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重要事項説明のネットでの全面解禁について、不動産業界は反対の方向だ
Photo:JIJI
大衆薬の次は不動産取引で白熱するネット解禁論争
http://diamond.jp/articles/-/59753
2014年9月29日 週刊ダイヤモンド編集部
「ネット取引に対する業界の反発は、まるで医薬品の議論のときと同じだ」(関聡司・新経済連盟事務局長)
今年6月の改正薬事法の施行により、一般用医薬品(大衆薬)のインターネット販売が解禁されて約3カ月。ネット取引をめぐる争いは大衆薬から不動産へと舞台を移し、ネット解禁派と反対派による対立が白熱しつつある。
争点は、宅地建物取引業法に定められている重要事項説明(重説)だ。不動産取引の契約時には宅地建物取引主任者が重説を行う必要がある。現在は対面で行わねばならず、ネットなどの非対面の方法は認められていない。
だが、国土交通省は今年4月、「ITを活用した重要事項説明等のあり方に係る検討会」を設置。今年末までに最終取りまとめを策定することになった。
すでに3回の検討会が開かれたが、ネット解禁派の中心である新経済連盟(新経連)と、反対派である不動産の各業界団体は互いに主張を譲らず、「議論は平行線をたどっている」(検討会のメンバー)。
新経連が主張するのはネット活用による利便性の向上である。
現在は物件を下見した後、再び重説のために不動産業者と対面する必要がある。だが、ネットが認められれば、距離的・時間的な制約がなくなる。特に遠方への転勤や時間的制約がある人の場合、重説などの手続きをネットで行えれば負担は大きく軽減するだろう。
一方、業界団体は軒並み、消費者保護を理由に反対する。
大手不動産デベロッパーなどから成る不動産協会では、「パソコンのモニター越しでは顧客が重説をどれだけ理解しているのか判断が難しい。不動産取引のプロである法人についてのみ議論をすべきであり、一般消費者への解禁は消費者保護の観点から疑問」(森川誠・不動産協会事務局長)との立場だ。
対して新経連は「“相手の表情が読み取りづらい”との指摘は、ネット取引に限ったものではない。むしろ、ネットは重説のやりとりを記録に残せるのでトラブルの減少につながる」(関事務局長)と、消費者保護のメリットを訴える。
■骨抜きの可能性も
これまでの議論を見る限り、業界団体がおおむね、ネット解禁には懐疑的なことから、骨抜きになる可能性がある。
実際、検討会が今年6月に策定した中間取りまとめでは、ネット解禁派が主張する全面解禁とは程遠い内容だ。不動産売買については法人に限る方向で検討し、また、賃貸については個人と法人共に認める方向で検討するが、遠隔地の物件に限定する可能性もある。
だが、国内人口の減少という構造問題を抱える不動産業界にとって、利便性の向上などによる市場の活性化は重要な課題だ。ネット取引の解禁は、そのための有効なツールになる可能性を持つ。果たしてネット取引が本当にリスクを増大するのか、きっちりと検証を行うべきだろう。
いずれにせよ、年末に向けて、解禁派と反対派の攻防は激しさを増すことになりそうだ。
(「週刊ダイヤモンド」編集部 松本裕樹)
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