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コラム:当局容認のドル高、年内110円到達あるか=村田雅志氏(ロイター)
http://www.asyura2.com/14/hasan90/msg/453.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 9 月 16 日 17:54:05: igsppGRN/E9PQ
 

コラム:当局容認のドル高、年内110円到達あるか=村田雅志氏
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0HB0GB20140916
2014年 09月 16日 17:02 JST ロイター


村田雅志 ブラウン・ブラザーズ・ハリマン 通貨ストラテジスト

[東京 16日] - 筆者はかねてよりアベノミクスを受けた円安相場には一貫して懐疑的な姿勢を示し続けてきた。ドル円は9月末頃まで101―103円の極めて狭いレンジ内での推移が続くと予想。10―12月期に米利上げ期待を背景にドル買い優勢の展開になったとしても、上値はせいぜい106円程度という見方を示してきた。

しかし、結果をみれば一目瞭然で、筆者の予想は大外れ。ドル円は9月2日に105円、8日には106円、11日には107円と、それぞれの節目を上抜け。原稿執筆時点(16日)は、107円台前半で推移している。いずれ年初来高値を上回ると見込んでいた方々は、見事な予想を示していたことになる。

ただ、「負け惜しみ」とのお叱りを受けることは承知しているものの、ドル高論者の見方がファンダメンタルズの点で的確な予想を示していたとは考えていない。筆者が記憶する限り、ドル高の根拠は米金利の上昇だったが、米2年債利回りは0.54%台と、昨年夏場に記録した水準を小幅上回る程度。米10年債利回りは2.57%台と、年初に記録した3.00%台を大きく下回ったままである。

ドル高が進んだ根拠として、米連邦準備理事会(FRB)による利上げ前倒し観測が強まったとの見方も一部にあるようだが、はっきりとは言い難い。フェデラルファンド(FF)金利先物動向から計算すると、来年3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)までにFF金利が少なくとも25ベーシスポイント(bp)引き上げられる確率は、半年以上も50%をやや下回る水準のままだ。利上げ開始時期が、「早くて」来年4月との見方が大きく変わったわけではない。

米国景気が底堅く推移していることをドル高の理由に挙げる方もいるだろう。ただ、8月の米雇用統計では非農業部門雇用者数は14.2万人増と市場予想を大きく下回った。9月からのドル高を説明するのに米景気の先行き期待を持ち出すのは説得力に欠ける気がする。そもそも景気の先行き期待は以前から続いていたことで、今月になって急に強まったというのは後付けの印象すら与える。

<日米欧通貨当局のドル高容認姿勢>

邪推の域を出ないかもしれないが、9月に入り為替市場でドル高基調が強まった大きな要因は、ファンダメンタルズの変化ではなく、日米欧の通貨当局者の間でドル高容認姿勢が共有され、市場が当局の意向を理解し始めたためではないかと思われる。日米欧の通貨当局がドル高容認姿勢を露骨に示すようになったという見方だ。

分かりやすい一例は、9月4日の黒田東彦日銀総裁の記者会見での質疑応答だ。ドル円が当時105円台と年初来水準まで円安が進んだことで、これ以上の円安は日本経済にとってデメリットではないかとの質問に対し、黒田総裁はドル高・円安になっていくとしても、日本経済にとって特にマイナスにはならないと明言した。また、日欧が金融緩和を当面続けていく一方で、米国はテーパリング(量的緩和縮小)を終了させ、いずれ短期金利も上がっていくほど景気が良いことを指摘、(ドルが)強くなっていくのは自然と述べている。

一方、欧州中央銀行(ECB)は4日の理事会で、市場予想に反し政策金利を10bp引き下げ、10月から資産担保証券(ABS)などの購入を開始することを決めた。この決定は、全会一致ではなく賛成多数で決められたこともあって、ECB執行部の緩和姿勢の強さが示された。

これを受けてユーロドルは1.31ドル台前半から1.29ドル台前半まで急落。興味深いのは、ユーロが大きく下落しても、ECB当局者はユーロ高をけん制する発言を続けていることだ。クーレECB専務理事は9日、ユーロ高は緩和的な金融政策の根拠になると発言。ノワイエ仏中銀総裁は11日、ECBがユーロの下落をすでに実現させているが、インフレ目標達成には一段と下落する必要があるとの認識を示している。

米国では、サンフランシスコ連銀が8日付の調査レポートで、FOMC委員の見通しに比べて、一般の人々は低金利状態が長く続くことを見込んでいると指摘。市場の利上げに対する準備が遅いとの認識を示唆した。

2%インフレ目標を掲げる日銀や、ディスインフレからの脱却を目指すECBが自国通貨安につながるドル高を容認するのは自然であるが、FRBがドル高容認姿勢を示すのは不自然との見方もあるかもしれない。しかし、緩やかなペースであればドル高は、米景気の先行きに慎重な姿勢を示すイエレンFRB議長にとって悪い話ではない。

FOMC内では、議事録などから類推できるように、長期にわたる金融緩和策に対して批判的な見方が強まっている状況だ。個人消費支出(PCE)コアデフレーターは、前年比プラス1.5%と年初の同プラス1.2%近辺から小幅ではあるが加速している。一方、米国株式市場では、利上げ懸念を背景に上値が重く推移。S&P総合500種は9月初めに2000を超えた後は1980台まで上値を切り下げている。

ドル高は、輸入物価の抑制を通じインフレ圧力を弱める効果が期待される。PCEコアデフレーターの加速も抑制されると考えられ、FOMCのタカ派グループを中心とした早期の利上げ要求を退ける一助となる。

ドル高は米雇用の拡大にも寄与するだろう。米雇用拡大のけん引役は非製造業にシフトしており、緩やかなペースであればドル高は非製造業の労働需要を強めると考えられる。また、ドル高期待が高まれば、米国への資本流入が強まり、米国株をサポートすることも期待される。

<ドル円上昇は年内で失速も>

筆者はドルが対円中心に予想以上に上昇したことを受けて、個人的な見通しを変更した。具体的には、ドル円は年内に110円程度まで上昇する可能性があるものの、年末に近づけば近づくほど伸び悩みの様相が強まると予想。来年前半は、上昇トレンドが弱まり、105―110円のレンジでの推移とした。

ただ、ドル円の予想レンジを切り上げた主因は、日米欧通貨当局がドル高容認姿勢を強めたことであり、日米ファンダメンタルズに関する見方は大きく変えていない。FRBは10月にテーパリングを終了させるものの、利上げ開始を可能な限り先送りすると思われる。おそらく利上げ開始は早くて来年6月だろう。米成長率は今年後半、来年前半ともに年率3%ちょうど程度であって、インフレ加速もドル高の影響もあって緩やかとみている。

一方、日本については、成長率が今年後半、来年前半ともに年率1%強程度で伸び悩むと予想。ただ、インフレはドル円上昇効果を主因に2%目標に向けて加速基調で推移すると見込んでいる。日本政府は法人減税の実施と補正予算の策定と引き換えに来年10月の消費税率再引き上げの実施を決定。日銀の追加緩和は来年後半まで先送りされると考えている。

*村田雅志氏は、ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの通貨ストラテジスト。三和総合研究所、GCIキャピタルを経て2010年より現職。


 

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コメント
 
01. 2014年9月16日 21:50:24 : jXbiWWJBCA

2014年09月16日
第127回 豪ドル急落の背景 【大橋ひろこのなるほど!わかる!初めてのFX】

週明けの豪ドルは窓を開けての急落スタート。週末に発表された中国8月鉱工業生産の伸び率は2008年以来の水準へ鈍化。小売売上高も予想を下回るなど、中国の指標は貿易収支発表後から弱めの内容が続いており、景気減速による成長目標未達の可能性が懸念されたことから豪ドル円は96.39円まで、豪ドルドルは0.8983ドルまでの下落となっています。下落は先週から始まりました。9月8日から12日、豪ドル円は98.64円から96.92円まで大幅下落、この期間はドル円相場が105円から107.39円まで2円以上もの上昇を見せたのですが、豪ドル円はドル円上昇に連れ高とはなりませんでした。ドルストレート通貨で見ても、先週1週間で豪ドルドルは0.9373ドルから0.9029ドルまで3%超も急落しています。つまり豪ドル円は「米ドルに対して豪ドルが大きく下落した」ことに連れた下落だったのですが、これまで米ドルの次に強かった豪ドルに何が起こったというのでしょうか。

◆これまで豪ドルが米ドルの次に強かったワケ

先週から豪ドルが下落を始めましたが、それまでは米ドルの次に強い通貨でした。昨今の中国の景気動向や商品市況を見ると、これらに影響を受ける豪ドルが強いというのには違和感がありましたが、おそらくこれまでは「消去法」的に豪ドルが選ばれていただけで、豪ドル以外の通貨があまりに弱かったことが豪ドル高の背景にあったと思われます。

@ ユーロ安

欧州はインフレが低下しており、デフレ入り目前。ウクライナ問題から発動された対ロシア制裁は、欧州経済に影を落とし、一人勝ちだったドイツの景況感も悪化。ECBは6月のマイナス金利導入に加え9月はABSとカバーボンドの購入に踏み切るという追加緩和策を発表したことで、通貨ユーロの下落が続いています。

A ポンド安

今週19日にイギリスからの独立を問うスコットランドの住民投票を控え、独立賛成派が勢いを伸ばしていることで通貨ポンドが売り込まれています。年内最も早いタイミングで利上げに踏み切るだろうと見込まれていたために、2014年前半はポンド買いが旺盛だったのですが、その利上げの思惑も大きく後退してポンドを支える材料が見当たらなくなってしまいました。

B 円安

9月入りからドル円相場は騰勢を強め107円台にまで一気に円安が進みました。その背景にはGPIFによる日本株買い、外貨買いが本格化するという思惑が強まっていることが上げられますが、日銀の追加緩和期待が強まっていることも大きなドル円上昇の材料となっているようです。内閣改造以降、閣僚らからは消費税再増税に向けた強いメッセージが繰り返されていますが、4-6月期のGDPがマイナス7.1%に悪化しても尚、そのシナリオを崩さないという姿勢から、景気悪化のテコ入れに日銀が動かざるを得ない状況に追い込まれているという見方が強まっているとみられ、海外勢が日銀緩和期待から旺盛にドルを買っていると指摘されています。

C NZドル安

NZ中央銀行は2014年に入って3回連続の利上げを実施し、NZドルも大きな上昇を見せていましたが、住宅市況が落ち着いたことや、貿易収支の悪化などから、利上げを休止しました。また、NZ乳業大手フォンテラ社の乳製品価格オークションで乳製品価格が2月の高値から半値近くにまで下落していることも嫌気されています。NZ輸出の4分の1をも占めるとされる乳製品。貿易に大きく影響することから、NZドルもまた、下落が止まらない状況となっています。

米ドル以外の主要通貨の全てに明確な売り材料が存在しているのですが、豪ドルは、唯一、明確な売り材料が存在していなかったことで、売り込まれることはなかったと思われます。それが、先週9月8日の週からは一転して大きな下落に見舞われているのですが、この間に明確な売り材料が出たわけではありません。

ロイターによると、この間、ディーラーらは豪ドル・米ドル取引の出来高が2倍に増加したと報告しており、レバレッジがかかっている市場参加者には明白な売り傾向が認められるということです。米商品先物取引委員会(CFTC)の統計によれば、投機的な買い手による豪ドルのネットの買い越しポジションは9月最初の週にピークに達しており、豪ドルが今後さらに下げる可能性を示唆しているとしています。背景にあるのは「キャリートレードの巻き戻し」。金利の安い米ドルを借りてきて、金利の高い豪ドルを買っていたが、それを手仕舞っているということですね。

今週は9月のFOMCが開催され、イエレンFRB議長の記者会見もあります。今回9月FOMCで声明の文言変更などがあり、それもタカ派的な内容となるのではないかという見方が強まっており、ドル買いが強まっているのですが、これまでは明確な売り材料がある通貨の下落という形でのドル買いが目立っていました。豪ドルに関していえば、これまで消去法的な理由で選択されてきたが故に、売り込まれていなかったのですが、いよいよFOMC直前になってイベントリスクを避けるポジション調整が入ってきたものと思われます。ユーロ、ポンド、円、NZドルなどの他通貨はドルに対して相当売り込まれてしまっているのですが、豪ドルは逆にドルに対して買いのポジションが膨らんでいたために、それが整理される過程においては下げ余地が非常に大きいチャートとなっています。それほどに、今週のFOMCは注目度が高く、ドルがさらに上昇加速となる可能性が高いとみられているということでしょう。豪ドル売りの流れはFOMCまでは継続するものと思われますが、結果次第では、最も早く買い戻される通貨となるとみています。豪ドル円は今週の安値で拾ってみたいですね。

コラム執筆:大橋ひろこ

フリーアナウンサー。マーケット関連、特にデリバティブ関連に造詣が深い。コモディティやFXなどの経済番組のレギュラーを務める傍ら、自身のトレード記録もメディアを通じて赤裸々に公開中。

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@hirokoFR

前の記事:第82回 国別国際競争力ランキング【北京駐在員事務所から】 −2014年09月10日
http://lounge.monex.co.jp/pro/special2/2014/09/16.html


02. 2014年9月16日 22:03:41 : jXbiWWJBCA
コラム:当局容認のドル高、年内110円到達あるか=村田雅志氏
2014年 09月 16日 17:02 JST
村田雅志 ブラウン・ブラザーズ・ハリマン 通貨ストラテジスト

[東京 16日] - 筆者はかねてよりアベノミクスを受けた円安相場には一貫して懐疑的な姿勢を示し続けてきた。ドル円は9月末頃まで101―103円の極めて狭いレンジ内での推移が続くと予想。10―12月期に米利上げ期待を背景にドル買い優勢の展開になったとしても、上値はせいぜい106円程度という見方を示してきた。

しかし、結果をみれば一目瞭然で、筆者の予想は大外れ。ドル円は9月2日に105円、8日には106円、11日には107円と、それぞれの節目を上抜け。原稿執筆時点(16日)は、107円台前半で推移している。いずれ年初来高値を上回ると見込んでいた方々は、見事な予想を示していたことになる。

ただ、「負け惜しみ」とのお叱りを受けることは承知しているものの、ドル高論者の見方がファンダメンタルズの点で的確な予想を示していたとは考えていない。筆者が記憶する限り、ドル高の根拠は米金利の上昇だったが、米2年債利回りは0.54%台と、昨年夏場に記録した水準を小幅上回る程度。米10年債利回りは2.57%台と、年初に記録した3.00%台を大きく下回ったままである。

ドル高が進んだ根拠として、米連邦準備理事会(FRB)による利上げ前倒し観測が強まったとの見方も一部にあるようだが、はっきりとは言い難い。フェデラルファンド(FF)金利先物動向から計算すると、来年3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)までにFF金利が少なくとも25ベーシスポイント(bp)引き上げられる確率は、半年以上も50%をやや下回る水準のままだ。利上げ開始時期が、「早くて」来年4月との見方が大きく変わったわけではない。

米国景気が底堅く推移していることをドル高の理由に挙げる方もいるだろう。ただ、8月の米雇用統計では非農業部門雇用者数は14.2万人増と市場予想を大きく下回った。9月からのドル高を説明するのに米景気の先行き期待を持ち出すのは説得力に欠ける気がする。そもそも景気の先行き期待は以前から続いていたことで、今月になって急に強まったというのは後付けの印象すら与える。

<日米欧通貨当局のドル高容認姿勢>

邪推の域を出ないかもしれないが、9月に入り為替市場でドル高基調が強まった大きな要因は、ファンダメンタルズの変化ではなく、日米欧の通貨当局者の間でドル高容認姿勢が共有され、市場が当局の意向を理解し始めたためではないかと思われる。日米欧の通貨当局がドル高容認姿勢を露骨に示すようになったという見方だ。

分かりやすい一例は、9月4日の黒田東彦日銀総裁の記者会見での質疑応答だ。ドル円が当時105円台と年初来水準まで円安が進んだことで、これ以上の円安は日本経済にとってデメリットではないかとの質問に対し、黒田総裁はドル高・円安になっていくとしても、日本経済にとって特にマイナスにはならないと明言した。また、日欧が金融緩和を当面続けていく一方で、米国はテーパリング(量的緩和縮小)を終了させ、いずれ短期金利も上がっていくほど景気が良いことを指摘、(ドルが)強くなっていくのは自然と述べている。

一方、欧州中央銀行(ECB)は4日の理事会で、市場予想に反し政策金利を10bp引き下げ、10月から資産担保証券(ABS)などの購入を開始することを決めた。この決定は、全会一致ではなく賛成多数で決められたこともあって、ECB執行部の緩和姿勢の強さが示された。

これを受けてユーロドルは1.31ドル台前半から1.29ドル台前半まで急落。興味深いのは、ユーロが大きく下落しても、ECB当局者はユーロ高をけん制する発言を続けていることだ。クーレECB専務理事は9日、ユーロ高は緩和的な金融政策の根拠になると発言。ノワイエ仏中銀総裁は11日、ECBがユーロの下落をすでに実現させているが、インフレ目標達成には一段と下落する必要があるとの認識を示している。

米国では、サンフランシスコ連銀が8日付の調査レポートで、FOMC委員の見通しに比べて、一般の人々は低金利状態が長く続くことを見込んでいると指摘。市場の利上げに対する準備が遅いとの認識を示唆した。

2%インフレ目標を掲げる日銀や、ディスインフレからの脱却を目指すECBが自国通貨安につながるドル高を容認するのは自然であるが、FRBがドル高容認姿勢を示すのは不自然との見方もあるかもしれない。しかし、緩やかなペースであればドル高は、米景気の先行きに慎重な姿勢を示すイエレンFRB議長にとって悪い話ではない。

FOMC内では、議事録などから類推できるように、長期にわたる金融緩和策に対して批判的な見方が強まっている状況だ。個人消費支出(PCE)コアデフレーターは、前年比プラス1.5%と年初の同プラス1.2%近辺から小幅ではあるが加速している。一方、米国株式市場では、利上げ懸念を背景に上値が重く推移。S&P総合500種は9月初めに2000を超えた後は1980台まで上値を切り下げている。

ドル高は、輸入物価の抑制を通じインフレ圧力を弱める効果が期待される。PCEコアデフレーターの加速も抑制されると考えられ、FOMCのタカ派グループを中心とした早期の利上げ要求を退ける一助となる。

ドル高は米雇用の拡大にも寄与するだろう。米雇用拡大のけん引役は非製造業にシフトしており、緩やかなペースであればドル高は非製造業の労働需要を強めると考えられる。また、ドル高期待が高まれば、米国への資本流入が強まり、米国株をサポートすることも期待される。

<ドル円上昇は年内で失速も>

筆者はドルが対円中心に予想以上に上昇したことを受けて、個人的な見通しを変更した。具体的には、ドル円は年内に110円程度まで上昇する可能性があるものの、年末に近づけば近づくほど伸び悩みの様相が強まると予想。来年前半は、上昇トレンドが弱まり、105―110円のレンジでの推移とした。

ただ、ドル円の予想レンジを切り上げた主因は、日米欧通貨当局がドル高容認姿勢を強めたことであり、日米ファンダメンタルズに関する見方は大きく変えていない。FRBは10月にテーパリングを終了させるものの、利上げ開始を可能な限り先送りすると思われる。おそらく利上げ開始は早くて来年6月だろう。米成長率は今年後半、来年前半ともに年率3%ちょうど程度であって、インフレ加速もドル高の影響もあって緩やかとみている。

一方、日本については、成長率が今年後半、来年前半ともに年率1%強程度で伸び悩むと予想。ただ、インフレはドル円上昇効果を主因に2%目標に向けて加速基調で推移すると見込んでいる。日本政府は法人減税の実施と補正予算の策定と引き換えに来年10月の消費税率再引き上げの実施を決定。日銀の追加緩和は来年後半まで先送りされると考えている。

*村田雅志氏は、ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの通貨ストラテジスト。三和総合研究所、GCIキャピタルを経て2010年より現職。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0HB0GB20140916


ロンドン外為:ドル、対円で6年ぶり高値付近−FOMC控え

  9月16日(ブルームバーグ):ロンドン時間16日午前の外国為替市場で、ドルは対円で6年ぶりの高値に近い。米連邦公開市場委員会(FOMC)を16、17両日に控え市場は2006年以来となる米利上げの時期を探っている。
ロンドン時間午前8時23分(日本時間午後4時23分)現在、ドルは対円でほぼ変わらずの1ドル=107円19銭。12日に付けた107円39銭は2008年9月以来の高値だった。対ユーロでも小動きの1ユーロ=1.2935ドル。ユーロは対円で1ユーロ=138円67銭。
スコットランドの独立を問う住民投票が18日に迫る中、ポンドは対ドルで0.3%安の1ポンド=1.6188ドル。対ユーロでは0.2%安の1ユーロ=79.91ペンス。
原題:Dollar Is 0.2 Percent From Six-Year High Versus Yen as FedMeets(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:シンガポール Kristine Aquino kaquino1@bloomberg.net;ロンドン Lucy Meakin lmeakin1@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Paul Dobson pdobson2@bloomberg.netKeith Jenkins, Naoto Hosoda
更新日時: 2014/09/16 16:56 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NBZHIW6JIJV101.html


日本株6日ぶり反落、輸出や不動産安い−米統計低調と過熱感

  9月16日(ブルームバーグ):東京株式相場は6営業日ぶりに反落。米国経済統計の低調やテクニカル指標から見た過熱感、為替の円安一服が嫌気され、輸送用機器やゴム製品、機械など輸出関連株、不動産、金融株が安い。米連邦公開市場委員会(FOMC)が日本時間今夜から開かれ、米利上げ前倒しへの警戒も重しとなった。
TOPIX の終値は前週末比2.86ポイント(0.2%)安の1310.86、日経平均株価 は36円76銭(0.2%)安の1万5911円53銭。
三井住友アセットマネジメントの濱崎優シニア・ストラテジストは、「今は円安という好材料と米国の早期利上げ観測という悪材料が交錯している」と指摘。日本株は上昇が続いていただけに、「ネガティブな面が強調されやすい局面」と話した。ただ、米金融政策動向については、「景気が良いので利上げするという認識に変わってくれば、マイナスの材料も消える。あとは、円安を受けた製造業業績への期待から相場は底上げされていく」との認識も示した。
15日に発表された8月の米鉱工業生産指数は前月比0.1%低下し、7カ月ぶりのマイナスとなった。自動車生産の低下が響き、市場予想の0.3%上昇を下回った。同統計の低調を受け、同日の米国債は8営業日ぶりに上昇。米国株は、インターネット関連や小型株に売りが広がり、ナスダック総合指数は1カ月ぶりの安値に下落した。
また、きょうのドル・円相場は午前に一時1ドル=106円93銭と、107円台前半で推移していた前週末に比べ円高方向に振れた。3連休明けの日本株は、米国株、為替面から目立った買い材料に乏しかった上、テクニカル指標から見た過熱感を背景にTOPIX、日経平均は終始マイナス圏で軟調推移。東証1部の上昇・下落銘柄数の百分比を示す騰落レシオ は12日時点で131%に上昇、短期過熱感を示す120%を3日連続で上回っていた。
ただ、午後はドル・円が円安方向に戻したほか、今週はFOMC、スコットランドの独立是非を問う住民投票など市場に影響を及ぼしそうな材料が相次ぐため、一方的に売り込む動きにも乏しく、指数の下げ幅は限定的。午後の開始直前に栃木県や群馬県南部で震度5弱を記録するやや大きな地震があり、東京都心も揺れたが、先物を中心に相場への影響は限られた。
東証1部33業種は不動産や保険、ゴム、銀行、非鉄金属、ガラス・土石製品、機械、石油・石炭製品、海運、証券・商品先物取引など23業種が下落。一方、情報・通信、空運、精密機器、卸売、水産・農林、小売、サービス、倉庫・運輸、化学、その他製品の10業種は高い。
売買代金上位では三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループ、デンソー、ブリヂストン、三菱地所、住友不動産、三井不動産、コマツ、大塚ホールディングス、ダイキン工業、東京海上ホールディングスが下落。これに対し、約35%を出資する中国アリババ・グループ・ホールディングが新規株式公開(IPO)の仮条件を1株66−68ドルに引き上げたことを材料に、ソフトバンクは高い。ソニーや新日本科学、富士通、信越化学工業、サンリオ、鹿島も上げた。
東証1部の売買高は18億6623万株、売買代金 は2兆317億円。値上がり銘柄数は878、値下がりは802。
記事についての記者への問い合わせ先:東京 竹生悠子 ytakeo2@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Sarah McDonald smcdonald23@bloomberg.net院去信太郎
更新日時: 2014/09/16 15:33 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NBYSWB6KLVR401.html




英CPI8月は前月比+0.4%・前年比+1.5%、予想と一致
2014年 09月 16日 18:48 JST
[ロンドン 16日 ロイター] - 英国立統計局が発表した8月の消費者物価指数(CPI)は前月比0.4%上昇、前年比は1.5%上昇となり、予想と一致した。前年比の伸びは7月の1.6%から小幅ながら鈍化した。

エコノミストらはイングランド銀行(英中央銀行、BOE)は2015年第2・四半期ごろまで政策金利を据え置くとみており、この予想が変わることはないとみられる。イングランド銀行のカーニー総裁は9日、労働市場が金融危機からの回復を続けた場合、来春に利上げを開始する可能性があるとの見解を示した。

2009年12月から昨年12月まで、インフレ率はBOEの目標である2%を上回り、家計の購買力を圧迫。総選挙を来年に控え、生活水準の低下が大きな政治的問題となっていた。

ただ、インフレ率は現在、8月まで8カ月連続で目標値を下回ることとなった。2005年5月まで複数年にわたり2%を下回ったが、これ以来の長期となっている。

これにより中銀は、英国経済が非常に強い回復をみせているにもかかわらず、政策金利を据え置いている。

国立統計局は、8月の物価上昇が鈍化した要因について、自動車燃料、食料品、清涼飲料や家具を挙げた。食料品と清涼飲料の価格は1.1%下落。これは2003年1月以来の大幅下落となった。スーパーマーケットでの販売競争で価格が下落していることに加え、2013年前半に気候が寒冷となり食料品価格が上昇した反動だと説明している。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0HB0VA20140916


ECB、必要なら追加措置講じる用意=フィンランド中銀総裁
2014年 09月 16日 17:56 JST
[ヘルシンキ 16日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会のメンバーであるリーカネン・フィンランド中銀総裁は16日、ユーロ圏のデフレを回避するため、ECBは必要なら追加措置を講じる用意がある、との考えを示した。

フィンランド中銀は、EU21(ユーロ圏とスウェーデン、デンマーク、英国)の2015年の成長率見通しを1.4%から1.1%に下方修正した。

ロシアの成長率については、ウクライナ危機が重しとなり、今年はほぼ横ばい、来年は0.5%になるとの見通しを示した。

EU21のインフレ率は2015年は1%を上回り、2016年には1.5%近辺に上昇する、との見通しを示した。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0HB0RZ20140916



03. 2014年9月17日 18:41:38 : jXbiWWJBCA
FOMCの3つのシナリオ、「予行演習」済ませ反応は限定的か
2014年 09月 17日 17:39 JST
[東京 17日 ロイター] - 米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を控えて、マーケットには様子見ムードが広がっている。声明文の「相当な期間」という表現が維持されるかどうかなど、大きく分けて3つのシナリオが想定されているが、短期的な市場反応は限定的との見方も多い。

事前の観測報道で「予行練習」は済ませたとみられているためだ。ただ、短期筋のポジションは積み上がっている。調整リスクは小さくないため、警戒感は依然強い。

<材料満載のFOMC>

16─17日の予定で開催されている今回のFOMCは、声明文だけでなく、米連邦準備理事会(FRB)議長会見、メンバーの経済見通しなど多くの材料が出る。このため相場の転機になる可能性があるとして注目度が高い。現在、市場が想定しているシナリオは、大きく分けて3つある。

1つは「相当な期間(ゼロ金利政策を続ける)」という文言が残された場合、2つ目は、その文言が削除された場合、そして3つ目は文言が削除され、さらに経済見通しが上方修正された場合だ。

1つ目の「相当な期間」という文言が残された場合、ハト派的なニュアンスが強くなり、積み上がったドルロングのポジション調整が起きる可能性がある。IMM通貨先物で投資筋の円売り越しポジションは10万枚ある。巻き戻しが本格化すれば「円高方向に105円台を目指しそうだ」(国内証券)とみられている。

ただ、この場合、米株が上昇すれば日本株への悪影響は小さくなりそうだ。「最近の日本株は円安への反応が鈍かった。円高が進んでも、米株が上昇すれば、そちらを好感するかもしれない」(みずほ証券・エクイティ調査部シニアテクニカルアナリストの三浦豊氏)という。

2つ目の「相当な期間」という文言が削除された場合は、これまでそのシナリオをメーンとしてドルが上昇してきただけに、織り込み済みの反応になりそうだ。「米利上げが視界に入ってきたというのは市場の共通認識になりつつあり、文言削除だけでは新たな材料にはならないだろう」(邦銀)とみられている。

3つ目の「相当な期間」という文言が削除され、さらに経済見通しが上方修正された場合は、サプライズ感が強くなる。利上げに向けた本格的な地ならしが始まったと受け止められ、一段のドル高/円安が進む可能性がある。米金利も大きく上昇するとみられ、日本株は米株の動向次第だろう。

IG証券マーケットアナリストの石川順一氏は「FRBの政策金利見通しが6月時点における2015年末のFF(フェデラルファンド)金利誘導目標1.13%を上回り、かつ経済見通しで米経済の着実な回復に自信を示せば、早期利上げが意識されそうだ」と指摘している。

    <両方のシナリオ織り込み、サプライズ感は薄く>

ただ、FOMC直後の反応は小さくなるかもしれない。これまでの市場では「相当な期間(ゼロ金利政策を続ける)」という文言が削除され、タカ派的なニュアンスが強くなるというシナリオをメーンにドル高/円安/日本株高が進んできた。

その一方で、米紙ウォールストリート・ジャーナルの電子版が、声明で事実上のゼロ金利政策を「相当期間」続けることになるとのビデオリポートを掲載したことに注目する声もある。その記事の見通しが的中すれば、反応が小さくなるとのシナリオは修正を迫られ、いったんポジション調整の動きが広がる可能性がある。

こうした中で、市場では「相当な期間」という文言の維持・削除の両方のシナリオをいったん織り込んだとの声も広がっている。「いわば予行演習を済ませたことになる。声明文がどうなるかは不明だが、いずれにせよサプライズ感は薄くなりそうだ」と、りそな銀行・総合資金部チーフストラテジストの高梨彰氏はみている。

18日には、スコットランドの独立をめぐる住民投票を控える。「賛成と反対差は依然小さく、不透明感が強すぎる。相場に織り込めておらず、もし独立となれば、市場にも大きな影響が出そうだ」(三井住友信託銀行・為替セールスチーム長の細川陽介氏)。

今回のFOMCは中期的にはマーケットの転機になる可能性がある。ただ、市場の初期反応が小さければ、織り込み済みとの認識が広がり、関心はスコットランドの住民投票にすぐに移ることになりそうだ。

(伊賀大記 編集:田巻一彦)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0HC0LY20140917


ドル・円は107円台前半、FOMCの結果発表控え値動き限定的

  9月17日(ブルームバーグ):東京外国為替市場では、ドル・円相場が1ドル=107円台前半で推移。この日の米国時間に米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を控え、値動きは限定的となった。
午後3時10分現在のドル・円相場は107円25銭付近。ドルは朝方に付けた107円10銭から107円29銭まで水準を切り上げたが、その後は午前中に形成されたレンジ内での小動きが続いた。前日の海外市場では一時106円81銭と、3営業日ぶりの水準までドルが下落した。
IG証券の石川順一マーケットアナリストは、今回のFOMCではどれだけタカ派スタンスを強めてくるかが焦点だとし、声明で「相当な期間」という文言が削除されるかが一つの注目点になると説明。一方、「市場の期待よりもハト派色が強ければ、期待先行で積み上がったドル買い持ち高を解消する動きが促される可能性がある」と言い、結果が出るまでドルは上下に動きにくい状況が続くとみている。
ブルームバーグ・ニュースがエコノミスト61人を対象に11−15日に実施した調査によると、17日のFOMC声明で資産購入終了後も金利を「相当な期間」据え置くという表現が削除されるかどうかについては、エコノミストの見方はほぼ均等に分かれている。
石川氏は、声明から「相当な期間」が削除された場合は、市場はいったんドル買いに反応するとしながらも、同文言の削除は相場への織り込みが進んでいる面もあると言い、108円台乗せは難しいと予想。持続的なドル高の進行には、「政策金利と経済の見通しで、強気の見方が示される必要がある」とし、その場合は108円突破もあり得ると言う。
WSJ報道
米紙ウォールストリート・ジャーナルのジョン・ヒルゼンラース記者はウェブサイトのビデオで、労働市場では労働力の活用が今も低い状態にあるとの見方から、FOMCが17日に発表する声明内容は7月分と大差ないだろうとの見方を示した。
三井住友銀行の山下えつ子チーフエコノミスト(ニューヨーク在勤)は、FOMCに向けて、声明文の文言変更や出口戦略など、スタンスがタカ派的になる可能性を警戒してドルが押し上げられてきたが、文言の変更はないとの一部報道がドル売りにつながったと言う。 
前日の海外市場では、対ユーロでもドルが売られ、一時1ユーロ=1.2995ドルと、4日以来の安値を付けた。この日の東京市場では1.29ドル台半ばで推移した。  
ブルームバーグ・ニュースの調査では、米金融当局者による2015年末フェデラルファンド(FF)金利誘導目標予想の中央値については、6月の1.13%から変わらないと答えたエコノミストは全体の57%だった。
記事についての記者への問い合わせ先:東京 三浦和美 kmiura1@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Garfield Reynolds greynolds1@bloomberg.net青木 勝, 崎浜秀磨
更新日時: 2014/09/17 15:14 JST


英中銀議事録:7対2で政策金利の据え置き決定-9月のMPC
  9月17日(ブルームバーグ):イングランド銀行(英中央銀行)は今月3、4両日の金融政策委員会(MPC)で、政策金利の据え置きを7対2で決めた。
17日公表された議事録によると、ウィール、マカファティー両委員が政策金利を過去最低の0.5%から0.25ポイント引き上げることを主張。カーニー総裁ら7委員は据え置きを支持した。
原題:BOE Majority Prevails on Holding Rate at 0.5% as TwoDissent(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ロンドン Jennifer Ryan jryan13@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Emma Charlton echarlton1@bloomberg.net
更新日時: 2014/09/17 17:39 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NC1EJB6K50XS01.html


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