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中国企業の上場と、マネーの事情
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52651975.html
2014年09月25日 在野のアナリスト
新型iPhoneが不評です。曲がりやすいボディ、アップデートの不具合。設計段階の問題だけに、企業価値を著しく下げた、と言わざるをえないのでしょう。サムスンの凋落も同様に、スマホブームも一巡し、伸びが鈍化する中でのことですので、より打撃も大きくなるとみられます。
一方で、アリババなど中国企業の海外市場への上場が話題ですが、業績開示やコンプライアンスの問題が解決しないまま、熱狂するのはマネーゲームです。特に、中国で成功している企業は、中国共産党と必ず結びついており、不都合となればいきなり倒産、違法認定されて上場取り消し、ということも起こりうる。今の過熱は、マネーゲームも極点に近づいている、といった雰囲気すらあります。10月になれば否応なく流動性供給の一部が、FRBにより停止される。最後の駆け込みで、どう稼ぐか? それを互いに競い合っているような、そんな動きにすら感じられます。
日経平均が上昇し、年初来高値更新です。ただ今日までは配当権利とりの商いが多く、イレギュラーなものです。一部で、9月末のドレッシング期待、という話もありますが、この水準でお化粧買いを入れる必要はなく、むしろ次のターンを考えるとスタートは低い方がよい、と考える層が多い。年末までに日経平均が2万円、と勇ましい声も聞かれますが、実体を伴っていなければ、単なるマネーゲームで終わります。今はその見極めが非常に重要となってきています。
安倍首相がNYで「円安には功罪ある」と述べ、やっと円安牽制発言を行いましたが、これまでの常識を覆すことが起こりそうです。円安になれば、輸出数量が増えて国が潤う。そうなれば企業も国内で設備投資する。これが景気循環を生む、が一般論であり、安倍ノミクスの鍵です。しかし通貨安インフレは、どこの国でも景気には打撃でしかありません。特に日本は人件費が高く、資源もないので材料の調達コストも高い。国内でモノが売れないのですから、設備投資はしない。よって輸出も増えない。行き過ぎた円高は危険ですが、実は行き過ぎた円安はさらに危険なのです。日本はそのゾーンに、すでに入っているという見方すら出てきているのです。
円安は海外で活動する企業の業績を見かけ、押し上げる。ならば益々国外へと製造拠点の移転をすすめる。業績が上がれば賃上げ、という構図もない。ナゼなら、米国でもそうであるように、自社株買いによりPERをよくみせることが株高要因であり、設備投資よりも自社株買い、が主流です。海外投資家は、見かけ上業績のよくなった企業が、自社株買いを通じた株高対策を打つことを望み、日本に買いを入れるのであって、今の株高はそれが主因とみて間違いありません。
そうして日米欧の企業が流動性を低下させる中、それを補って株券をばら撒くのが中国企業、という構図なのです。だから買いが殺到する、実体を伴わずとも株価が上がる。中国経済が斜陽と云われながらでも、株価が堅調になるのはそんな理由です。これは非常に危険で、株価が実体経済を反映せず、グローバル化が主因でもない。すべてマネーの事情、というのが現在です。
なので、年末2万円もマネーの事情がそうしたければなるでしょう。しかし、そうならないと見ています。マネーの事情は、それを覆す大きな材料には脆いものです。今のところ、その材料は分かりませんが、戦争、パンデミック、環境変動、そしてバブル崩壊など、至るところに火種は燻ります。中国では燎原の火、という言葉もありますが、今はそれがマイナス方向には強く働き易く、市場がすべてを楽観的に捉えがちだからこそ、不意の変動には弱くなっている、ということでもあるのでしょうね。
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