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大幅な下方修正を発表する平井社長(右)/(C)日刊ゲンダイ
ソニー初の無配転落 社内で飛び交う「次期社長」の名前
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/153489
2014年9月20日 日刊ゲンダイ
「だめだこりゃ」
社内は、いかりや長介ばりのため息で充満しているらしい。
2015年3月期の業績見通しを大幅に下方修正し、1958年の上場以来初となる無配転落を発表したソニー。18日は失望売りを招き、株価の終値は前日比183円安の1940円と急落した。19日も続落し、前日比19円安の1921円で取り引きを終えた。赤字が慢性化、大手電機ではひとり負け。それだけに、「社内ではトップ交代を望む雰囲気が強まっているようです」(経済ジャーナリスト・有森隆氏)という。
とにかく、平井一夫社長は12年4月の就任以来、下方修正はこれでもう6回目だ。市場の信認は完全に失った。それでも平井社長は自らの経営責任を棚に上げて、1000人規模のリストラを実施するという。
「社員の不信感も募る一方で、<平井社長はプレゼンテーターとしては一流だけど、経営者としては…>という不満の声も聞こえてきます」(有森隆氏)
■あの人の側近中の側近
社内ではすでに、“ポスト平井”の名前も飛び交っているという。社内ナンバー2、現在CFO(最高財務責任者)の吉田憲一郎氏だ。
「財務畑出身で、出井伸之社長時代に社長室長を務めたこともある、出井氏の側近中の側近です。00年にソネットに転じ、DeNAに投資するなどして成功を収めてきた。13年末にソネット社長からソニー本体に一本釣りされたのは、社内に一定の影響力を保つ出井氏の強力なプッシュがあったからともっぱらです。実は、ソニーがVAIOブランドを売却したのもテレビ事業を分社化したのも、吉田氏が中心になって話をまとめている。平井社長はそれを了承しただけで、実質的な経営判断を下しているのは吉田氏。今回の無配転落で、社員の間では『さっさと交代すれば』と、平井社長の早期退陣を求める声が強まりつつあります」(同社関係者)
平井社長は帰国子女でICU卒、英語はペラペラだ。それもあって「赤字続きなのに高額報酬を得て批判を浴びた前トップのハワード・ストリンガー氏に気に入られ、後継者になれた」(前出の同社関係者)とも。
「保身に走るイエスマンが出世し、現場の社員と経営陣の距離が広がっていく。今のソニーは“斜陽企業”の典型ですね。潔く社長が退き、町工場に戻るぐらいの覚悟で人心を一新しなければ、ソニー復活はないと思います」(株式評論家・倉多慎之助氏)
誰もが欲しがった「It ’s a SONY」の時代に戻れるか。
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