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すかいらーく再上場10月9日があぶり出す ビール各社の銭勘定
http://wjn.jp/article/detail/0976321/
週刊実話 2014年10月9日 特大号
ファミリーレストラン最大手で『ガスト』や『ジョナサン』、中華料理の『バーミヤン』など国内外で既に3000店を運営するすかいらーくが10月9日、東京証券取引所に再上場する。デフレ不況下で経営が行き詰まった2006年に、創業家と野村證券系の投資ファンドがMBO(経営陣による自社買収)を実施、上場を廃止して以来8年ぶりの上場だ。
想定発行価格は1株1450円。時価総額は約2800億円で、外食産業では日本マクドナルドHD(3560億円)に次ぐ規模となる。久々の朗報に市場は盛り上がっているかと思いきや、評価は大きく二分される。
「外食産業は成熟産業だから少子高齢化が進むのはマイナス要因。しかも'11年に野村から再建を引き継いだ筆頭株主の米ベインキャピタルが発行済み株式総数の約30%を売却する方針を打ち出している。結果、株価の急落が避けられないこともあって“見送り”を決め込む投資家は少なくありません」(大手証券マン)
一方、外資系証券で外食産業を担当するアナリストは「ここへ来て時代の流れが変わった」ことを理由に買いを推奨する。
「つい最近までデフレの勝ち組とされてきた牛丼チェーンの『すき家』やマックが、今や苦戦を強いられている。これと対照的なのが“負け組”の烙印を押されてきたファミレスの復活です。すかいらーくの場合、傘下のレストランで使える株主優待券が発行されることから食指を動かしている個人投資家は少なくない。時価総額が大きく、株価指数に組み込まれる可能性があり、そうなれば機関投資家の買いが入るとの観測も追い風になります」
上場後に株価がどう推移するか見ものだが、それに負けず劣らず関係者の関心を呼んでいるのが、ビール会社の“擦り寄り”作戦だ。
再上場に際し、前述の通り米投資ファンドのベインキャピタルは発行済み株式の3割近くを売却する。そのタイミングに合わせてアサヒビール、キリンビール、サントリー酒類の3社が計100億円分を引き取る。すかいらーくにとっては安定株主で、出資比率の内訳はアサヒ1.5%、キリン1.4%、サントリー0.7%の見込み。販売最前線でしのぎを削るビール会社がファミレスに“揃い踏み出資”するのは前代未聞のことだ。
対外的にはビールやワインの販売データをマーケティングに活用することなどを理由にしているが、ビール各社は“ライバルに出し抜かれたくない”という事情があったようだ。
「現在すかいらーくはサッポロを含め、ビール4社と取引している。もし再上場を機に1社が大株主になれば、他社は締め出されかねない。それが怖いからサッポロを除く3社が出資を決めた。何せ近年はビールの販売が振るわず、その打開策として各社とも居酒屋の取り込みに目の色を変えてきた。自陣に取り込めば大量のビールがさばけるからです。ところが今や居酒屋も苦戦続き。だから各社はファミレスが主戦場とばかり、すかいらーくに急接近したのです」(前出・アナリスト)
ビール会社の“陣取り合戦”で威力を発揮したのが資本参加だ。アサヒはワタミに出資したのを機にサントリーの牙城を切り崩した。そのサントリーは鳥貴族(非上場)に資本参加し、キリンを排除した。アサヒが居酒屋大手チムニーの株式9.1%を米投資ファンドから取得したのも「キリン排除が狙い」(情報筋)とされる。各社のすかいらーく出資を、その延長で捉えるとわかりやすい。
ビール会社の魂胆がどうであれ、市場は今後、すかいらーくの成長性に注目する。しかし、想定発行価格から見たPER(予想株価収益率)は約30倍とあって「割安感に乏しい。個人マネーをどこまで取り込めるか」と指摘するのは地場証券の投資情報部長だ。
「再建に向け、すかいらーくが手本にしたのは日本マクドナルドの経営戦略です。マックが多彩な人材を外部からかき集め、1店舗当たりの売上高を増やす作戦で成功したことから同様の手法を採った。とりわけ今年の3月には米マックのラルフ・アルバレス元社長を会長に据え、周囲のヘッドハンティング部隊の後押しもあって再上場までこぎ着いた。しかし、手本にしたマックが今や馬脚を現し、天下に醜態を晒す始末です。生え抜きの谷真社長が『今日のマックは明日のわが身』を意識しないわけがありません」
因果は巡るというべきか、'08年には創業家の横川竟社長(当時)がサントリーなどに出資を求め、これが再建を指揮した野村グループの逆鱗に触れて解任されている。後に野村はベインに株を売却して撤退したが、すかいらーくは投資ファンドに翻弄された歴史を引きずっており、今後の揺れ戻しが不気味である。
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