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少し前、アメックスの上級副社長が「80パーセントのビジネスは15年後には消えてなくなる」というショッキングなスピーチをした。
実際に、1950年代の世界経済に君臨していた上位五百社のうち、現在も操業している企業は、10パーセントにも満たない。時代に商品やサービスが、追いつけなかったり、利益をもたらす新商品が生み出せなかったりして、90パーセント近くの企業が、自然消滅してしまったのだ。
企業の消失は、ここ15年間前からさらに増えている。その原因となっているのは、世の中に急速に浸透するデジタルだ。
デジタルは、スピード、クオリティ、コストなどのマネージメント管理や効率化を可能し、莫大な利益をもたらしてくれるキラーツールだ。しかし導入を見間違えると、既存ビジネスをパッとつくり変えてしまう可能性が高いのも確かだ。
例えば、1768年に創刊され、110人のノーベル賞受賞者も執筆した「ブリタニカ百科事典」は、学術書の辞典として、世界中の研究機関、教育施設、家庭に置かれていた。しかし、インターネットの普及や、2001年に発表されたWikpediaなどの影響を受け、現在では規模が縮小され、microsoft版でオンライン版でのみ販売されているだけになった。
1880年世界で初めてカラーフィルムを発売した「コダック」も、デジタルカメラの登場などで、デジタルシフトへの経営を余儀なくされ、現在ではデジタルイメージング企業として再建中である。
80年前に創刊された「ニューズウィーク」も、インターネットの出現で、2012年に印刷版の発行は終了し、現在はデジタル版のみネット配信されているだけである。
日本の事例を紹介してみる。
国内最大の音楽・映像レンタルチェーンといえば1410店舗で展開している「TSUTAYA」である。DVDレンタル事業の主な収益はお客の延滞料金による比重が高いが、TSUTAYAでも同様である。しかし2005年、3600億円程度あったDVDの売上げが、2013年度、1630億円程度まで縮小したり、ゲオなどの競合店とのレンタル料金の値下げ激化、映像オンライン配信などの影響も受け、経営も悪化している。
ツタヤでも、収益が少ないがオンライン配信へのビジネス・シフト事業、独占映像レンタルソフトコンテンツ開発など行っているが、先が見えないが現状だ。
こう考えると、アメックスの上級副社長の発言は、俄然リアリティを帯びてくる。
人類史上最大の発明としては、火、文字、蒸気機関車などとともに、インターネットやコンピュータのデジタルも入ると思う。しかしデジタルは、人類に有益なインフラやシステムをもたらすとともに、既存のビジネスを一瞬で呑み込み、変貌させてしまうモンスターではないかと密かに感じている。
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