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雑感。G20の閉幕
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52651547.html
2014年09月21日 在野のアナリスト
G20(20ヶ国・地域財務相・中央銀行総裁会議)が閉幕しました。ルー米財務長官が、日本に対し「経済活動の縮小により困難に直面」と語っています。これが海外からの日本の見方であり、「困難」という言葉が示すように、決して良い状態ではない。株高、などと日経なども囃しますが、ドルベースでは下落していたり、円安により持分が減ったから買う、という技術的側面のみが、株価を押し上げる要因です。その内、日本への投資比率を下げる、という話になれば、一気に売ってくるかもしれない。それが「困難」という言葉にも表れているのです。
IMFのラガルド専務理事が「それぞれに特殊性があり、処方箋も異なる」と述べましたが、当たり前です。財政規模も、経済政策も異なる国で、同じ手法が通用する、というような万能なものはありません。金融政策も日米欧で差が出てきたように、効果のあらわれ方は一様ではありません。基軸通貨としてのドルをもつ米国は、危機においても投資が集まる環境にあり、それが好循環をうみ始めた。失業率が高い欧州、増税した日本、いずれも失速が目立ってきています。
簡単に言えば、金融緩和は資金の流れは生みますが、それは国内でなくともいい。欧州だろうと、日本だろうと、緩和をすれば成長しそうな国へと流れてしまう。なので、経済成長を考えるなら、金融緩和は意味がありません。金融不安があるときにのみ、効果のある対策なのです。一部で、国から資金が逃避するので通貨安は招きますが、その効果がでるかどうかは、国の産業構造に大きく左右される。残念ながら、サービス業が主要な先進国では効果は薄い、ということになります。
財政出動に関しても、何に支出するかによって効果は異なります。日本は未だに製造業を呼びこむための、インフラ整備などがメインで、サービス業への波及効果が低い。工業団地などをつくっても、日本から工場が減っていく中で奪い合いになるだけ。それではダメなのです。
G20ができること、それは国の事情ごとに異なる施策、経済環境を統一的に扱うことではありません。不公平、障壁について各国がとりくむ、という問題意識を共有するだけで十分です。逆に言えば、それ以上のことは話し合っても井戸端会議の延長程度のことにすぎません。
麻生財務相が、景気減速ではないと説明するのに苦心した、と伝わります。震災直後をこえる景気の落ちこみとなれば、どんな災害が? と各国も不審がるでしょう。消費税増税災害、スタグフ災害、とでも呼ぶべきなのかもしれません。世界は、確実に日本への見方を厳しくしている。G20の集合写真をみると、中央よりやや右よりに麻生氏、黒田氏は位置しました。右によっているばかりで、経済を蔑ろにしている。そう公然と非難される日も近いのかもしれませんね。
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