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「有料老人ホーム」と「サ高住」 選ぶならどっち?〈週刊朝日〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20141004-00000003-sasahi-life
週刊朝日 2014年10月10日号より抜粋
高齢者ホームに住み替えたいという人は、予算や生活スタイルに合う施設を元気なうちに探しておきたい。介護が必要になってから検討するのではなく、見学に足を運べる体力と判断力があるうちに、自分の考えをまとめて準備をしておこう。
公的な介護施設である特別養護老人ホーム(特養)は費用が安く、人気が高いが、要介護度の高い人が優先される(15年4月以降は原則、要介護3以上に限定)。入所の要件を満たしても、待機中の高齢者は現在52万人に上るなど、入所のハードルは高い。
現実的に入りやすい高齢者ホームを考えた場合、多くの人の視野に入ってくるのが民間の有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)だ。両者は何がどう違うのか。
有料老人ホームは、住まいの機能に、食事や介護、健康管理など日常生活に必要なサービス機能がセットで提供される。
一方、安否確認サービスと生活相談サービスはすべてのサ高住で提供が義務づけられているが、そのほかの生活支援サービス、食事サービス、介護サービスなどは自分で選ばなければいけない。住まいの契約と希望する各種サービスの契約が別々になるのが、有料老人ホームとの違いの一つだ。
ほとんどのサ高住は、一般的な有料老人ホームのような入居一時金が必要なく、まとまったお金を用意できない事情がある人でも入居しやすい。高額な入居一時金を払っていないため、不満があれば気軽に退去できるなどの利点がある。もっとも、有料老人ホームにも入居一時金が0円、徴収しても20万〜50万円程度というホームがある。探せば、サ高住とそれほど変わらないような初期費用で済む有料老人ホームもあるのだ。しかし、月額利用料は有料老人ホームもサ高住も、安くても15万〜20万円かかるところが多い(生活保護受給者向けは14万円くらい)。
サ高住は基本的には、通常の賃貸住宅と同じように敷金(多くは家賃の2〜4カ月分程度)、契約手数料などが初期費用として必要になる。家賃は月払い方式が多いが、前払い方式もある。
「サ高住は安い」というイメージが世の中にあるが、立地や部屋の広さ、設備などによって費用には大きな幅があるのが実情だ。一括前払い家賃が数千万円の豪華なところや、月払い方式で家賃が60万円を超えるところも存在する。高齢者ホームに詳しい専門家たちは「費用も設備もサービス態勢もさまざまで、サ高住と有料老人ホームを単純に比較することは難しい」と口をそろえる。
有料老人ホームもサ高住も元気なうちから入ることができる場合は、介護が必要になれば介護保険サービスを受けられる(健康型有料老人ホームは要介護状態になった場合、退去しなければならない)。
有料老人ホームの「住宅型」とサ高住は、在宅と同じように居宅サービスを受ける仕組みのため、利用した介護保険サービスの分だけ費用を負担する格好となる。介護サービスを多く使うと、介護保険の支給限度額を超える可能性がある。限度額を超えた利用部分の全額が自己負担となるので注意したい。有料老人ホームの「介護付き」は24時間態勢で介護サービスを受けられ、毎月一定額で済む。
有料老人ホームやサ高住を「終の住処」として考えるなら、介護保険サービスの方式の違いも含めて検討しよう。
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