01. 2014年10月02日 15:53:03
: z6lbpJnhpE
日経平均1万6000円割れ、約3週間ぶり安値:識者はこうみる 2014年 10月 2日 12:09 JST[東京 2日 ロイター] - 午前の東京株式市場で日経平均は3日続落し、9月10日以来、約3週間ぶりの安値水準で取引を終えた。前日の米国株安や円安進行の一服感を受け、ほぼ全面安の展開。一時290円強値下がりした。 前日の米国株市場は、米国内で初のエボラ出血熱感染者が確認されたことが市場心理を悪化させたことなどから、主要3指数はそれぞれ1%以上下落。円安進行に一服感がみられる中で、東京市場は朝方から売りが先行した。また、ドル/円が108円後半に下落すると、日経平均は下げ幅を拡大。一時1万5800円を割り込んだ。 市場関係者のコメントは以下の通り。 ●政策対応の観測強まり株売り込みにくい <野村証券投資情報部次長 田之上章氏> 米国株の大幅安に加え、前日にドル/円が110円を付け、いったん円安ラリーが終了した状態になりポジション調整が進行している。日本株は高値圏で下期入りしたため、機関投資家は含み益を抱えていた。期初の益出し売りが出ている可能性もある。仮需の積み上げなど需給面でも調整しやすい状況だった。 もっとも、消費税再引き上げの判断を控え、政府は株高を望んでいる。政府・日銀が本腰を入れた政策対応に動いた場合、安値で買い戻せないリスクもあり、ここから大きくポジションは落とせないだろう。下値余地は限定的とみている。まずは7日に記者会見する黒田日銀総裁が、予想を下回る直近の経済指標に関してどのようなコメントを出すのか注目される。 ●円の先安観は不変、押し目買いが下値支える <みずほ銀行 チーフマーケット・エコノミスト 唐鎌大輔氏> 昨日はISM製造業景気指数の予想下振れや米国内で初めてエボラ出血熱感染が確認されたことがドル/円を下押ししたが、「放っておけば円安」という基本シナリオは変わらない。明日発表の米雇用統計の内容が良ければ110円割れは当分戻ってこないかもしれない、そのぐらいの気概をもって円の先安観を見通すべきだ。 今後、地政学リスクの高まりやエボラ出血熱の感染拡大など、突発的なイベントで下落する可能性はあるものの、調整待ちの市場参加者は非常に多く、その都度押し目買いが入りそうだ。「押し目待ちに押し目なし」の相場が続くのではないか。105円台まで下落する展開は想定しておらず、年内は106─113円のレンジをみている。 ●期越えの調整の範囲内の動き、一巡後は底堅く <ブラウン・ブラザーズ・ハリマン 通貨ストラテジスト 村田雅志氏> 足元で相場が軟調だが、これを本格的なリスクオフの動きと見るのには違和感がある。 米経済指標を見ると9月の米ISM製造業景気指数が市場予想を下回ったが、誤差の範囲と言えるだろう。米雇用統計に先立つ9月ADP民間雇用者数は市場予想を小幅上回った上、目安となる20万人増を確保した。 過去1カ月程度の間、上昇してきた相場は楽観的過ぎた面がある。期越えしたことを契機に、むしろ落ち着いた動きが出ていると見るのが妥当ではないか。強いドルの地合いは変わっていない。利上げの準備を進める米国と、金融緩和を進める日本、欧州との政策の違いは鮮明だ。 ADPの結果を踏まえ、米雇用統計も20万人越えが見えてきた。ドル/円は110円台を長時間維持できなかったこともあり、雇用統計前にいったん調整が出やすくなるのは自然な動きだ。米株価も、落ち込み幅は調整の範囲といえる。これらの調整が一巡すれば、再び底堅い動きとなり、さらに相場が下押しされることは想定しにくい。 ●日本株は10月FOMC機に反転の可能性 <内藤証券 投資調査部長 田部井美彦氏> 調整局面は、思ったよりも早く来た印象だ。今回は米国景況感、欧州の経済環境、香港の情勢といった要素が重なりあって調整色が強まったとみている。米国の経済指標は、強い内容となれば金利引き上げの前倒しへの意識が広がり、弱い内容が出れば景気そのものに対する不安感が出る。米国株が過去最高値の水準にある中で、経済指標がどちらに転んでも悪い方向に作用してしまう状況にある。欧州経済も予想以上に思わしくない。 またヘッジファンドが11月頃に決算を控える中、ポジション調整に伴う売り注文が出るとみられていたが、足元の米国株安などを受け、これも前倒しになっている印象がある。今晩のECB理事会やドラギ総裁の発言、香港の動向などで状況が変わることも考えられるが、10月FOMCが日本株の反転の契機となる可能性がある。 日経平均はテクニカル面で25日移動平均線をあっさり割り込んだが、今後の安倍政権の経済政策やGPIFの運用改革などへの期待感もある。当面は1万5500円が下値のめどになるとみている。 ●米金融政策の転換控え市場はフラジャイル <マネックス証券 チーフ・ストラテジスト 広木隆氏> 前日の米国株の急落が日経平均1万6000円割れの背景だ。米株安の直接的なトリガーは、9月のユーロ圏製造業PMI改定値の下方修正や、米国で初めてエボラ出血熱感染が確認されたことなどだが、その根底には今月に米金融政策の大転換を控え、市場がフラジャイル(ぜい弱)になっていることがある。香港デモなど米国のファンダメンタルズに大きな影響を与えない悪材料にも反応しやすい地合いだ。 そうしたなか最大の注目イベントは今晩の欧州中央銀行(ECB)理事会。ドラギ総裁が日米のような国債の買い入れなど量的緩和政策に一歩踏み出してくるかに注目している。もし踏み出せば、欧州は不景気下での株高となり、世界的な株価上昇につながるが、そうでなければ催促相場となり、欧州発の混乱を招きかねない。 もっとも、日本株がショック安で下げても下値では押し目買いが入るとみている。国内企業業績が上方修正含みということもあり、バリュエーション面での割安さが意識されるためだ。円安進行による国内景気への悪影響が懸念されているが、グローバルに活躍する企業が主流を占める株式市場とは分けて考えるべき。円安の方向感が変わらない中では、日本株の上昇基調も続くとみている。 http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPKCN0HR05L20141002?pageNumber=1&virtualBrandChannel=0 |