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東証が個人投資家を潰す?「高速取引の機関投資家優遇」との不満噴出(Business Journal)
http://www.asyura2.com/14/hasan90/msg/582.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 9 月 25 日 07:30:05: igsppGRN/E9PQ
 

東証が個人投資家を潰す?「高速取引の機関投資家優遇」との不満噴出
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140925-00010002-bjournal-bus_all
Business Journal 9月25日(木)6時0分配信


「週刊ダイヤモンド」(ダイヤモンド社/9月20日号)は『個人投資家サバイバル』という特集を組んでいる。

「超高速取引の導入や小数点以下の株価表示など、東京証券取引所が実施する新たな施策によって、個人投資家の投資スタイルの転換が迫られている。そこには、サバンナでシマウマの群れを狙うライオンのように、個人投資家を静かに狙う“猛獣”が潜んでいる。競争が激化する市場で個人投資家はどう生き残るか。まさにサバイバルの時代である」という特集だ。

 米国統計での雇用環境の改善、米国株高や円安の影響で、東京株式市場では日経平均株価が続伸し、19日には上げ幅は一時300円に迫り、1万6300円台を回復している。1月8日に付けた年初来高値(1万6121円)を約8カ月ぶりに上回り、昨年末に付けた6年ぶりの高値1万6291円も抜いた。

 今後は、10月に株価はいったん調整し、年末に向けてさらに上値を試すとの見方が多く、年末の高値については1万7000〜1万8000円との声があるほどだ(19日付日本経済新聞電子版記事『株高値上回る・緊急アンケート(1)年末には1万8000円の見方、目先調整も』)。

 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の国内株保有比率の引き上げといった資産構成の見直しによる買い支えも見込まれることから、今を買い相場と見て投資をしようと考える個人投資家もいるかもしれない。

 しかし、不安要素が多いのが実情だ。国内でも第3四半期のGDP成長率、そしてその数字を受けて消費再増税を政府がどう判断するのか、大きく注目されている。

 9月16日付のビジネス情報サイト「現代ビジネス」記事『本誌独占インタビュー ノーベル賞経済学者クルーグマン「日本経済は消費税10%で完全に終わります」』に見られるように、再増税に否定的な声も目立ち始めたからだ。

●機関投資家が優遇されている?

 そして何よりも、個人投資家は機関投資家に比べて相対的に不利な環境に置かれているからだ。

「ダイヤモンド」の特集によれば、機関投資家の中でもHFT(ハイ・フリークエンシー・トレード/高頻度取引)業者は、「事前にプログラムを組むことで、1秒間に数千回の注文を繰り返して利ザヤを稼ぐ業者」であり、最速で100分の2〜3秒かかる個人のインターネット経由の注文に比べて、HFT業者は100万分の15.7秒で注文が出せる。

「個人投資家が1回取引する間に、HFT業者はやろうと思えば、400〜500回取引できる。人が新幹線にスピード競争を挑むようなもので、勝負はついている」(同特集より)ようなものなのだ。

 さらに同特集によれば、東京湾沿岸部には東京証券取引所のデータセンターがあるが、東証はその隣接地を「コロケーションエリア」として、証券会社に貸し出しているのだという。

「証券会社はさらに自社のサーバの一部を機関投資家に貸し出している。通称“腹貸し”と呼ばれるサービスにより、HFT業者のような一部の機関投資家が東証のシステムに、証券会社のサーバを介して、ほぼ直接つないで超高速取引を実現している」(同特集より)

 個人投資家が証券会社から「池袋アクセスポイント」を通じ、東証取引システムにアクセスしているのに対して、HFT業者は東証取引システムに事実上、ほぼ直接アクセスし取引ができてしまうのだ。このため、安く買って高く売るという利ザヤ取引は、その多くをHFT業者に奪われてしまい、同様の手法を採用していた地場ディーラーや、デイトレーダーは撤退を余儀なくされているという。

 さらに「個人投資家に追い打ちをかけたのが、今年7月22日の取引制度の変更である。一部の大型株で、呼び値(株価の刻み)を縮小し、10銭単位や50銭単位で取引できるようにした」ことだ。「個人投資家からすれば、小数点以下まで表示される株価に対応しなければならず『HFT優遇か』と不満が噴出している」(同特集より)。このため、呼び値縮小の対象銘柄を個人投資家は敬遠、中小型株に移行しつつあるという。

 こうした一連のHFT業者優遇の動きを、東証は「取引の活性化」のための措置としているようだ。いまや東証も日経平均株価も、日本株保有比率3割、売買代金では6〜7割を占めている海外投資家が中心になりつつあるようだ。鉄火場化した株式市場に迫った「ダイヤモンド」の秀逸な取材記事だ。

松井克明/CFP


 

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コメント
 
01. 2014年9月25日 12:19:23 : YylixLkL5Y
株式とFXは異なる。個人に高速取引は必要ない。中長期で保有すれば欲の皮の突っ張ったそしてわずかの下げの恐怖に弱い多くの参加者を相手にすれば

勝てないことはない。必要なのは大局観。


02. 2014年9月25日 22:06:18 : 358VeCXh4E

イナゴの心配など不要だろう

それより金融機関がまたバブルに巻き込まれないように監視することが重要


http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0HK0C520140925

コラム:米国株、利上げ転換局面は絶好の買い場か=竹中正治氏
2014年 09月 25日 17:47 JST
竹中正治 龍谷大学経済学部教授

[東京 25日] - 高値更新を続ける米国株だが、量的金融緩和後に米連邦準備理事会(FRB)が金利引き上げに転じるタイミング、その後の金利上昇テンポをめぐる思惑で相場は揺れ動いてきた。「これまでの株価上昇は長きにわたった超金融緩和によるバブルだ。超金融緩和の終了に伴い暴落必至」と語る株価ベア(弱気)な論者も少なくない。

そこで今回は金利と株価の関係について考えてみよう。結論から言うと、景気回復過程の金融緩和から利上げへの転換で株価が反落するのはよくあることだ。ただし、下落は一時的で中長期的にはむしろ買いの好機である。悲観論者の見通しは大幅に割り引いて聞いたほうが良いだろう。

<株価と金利の長期的な関係>

まず金利と株価の長期的な関係を確認しておこう。掲載図は1980年以降の10年物国債利回りとS&P500ベースの1株当たりの純利益率を散布図にしたものだ(いずれも年平均値)。1株当たり純利益率とは一般に「益回り」と呼ばれ、1株当たり純利益(EPS)を株価で割ったものである。したがって益回りは株価収益率(PER) の分母と分子が逆になったものであり、逆数の関係にある。

言い換えると益回りは市場株価をベースにした資本利益率(ただしキャピタルゲイン分は含まれない)であり、すう勢的な金利水準が変わればそれに応じて益回りも変化するのは当然だ。実際、図が示す通り、1980年以降、10年物国債の利回りと益回りの間には高い相関関係が見られ、10年物国債利回りのすう勢的な低下に合わせて益回りも低下してきた。

この益回りと10年物国債利回りの関係をそのまま当てはめると、10年物国債利回り1%ポイントの上昇は益回りを0.54%ポイント上昇させる。その場合、1株当たり純利益に変化がなければ、株価が下落する形で益回りが上昇するしかない。現在のS&P500ベースのPERが約20倍弱であることを前提に計算すると、益回り0.54%ポイントの上昇はPERが20から18.05に下がることを意味する。すなわち株価は9.7%下落する。

現在値から10%近い株価の下落は平時ではかなり大きい反落だ。ただし景気回復が続いている以上、1株当たり利益の見通しも増加基調となる。したがって、実際の株価の変化は1株当たり純利益の増加予想と金利上昇予想の綱引きで決まる。

<利上げ転換局面で5―10%の反落は自然>

次にもう少し短期の時間軸で株価と金利の関係を見てみよう。1カ月程度の単位でS&P500(以下「株価指数」)と10年物国債利回り(以下「長期金利」)の前月比変化の関係を見ると、相関関係は全く見られない。つまり長期金利と株価指数が逆に動くケースも、同じ方向に動くケースも、また全く関係性がないケースもあり、安定的なパターンは見られない。短期的な株価指数の変動要因が長期金利だけではないことを考えれば、これは当然のことだ。

しかし、景気の回復過程でそれまでの金融緩和から引き締めに転じた局面に限定すると、利上げへの転換で株価が反落するパターンが見られる。最新のケースは2013年5月の「バーナンキショック」だ。当時のバーナンキFRB議長が、量的緩和終了が視野に入ってきたことを示唆しただけで、それを契機に長期金利は5月初めの1.6%台から9月初めの3.0%手前まで1.4%ポイント跳ね上がった。その過程で株価指数は5月の高値から6月の安値まで7.5%下落した。

また、リーマンショック前の景気循環として、2004年にFRBがITバブル崩壊後の金融緩和を終了して初めて利上げに転じた場合を見てみよう。この時、実際にフェデラルファンド(FF)金利を0.25%引き上げたのは6月末だが、その前からFRBの利上げの示唆を受けて長期金利は3月から5月にかけて1.3%ポンイト上昇した。株価指数は4月の高値から8月の安値まで7.8%下落した。

さらにその前の景気循環では1994年だ。2月にFRBはそれまでの実質ゼロ金利政策(3%インフレの下でのFF金利3%)を終了し、0.25%利上げした。この局面の利上げは翌95年2月の6.0%まで続くのだが、長期金利は94年1月から7月まで1.9%ポイント足早に上昇した(その後も緩やかな上昇が続いた)。株価指数は1月の高値から4月の安値まで9.7%下落した。

実はこの時に深刻だったのは株価の反落以上に金利の上昇である。FRBの金利引き上げへの転換が急速だったため、多くの金融機関や機関投資家が、金利の上昇に備えたポジション転換ができず多額の損失を抱えた。これが教訓になったのだろう。当時のグリースパンFRB議長はその後「市場との対話」をより入念に行うようになった。

そして、超ど級の下げは1987年10月のブラックマンデーだ。この時は景気回復過程での最初の利上げではないが、インフレ率の上昇などを背景に9月に0.5%の利上げが行われ、長期金利は6月から10月にかけて2.0%ポイント跳ね上がった。株価は8月の高値から12月の安値まで34.5%も暴落した。とりわけ10月19日の月曜日から28日までの下落幅は20%と凄まじく、「ブラックマンデー」と呼ばれていることはご承知の通りだ。

ブラックマンデーについては様々な調査・研究がなされてきたが、経済のファンダメンタルズ面で株価暴落が必然化するほどの要因は特定できていない。当時は米国の膨張した経常収支赤字と財政赤字、1985年のプラザ合意後の止まらないドル相場の下落など一種の「ドル不安」の雰囲気が背景にあった。そこに金融政策の変化などを契機に、機関投資家の株式ポートフォリオのヘッジ手法として当時広がり始めていた「ポートフォリオ・インシュアランス・プログラム」などが一斉に米株売りに動き、さらに債券売り、ドル売りのトリプル安を招いたという叙述的な解説がなされてきた。

そういう意味ではブラックマンデーは上記3つのケースとは異なり、四半世紀に1度あるかないかの特殊なケースと考えて良いのだろう。以上の通り、過去を参考にすれば、来年からいよいよ始まる米国の利上げへの転換局面でも直近高値から5―10%程度の反落局面が起こっても、むしろそれは自然なことだと言えるだろう。

<高リターンで報われた暴落時の株買い>

9月17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)声明とイエレンFRB議長の記者会見で、量的緩和第三弾(QE3)は来月10月に終了することがほぼ確実になった。問題は最初の利上げの時期とその後の金利引き上げのテンポだが、利上げの時期は来年中頃かその前後であまり大きな変更は見込まれていない。

利上げのテンポについてはFF金利先物(9月19日引値)を見る限り、2015年12月時点で0.78%の水準を織り込んでいる。ところが、17日に発表されたFOMCメンバー17人の15年末時点のFF金利の予想は、0.125%(引き上げなしは2人)から最高2.875%まで実にばらついている。最も予想分布の多いレンジでも、0.875%から1.875%の1%幅に13人の予想が分布している。16年末時点の金利予想の分布幅はさらに広い。

この点についてイエレン議長は、時間の経過に伴って予想の分布も次第に収れんすると会見でコメントしているが、要するに利上げのテンポについてコンセンサスはないのだ。

FF金利の引き上げ経路が高めコースとなるか、低めコースとなるかで、来年以降の長期金利の水準もかなり違ったものになる。とりわけ高めコースをたどる場合は、それは現在の相場には織り込まれておらず、長期債利回りのジャンプアップと株価のやや大きめの反落の可能性がある。

ただし重要なことは、景気回復過程での金融政策の引き締めへの転換によって生じる株価の反落局面は、過去の例を振り返る限り買いの好機だ。株価は金利見通しが金利上昇方向にシフトすることによって一時的に反落するが、企業業績の回復は継続する。その結果、1株当たり純利益の増加が株価を引き上げる効果が最終的に勝る。そして、株価は短期で底打ちし高値を更新する。

実際、上記の1990年代以降の3ケースではいずれも株価の下落は短期で終わり、その後高値を更新している。大暴落となった87年10月のブラックマンデーの時でさえ、景気後退にはならなかった結果、89年7月には株価指数はブラックマンデー前の高値を更新している。わずか2年弱辛抱すれば、暴落時の株買いは高いリターンで報われたのだ。これが90年代以降、長いデフレ環境に陥った日本株とマイルドインフレが持続している米国株の最大の違いだろう。

<米国の景気回復は持続する>

もちろん、こうしたことが言えるのは米国の景気回復が持続することを前提にしている。「景気回復が頓挫、景気後退に戻る可能性はないのか」と思う人もいるだろう。将来予想に絶対はないし、景気は循環するものだ。現在の景気回復局面もいずれ終了する時が来る。

しかし、5月28日付の本コラム「量的緩和、最後で最大のリスクは中銀の巨額損失」で述べた通り、ベビーブーマー世代の引退が始まったという人口動態上の要因で、すう勢的な経済成長率が過去の3%強よりも0.6%ポイント程度減速していることを除けば、米国経済に目先、景気後退に陥る内生的な要因はない。リーマンショック後の景気後退を経て家計や金融機関のバランスシート調整はとっくに終了している。

「米国で進行している所得格差の拡大が経済成長率を低下させている」という憶測もよく語られている。高所得者は消費性向が低い(=貯蓄率が高い)ので、高所得者層の所得シェアが増えると消費需要全体の伸びが低下するからだと言う。米国の所得格差の拡大が社会的・政治的に重大な問題であることは筆者も大いに賛同する点だ。しかし、それが全体の消費性向を押し下げる効果を生んでいるのなら、家計貯蓄率のすう勢的な上昇が観測されるはずである。

ところが、事実はそうなっていない。米商務省が公表している家計貯蓄率によると、1980―89年の平均値は9.3%、1990―99年は同6.7%、2000―09年は同4.3%、2010年から現在は同5.8%である。ご覧の通り現在の米国家計貯蓄率は80年代や90年代より低いのだ。ただし、2000年代よりは高い水準にある。

2000年代は2007年まで住宅バブルの資産効果で家計貯蓄率が著しく低下し、国内の貯蓄・投資バランス全体も貯蓄不足・投資超過に大きく傾いた。その結果、米国の経常収支赤字が持続不可能な水準まで膨張した。すなわち低すぎる貯蓄率が問題になった期間だった。2010年以降の平均5%台の家計貯蓄率は経常収支赤字を大幅に縮小させながら、持続的な成長を可能にする観点からおおよそ望ましい水準だと言えるだろう。

以上のような経済と株価の見通しに立った場合、長期投資としてどのようなポートフォリオ操作が望ましいだろうか。私自身はリーマンショック後に買った米国株式(S&P500連動ETF)は2013年前半のドル相場上昇を伴った上げ局面で利益を確定して手仕舞った。

現在まで維持している持高はやはりS&P500連動ETFだが、中核的持高として長年維持してきた部分だ。これは持値が低いので10%ぐらい株価指数が下がってもなんともないのだが、目立った反落局面があれば、そこは損失(評価損)をセーブしながら買い増したいというせこい思惑もある。そこでダウ平均が1万7000の大台に絡み始めた今年夏からダウ平均指数の先物売りを組み込んだETN(東証上場銘柄)を買って、現物株式の25%程度をヘッジすることにした。 

来年にかけて直近高値から5―10%程度の反落場面があれば、このヘッジ持高を手仕舞い、ヘッジ益を稼ぐつもりだ。もし幸運にもブラックマンデーのように30%も下落するような大暴落に遭遇したら、その時は手持ちのキャッシュをぶち込んで盛大になんぴんしようか。

*竹中正治氏は龍谷大学経済学部教授。1979年東京銀行(現三菱東京UFJ銀行)入行、為替資金部次長、調査部次長、ワシントンDC駐在員事務所長、国際通貨研究所チーフエコノミストを経て、2009年4月より現職。経済学博士(京都大学)。最新著作「稼ぐ経済学 黄金の波に乗る知の技法」(光文社、2013年5月)。

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0HK0BP20140925
コラム:さらなる円安が景気回復を後押しする訳=村上尚己氏
2014年 09月 25日 18:33 JST
村上尚己 アライアンス・バーンスタイン マーケット・ストラテジスト

[東京 25日] - 筆者は8月初旬の時点で、「日米の景況感と金融政策のかい離」を背景にドル高円安が進むシナリオを繰り返し強調していた。その後、8月下旬にはドル円のこう着相場が終わり、9月下旬には109円台まで大きくドル高円安が進んだ。

この動きについて、メディアでは「急激な円安」と解説されている。ただ、「ドル高円安」は、日米の金融政策の違いを踏まえれば予想されたことであり、筆者は意外とは感じない。「急激な円安」にみえるのは、これまでファンダメンタルズがドル円の価格形成に必ずしも影響せず、かつ、この3カ月余り、歴史的な低ボラティリティでのこう着状況が続いたからだろう。

年初を思い出せば、110円前後へのドル高円安がコンセンサスのように予想されていた。実際には、米経済が年初に一時的に減速したことに加えて、ユーロ圏でのデフレリスクが大きなテーマとなり、ドル円はこう着状態に陥った。ただ、上述の要因は永続しないので、年初のコンセンサスシナリオがようやく実現しつつあるだけだ。

「急激な円安」というフレーズとともに、「これ以上の円安は日本経済にとってあまり良くない」という説も増えてきた。ガソリンなど身の回りのモノの価格上昇という、「ミクロ視点」でしか経済現象を考えられない結果だろう。

ミクロ視点の価格変化をとらえて「物価上昇の弊害」と騒いでしまうのは、ガソリン価格などの上昇は「相対価格の変化」であり、一般物価の上昇つまり「インフレ」とは異なる経済現象であることを理解していないためと考えられる。

ガソリン価格などだけが上昇する相対価格の変化が起きても、名目所得が変わらなければ、それ以外の財サービスへの需要が減る。このため、ガソリン価格などが上がっても、経済全体つまり一般物価の上昇は必ずしも起きない。そして、金融緩和強化の目的は、一般物価を押し上げることである。

「エネルギー主導での輸入インフレ」などと的外れなフレーズとともに、アベノミクスで景気回復が実現していた2013年も、同様の誤解に基づく批判をよく耳にした。ガソリンや原材料価格が大きく動くのは、上記のような「相対価格の変化」で説明できる事象だが、為替市場がドル高円安方向へ動くたびに同じ議論がまた繰り返されているのだろう。

<日本はいまだ脱デフレの途上>

結論を言えば、1ドル110円前後の円安が、日本経済全体に悪影響を及ぼすとは到底考えられない。円安が進み、価格転嫁が難しい一部企業において原材料高の負担が強まる面はあるにしても、通常、川中・川下まで価格転嫁が及ぶには時間がかかる。

2000年代半ばに、円安に加えて国際商品市況が大きく上昇した。この時も、企業の価格転嫁に時間がかかる中で、「交易条件悪化で企業利益が停滞し景気後退が起きる」との懸念が高まった。しかし、実際には輸出や個人消費などが堅調に推移し、景気回復は続いた。

2014年度については、性急な消費増税によって個人消費が失速していることが懸念されるが、輸出、設備投資が増えており景気回復は何とか保たれている。また足元で、交易条件は、商品価格が落ち着いているのでほぼ横ばいで推移している。さらに円安が進んでも、それをきっかけに景気が腰折れするわけはなく、現在も2000年代半ばと同様に、緩慢ながらも景気回復は続いているとみられる。

むしろ、価格転嫁が難しい、あるいは時間がかかることの本質的な問題は、それが一時的に企業の負担を増やすことではなく、経済全体では需給ギャップが依然残っているということだ。日銀が掲げる物価安定目標の2%を実現できていない、つまりいまだに脱デフレの途上にあり、「(デフレへ舞い戻るリスクを抱えた)脆弱な状況」にあることを意味する。

今後、総需要が一段と増えて、インフレ期待がプラス2%で安定するようになると、多くの企業が原材料上昇を、販売製品に価格転嫁できるようになる。それがまだ十分起きていない現在の状況であれば、日本における望ましい政策対応は、金融・財政政策をフル活用して総需要を刺激することだ。現状、2014年4月からは大型増税による緊縮財政政策のブレーキで、日銀による金融緩和頼みの状況である。

こうした中で、金融緩和が続き自国通貨安になることは、日本経済全体にとってはプラスの効果が大きい。具体的には、さらに円安が進むことによって、企業の利益が増え、株高・外貨建て資産が増えて民間部門のバランスシートが強固になり、そして設備投資や雇用拡大をもたらすメカニズムが一段と強まる。

「これ以上の円安は日本人にとって望ましくない」という的外れな議論は、日本経済がいまだに物価安定の目標である2%を実現できていないことを忘れているか、世界標準である2%の物価目標を日本だけ実現できないと勘違いしているかのどちらかだろう。あるいは、インフレ率はまだ低すぎるのに「インフレ加速」を心配していた2012年以前の日銀と同じ思考体系にはまっているのかもしれない。

*村上尚己氏は、米大手運用会社アライアンス・バーンスタインのマーケット・ストラテジスト。1994年第一生命保険入社、BNPパリバ、ゴールドマン・サックス、マネックス証券などを経て、2014年5月より現職。

http://diamond.jp/articles/-/59593
【第129回】 2014年9月24日 藤井 英敏
一気に集中、あっという間に離散する
「イナゴ投資家」になる&大損しない方法
 19日のNYダウは5日続伸し、3日連続で過去最高値を更新しました。スコットランドの英国からの独立が回避されたことや、中国の電子商取引最大手・アリババ集団の新規上場が好調だったことも好感された結果です。また、19日の日経平均も、年初来高値を更新し、2007年11月2日以来およそ6年10カ月ぶりの高値で終えました。外国為替市場で円相場が1ドル=109円台前半と約6年ぶりの安値に下落したことが主因です。


日経平均チャート(日足・6カ月)*チャート画像をクリックすると最新のチャートがご覧になれます。SBI証券HPより
目先は上昇が一服し、調整が始まる可能性が高い

 9月相場については強気でみていたので、この展開に違和感はありません。ですが、日本については26日に9月末配当の権利落ち日を迎えます。このため、明日25日までは9月末の配当取りの動きが継続するでしょう。しかし、26日以降はそのような買い需要はいったんなくなります。

 また、ゴールドマン・サックスは米国株について、目先の3カ月間の投資姿勢を「ニュートラル」としつつも、12カ月先については保有量を少なめにする「アンダーウエート」としているということです。

 理由は「バリュエーションは高く、利益のマージンはピーク水準近くにあるため」だと伝わっています。さらに、米国では、アルコアが10月8日に発表するのを皮切りに7−9月期決算発表が本格化します。こうなると、企業収益見極めたいとのムードが強まるのは当然でしょう。

 よって、目先は、日米共に一本調子で上がる状況ではなくなり、上昇が一服し、調整に入るとみておいたほうがよさそうです。

 なお、調整イコール急落(値幅調整)ではありません。高値圏で、「もみあい」を続け、短期的な過熱感を冷ます「日柄」調整もありますからね。いずれにせよ、米国については、7−9月期決算発表が一巡した頃から脱調整となり、上もしくは下へのトレンドが出て、それが日本株に大きな影響を与える展開を想定しています。

大切なのは予想よりも対応力

 現時点では、暴落の秋を念頭に、下へのトレンド発生の可能性が高いとみています。しかし、相場は決めつけは禁物。上にいった場合のこともケアして、おかないとなりません。

 当欄で何度も書きましたが、予想を当てることよりも、もっと大事なことは、適切なポジション管理等の「対応力」です。もちろん、多くの場合、ある相場観に基づきポジションを構築しますが、万が一、自分の相場観が「曲がった」と感じたら、「君子豹変」し、即座に、その時点での相場環境に最も適したポジションに組み替える、または、意に反する方向にいった場合のヘッジ(保険)をかけないとなりません。

 なお、下方向でも、上方向でも、予想する方にトレンドが出ることに賭ける場合、コールやプットオプションのショートポジションなどを構築し、「利益限定・損失無限」であるにも関わらず、予想が外れた「曲がった」ポジションに固執すると、大変なことになります。

 (損失限定・利益無限の)買いは家を失うリスクがあるが、(利益限定・損失無限)の空売りは命まで失ってしまうリスクがあるぞという意味の、「買いは家まで売りは命まで!」との相場格言があるくらいですから(笑)

上手に「イナゴタワー」を利用する方法

 そういえば11日に、一気に集中し、あっという間に離散する投資行動から「イナゴ」と呼ばれる個人投資家に関する記事が掲載されていました。そこでは、「イナゴ」達が作り出した材料株のチャートの形状を「イナゴタワー」と呼ぶことが紹介されていました。

 ちなみに、国内最大級の某掲示板の書き込みによれば、イナゴには種類があるそうです(笑)

【高速イナゴ】
電光石火のスピードが持ち味のイナゴ。何か情報が出れば内容も確認せずに飛びつく。他のイナゴが乗りおくれる銘柄にも間に合うメリットがある半面、どうでもいい内容の情報も少なくない為、損切りで終わることの方が多い。また、稀に共食いイナゴに進化する。

【下級イナゴ】
情報を分析する能力が備わったイナゴ。しかしその能力は極めて低く「凄そう」という理由で飛びつく。 情報分析する時間の分、高速イナゴに比べて乗り遅れることも多く、共食いイナゴのエサになる場合も多い。

【上級イナゴ】
下級イナゴの進化系。情報を精査する能力が格段にアップしており、無駄打ちが少ないのが特徴。あえて他のイナゴ達が荒らした後に入ることも多いが、その分乗り遅れも多く、イナゴ心を忘れてしまったイナゴ。

【養分イナゴ】
ATM代わりに存在するイナゴ。完全に終わった銘柄に飛び乗って、皆にお金をばらまいている。自分が損した銘柄の情報提供者への怨恨は凄まじい。煽りイナゴに進化する。

【煽りイナゴ】
養分イナゴの進化系。ただお金をばらまくだけだったのが、執拗な買い煽りを繰り返し
皆を巻き込もうとする特殊能力が備わった迷惑極まりないイナゴ。

【共食いイナゴ】
高速イナゴの進化系。誰よりも早く乗った銘柄を、遅れてきたイナゴに売りつけるイナゴ殺しのイナゴ。昨今このタイプの台頭が凄まじく、高騰銘柄が長続きしない元凶でもある。別名ババ抜きイナゴ。

【殿様イナゴ】
イナゴ界のレジェンド。特定の掲示板などで崇拝されているイナゴで、他のイナゴとは違い、あえて先に特定の銘柄を仕込み、その後銘柄名を叫ぶことによってイナゴ達を飛びつかせる手法を取る。叫んだ銘柄は必ず騰がるので負け知らずの名実ともに最強イナゴである。

http://textream.yahoo.co.jp/message/1006871/ffckdca5dea5a4a5afa5ma5ka5afa59?comment=107532より引用)

 世間では、この「イナゴタワー」の崩落による犠牲にばかり目が向き、タワー建設中の爆発的な収益については、無視している感があります。

 しかしながら、成り上がりたいあなたは、そんな世間の常識なんて、気にする必要はありません。成り上がりたいのなら、そのタワーにどのように上手に取り組めば、収益化できるかを日々研究するべきです。基本的には、出来高変化率及びトレンドフォロー系のテクニカル指標を組み合せていくやり方に、個人的には魅力を感じます。

 なお、あなたが、リスクを冒してまで成り上がりたいと思わないのなら、イナゴタワーに決して近づいてはいけません。また、心臓の弱い方や、持ち株が下がると鬱になっちゃう人もやめておいた方がいいでしょう。値動きが激しく、それに一喜一憂していたら、寿命が縮まる可能性が高いからです(笑)

 ちなみに、24日前場段階の足元で、イナゴが群がっているとみられる銘柄は、エルナー(6972)、日本電計(9908)、トリケミカル(4369)、オービス(7827)、テリロジー(3356)、トレックス・セミコンダクター(6616)、構造計画研究所(4748)、ケー・エフ・シー(3420)、櫻島埠頭(9353)、イチケン(1847)などです。それぞれのチャートや出来高を、時間のあるときにチェックしてみてください。そして、何をきっかけに人気化し株価が急騰したかを日々メモし、分析していく努力をしてくだい。これが、イナゴタワーでの勝ち組なる第1歩だと思います。


日本電計(9908)株価チャート(日足・6カ月)*チャート画像をクリックすると最新のチャートがご覧になれます。SBI証券HPより
 繰り返しますが、情報や株価に飛びつくだけではいけません。それに加え、自分なりのテクニカル指標を駆使した売買手法の確立、及びポジション管理をすることができるようにならないと、成り上がることはできないと思いますよ。


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