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円安の功罪、「いいとこ取り」で昨年末の高値は抜けたが…
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140922-00010000-shikiho-biz
会社四季報オンライン 9月22日(月)18時0分配信
先週は米FOMC(公開市場員会)の結果発表をきっかけに円安が大きく進み、日経平均は一気に昨年末の高値を抜いた。米国株も債券高にもかかわらず最高値を更新するなど大幅に上昇した。FOMC前は手仕舞い売りに押されていた日本市場でも素直に円安を好感する動きになった。
米国での大型IPOの影響が多少は見られたものの「換金売り」は限られ、スコットランドの独立も否決されたことから地政学リスクがあえて取りざたされることもなかった。
■海外の懸念材料は薄れたが……
これまで懸念されていた米FOMCのリスク=利上げリスクも「円安」という好材料に変わり、スコットランド問題が終息し、ウクライナ問題や中東問題も一服。中国の景気鈍化も懸念されたが、特に指標に反応することもなかった。
高値を抜けたことで一気に買われてもよさそうなものだが、週明けの日本市場の反応は芳しいものではない。特に悪材料が出たわけではないが、円安一服となったことやソフトバンク株が大きく売られたことでいろいろな「好材料」に出尽くし感が出たということなのだろう。
ただ、米国金利の上昇、日本では日銀のマイナス金利での国債買い入れなど金融緩和が続いており、円安傾向であることには変わりない。では、円安一服は「買い場」となるのだろうか?
円安が一概に好材料かどうか、かつての輸出中心の産業構造から変化している現状では、実際に、直接的に円安の好影響がある企業はそれほど多くはない。実際に、海外から部品や材料を輸入している企業も多く、直接的に円安だからすべての銘柄が買われることはない。
ここからは円安が進むと「円安メリット銘柄」が買われ、円安一服となってくると「円高メリット銘柄」で出遅れ感が強いもの、売られすぎたものが物色されるだろう。また、商品市況の悪化は見られるものの、円安効果として海外資産の見直しも行われれば、商社株なども割安感が強まってくるのではないだろうか。
■外国人から見た日本株
直接的に為替の影響を指数に当てはめてみると、「ドルベース」で見た日経平均にはまだまだ上値余地もあることがわかる。円が安くなることで米国株式市場、たとえばダウ平均やS&P500指数などに比べて日経平均の出遅れ感が目立っているということだ。
したがって、日銀や年金による買いが期待される日本株は外国人から見ると「割安」と映る可能性が高く、大きく円安に振れる場面では外国人の買いも大いに期待される。
円安の効果は、実際に土地やマンションの売買にも見られており、円安が進めば進むほど海外からの不動産投資も増えてくるだろう。したがって、通常は「内需株」とされる不動産株なども「円安効果」があるといえるのかもしれない。
海外からの投資という観点から見ると、円安メリットは大きく、また、円が安くなるリスクをヘッジするための「円キャリー取引」でさらに円安が進むという効果もありそうだ。ただ、一方で、円安が一服となる、あるいは円安を好感して十分に株が上昇してしまった後は、ちょっと円高に振れただけで一気に株が売られることも考えられる。
ちなみに昨年末の日経平均をドルベースでみると約155ドルで、現在は150ドル弱という状況であり、まだまだ上値余地はある。しかし、ドルベースで安いからという理屈で、土地やマンションのように外国人がさらに日本株を買い進むかとなると疑問だ。
市場全体として考えると「外国人が買うのであれば上がる」という期待は持てるが、逆にいったん円高に振れるとスパイラル的に一気に円高=株安が進むということになるのではないだろう。
日経平均の当面のレンジはドルベースで考えると下値は1万5800円(145ドル)、上値は1万6350円(150ドル)と見られ、為替が1ドル=110円台定着となると1万6800円〜1万7000円(155ドル=昨年末の水準)という水準まで上昇となる。
<著者プロフィール>清水洋介:大和証券、マネックス証券、リテラ・クレア証券など経て、現在アルゴナビスでフィナンシャルコンシェルジュ
※当記事は、証券投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。
清水 洋介
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