃなく、少しだけ顔を上げて足を動かしてみる。そうすることでしか、「人生における目的」と「人格的成長」を持ち続ける方法はないのである。

 彼女は、「女の人と話していると楽しい」と語っていたけれども、確かに女性たちのほうが、「こうありたい」とか「もっとこうなりたい」といった貪欲さがある。

 「野郎はさ、結局なんやかんやいっても、だんだんと男社会の計算をするようになる。だから、自分の組織での先が見えちゃったとき、なんかこうわけのわからない得体の知れない気持ちになる。どうすることもできない自分に、罪悪感みたいなもの感じたりしちゃうんだよね。そんなとき、組織で動いてないヤツらを見ると、かなわないなぁ、なんて思っちゃうんだよ」

 こんなことを、同級生の男性の友だちが言っていたことがあった。ひょっとすると女性たちの貪欲さが、男性たちをうろたえさせているのかもしれないし、女性たちに吹く時代の風に、少しばかり嫉妬する気持ちもあるのかもしれない。

 40代以上の男性に逆風はあっても“輝かせよう!”という風は吹いていない。

 人は往々にして、利益よりも損失に敏感に反応する傾向がある。手元にあるものを失わないためにはどんなことでもするが、リスクを冒してまで未来の利益を得ようと思わなくなる。

 そして、その損失の罠にはまった時、「未来」という文字が消え、今失われつつあるものだけに時に固執し、不安に襲われ、身動きできなくなり、非現実的な妄想の世界に浸ることで精神状態を保とうとする。

 だが、志は、貪欲な気持ちなくして持てないモノ。

 若いときのように体力もなければ、気力もないかもしれないけれども、精神機能は60代半ばまで緩やかに上昇し続けることが確認されている。

 今まで読んだことなかった本を1冊読むだけもいい。目的もなく勉強することで、未来が広がることだってあると思う。志を必死に持ち続けることが、生きる力を高め、前向きなエネルギーのトリガーになり、危機を乗り超える強さにつながるのだ。

 妻の愚痴は、「まだまだ、がんばれるよ! 一緒にがんばろうよ!」というメッセージだ。だって、ホントに嫌になったら愚痴も言わなくなるから。愛の反対は無視。そうならないために、耳の痛い話にも耳を傾け、もうちょっと踏ん張りましょ。私もどちらかといえばオジサン圏の女性ですが、まだまだ踏ん張ります。

このコラムについて
河合薫の新・リーダー術 上司と部下の力学

上司と部下が、職場でいい人間関係を築けるかどうか。それは、日常のコミュニケーションにかかっている。このコラムでは、上司の立場、部下の立場をふまえて、真のリーダーとは何かについて考えてみたい。


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