02. 2014年10月01日 10:53:20
: MIVbZXdOED
利益・投資計画はしっかり、マインドには慎重さ=9月日銀短観 2014年 10月 1日 10:11 JST http://jp.reuters.com/news/pictures/articleslideshow?articleId=JPKCN0HQ2QT20141001&channelName=topNews#a=1 1 of 1[Full Size] [東京 1日 ロイター] - 日銀が1日発表した9月日銀短観では、大企業製造業の景況感は小幅改善した一方で、非製造業は大幅悪化となった。中小企業まで合わせた全規模全産業では悪化しており、消費税引き上げ後の6月短観より、景況感は冷え込んでいる。先行き12月にかけて業況判断はほぼ横ばいとなり、企業はこの先も景気回復に対し自信を持っていない心理がうかがえる。ただ、経常利益や設備投資など事業計画は上方修正され、マインドの慎重さに比べてしっかりとした内容。想定為替レートは足元の円安傾向を織り込んきておらず、輸出企業を中心に収益上振れ要因になりそうだ。 ・企業マインド停滞感強く、 全規模全産業で3ポイント悪化 業況判断DIは、大企業製造業で足元1ポイント改善してプラス13となったが、非製造業では6ポイントの大幅悪化、消費税引き上げ後の6月より悪化幅が拡大した。 全規模全産業では3ポイントの悪化となり、全体として企業マインドは6月短観より悪化したことになる。 足元では増税後の反動減が長引いていることや、夏場の天候不順、実質所得の減少の影響が大きいと政府・日銀は説明しているが、先行き12月にかけてほとんど改善が見られない。 大企業製造業でも横ばいのままとなる見通しで、同非製造業も1ポイント改善にとどまる。これまでの下押し要因が次第に減衰していくという政府・日銀の見通しは、マインド面からみれば、的中しなかったと言える。 ・売上・利益計画ともにしっかりとした上方修正 マインドがさえない割に、事業計画がしっかりと上方修正されている。14年度の売上高(増税分を除く)は、大企業製造業で0.1%ポイントとわずかながら下方修正された。特に輸出の売上計画が0.4%の下方修正となり、海外需要の弱さがうかがえる。 非製造業や中小企業では、ほぼ横ばいないし上方修正となっている。 経常利益は全規模全産業で、1.4%ポイント上方修正となっている。ただ、前年度比でみれば、高収益だった昨年度から4.0%の減益となる。 ・想定為替レートは100円程度、円安の影響織り込まず 企業の想定為替レートは今年度下期も100.63円と、6月調査の100.23円から若干円安となった。だが、足元で進行している大幅な円安を織り込んでいない。それでも08年度以来の円安水準となっている。 輸出産業に対する円安メリットに関しては、数量ベースの増加効果も一部で期待されたが、上期の輸出売上げが下方修正され、数量効果はみえず、海外需要の停滞の影響も大きかったとみられる。 下期の為替の推移が足元程度の円安で推移した場合には、輸出企業の売上・利益は上振れの可能性がある。一方で、素材産業や非製造業にとっては、輸入コスト上昇につながる恐れがある。 ・14年度設備投資計画しっかり上方修正、ただ製造業は先送り鮮明 14年度の設備投資計画は、年度でみると6月計画から上方修正された。全規模全産業で2.4%ポイントのしっかりとした上方修正となっている。通常9月調査では6月から下方修正されることが多いが、今年度は、老朽化設備の更新投資が必至となっている企業も多いとみられるほか、日銀では能力増強も相応にみられるとしている。下期の景気のけん引役として期待されている。 ただ、製造業は大企業から中小企業にまで上期計画が下方修正されており、下期への先送りが鮮明だ。全規模合計の製造業の上期計画は、2.7%ポイント下方修正されている。鉱工業生産が弱めに推移している影響もありそうだ。 (ロイター日本語ニュース 中川泉)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0HQ2QT20141001?feedType=RSS&feedName=topNews&utm_source=feedburner&utm_medium=feed&utm_campaign=Feed%3A+reuters%2FJPTopNews+%28News+%2F+JP+%2F+Top+News%29&sp=true 大企業製造業の業況判断DI、2四半期ぶりに改善:識者はこうみる 2014年 10月 1日 10:00 JST http://jp.reuters.com/news/pictures/articleslideshow?articleId=JPKCN0HQ2QJ20141001&channelName=topNews#a=1 1 of 1[Full Size] [東京 1日 ロイター] - 日銀が1日発表した9月全国企業短期経済観測調査(短観)では大企業製造業の業況判断DIがプラス13となり、2四半期ぶりに改善した。同非製造業はプラス13で、2四半期連続で悪化した。市場関係者の見方は以下の通り。 ●ポジティブサプライズ、増税後の反動減から脱出 <SMBC日興証券 チーフエコノミスト 牧野 潤一氏> 大企業・製造業DIは市場予想に反し改善し、ポジティブサプライズだ。消費増税後の反動減から脱する動きとなった。 輸入物価や人件費などコスト高を懸念する声はあるが、価格マージンは改善傾向にあり価格転嫁にも大きな問題はない。さらに、想定外の円安で経常利益も上振れするとみられ、2014年度はプラス4%程度の増益となりそうだ。また企業の業況感が低迷するなかでも雇用不足感は強まっており、雇用者所得の増加を通じた内需の自律的回復が期待できる。 日銀の強気な景況感は変わらないとみられるが、物価下振れに応じて12月にも追加金融緩和が実施されると予想している。 ●輸出株に買い意欲向かい安心感広がる <岩井コスモ証券・投資調査部副部長 有沢正一氏> 今回はっきりしているのは、製造業が良くて非製造業が良くなかったということだ。急激な円安の影響が出た形だ。足元においてもドル/円は109円後半と、円安が進行しており、輸出株に買い意欲が向かうだろう。一方、非製造業については、ある程度厳しいということは織り込まれていた。買いの対象にはなりにくいが、売りが進むということもなさそうだ。市場には買い安心感が広がるとみている。経済の好循環の一翼を担う設備投資計画が、予想を上回ったことも好感できる。 日銀の追加緩和への期待については海外投資家を中心に根強いものがある。今回の短観はその期待を抑える方向に作用しそうな内容だが、従来からの期待が大きく変わるということはないだろう。もっとも、日銀が円安の弊害にどのような見方を示すかについては今後注目する必要がある。 ●日銀は追加緩和期待をけん制へ <野村証券 チーフ為替ストラテジスト 池田雄之輔氏> 日銀短観では、設備投資計画が上方修正され、企業が先行きの景気に対して悲観的ではないことが確認された。 日銀の黒田総裁は、設備投資を当面の景気のけん引役と位置付けているので、追加緩和は必要なしとの判断をサポートする形になった。 今回の短観の結果を受けて、10月7日の日銀決定会合後の黒田総裁の記者会見では、市場の追加緩和期待をけん制するような発言をすることが予想される。 追加緩和期待の後退は、ドル/円の押し目になるとみられ、下落幅は1円程度はあり得るだろう。 ただ、下値では、年金や生命保険会社などの機関投資家などによるドルの押し目買いが流入することが見込まれ、大幅・継続的なドルの下押しは回避されるだろう。 ●順調な企業収益を示唆、先行きやや物足りない <第一生命経済研究所副主任エコノミスト 藤代宏一氏> 9月短観は下振れた8月鉱工業生産の発表後でネガティブサプライズも予想されたが、実際は悪い内容ではなかった。予想を上回る設備投資計画は、企業収益が順調に推移していることを示している。為替の前提なども考えれば、今後の上方修正に期待が持てる。株式市場には安心感をもたらす中身だ。 ただ、大企業製造業の先行きDIが現状から横ばいのプラス13と改善が進まないのはやや物足りなさを感じる。非製造業のDIも良くない。人手不足で収益機会が失われている可能性もあり、内需の弱さに懸念を残した。 ●手放しで喜べす、追加緩和は先延ばしか <大和証券・チーフエコノミスト 永井靖敏氏> 大企業製造業の業況判断DIが市場予想を上回り、ヘッドラインの数値は良かった。輸出企業を中心に足元の円安をイメージし、数量が伸びていなくても収益が上がっていることを踏まえて回答したとみられる。 アベノミクスの好循環が広がるかどうかは、中小企業の景況感が上向くかどうかがポイントだが、中小企業の業況判断DIは低水準を維持したまま。業種間のばらつきも目立つ。手放しでは喜べない。 業種によって円安のマイナス効果を指摘する声も少なくない。大企業でも非製造業は景況感が今後悪化する可能性もあるとみている。 9月30日に発表された生産・消費の関連指標が下振れたことで、為替・株式市場の一部に追加緩和を期待する声が出ている。しかし、債券市場からみれば、国債買い入れの増額に踏み切った場合、流動性の面で支障が生じかねない。日銀は市場から追加緩和圧力が強まっても、追加緩和の時期を極力先延ばしたいのではないか。 http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0HQ2QJ20141001?feedType=RSS&feedName=topNews&utm_source=feedburner&utm_medium=feed&utm_campaign=Feed%3A+reuters%2FJPTopNews+%28News+%2F+JP+%2F+Top+News%29&sp=true |