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ファミマ暴走?業界の慣例破り異様な出店攻勢、サンクスは他社への加盟店流出が深刻化
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140910-00010004-bjournal-bus_all
Business Journal 9月10日(水)6時0分配信
「週刊ダイヤモンド」(ダイヤモンド社/9月6日号)は『コンビニ 超進化 進化なくして生き残れない 10兆円市場争奪戦』という特集を組んでいる。「『開いてて良かった』のキャッチフレーズで40年前に誕生したコンビニエンスストア。消費者のニーズをくみ取る形でさまざまな商品や機能を取りそろえ、大きな進化を遂げている。今や全国に5万店、10兆円市場にまで成長、すっかり身近な存在になったが、その“真の姿”は意外に知られていない」という内容だ。
今回の特集の切り口は「進化」だ。14年度には10兆円にもなると見込まれている市場で、生き残るためには進化が欠かせないのだ。
コンビニ大手3社(セブン-イレブン、ローソン、ファミリーマート)は昨年度以降、過去最高のペースで猛烈な出店攻勢をかけている。特集記事『賃料3倍で一等地確保! 過熱する大手の出店競争』では、特に業界3位のファミリーマートは「いま優良な立地を確保しなければ、競合に押さえられ、差をつけられてしまう」(ファミリーマート開発本部長)と、最大手のセブン-イレブンに並ぶペース(年間1600店)で出店を続けているという。なお、ローソンは年間1100店ペースだ。
ただし、ファミリーマートのやり方がおかしくなっていると批判の声が出ている。最近は相場の2〜3倍の賃料を提示したり、“他社が契約した土地の地主の切り崩しはしない”という業界の紳士協定を破るような動きも見せているのだ。
このファミリーマートの積極攻勢は数字(コンビニ本部の売上高に当たる営業総収益に占める販売管理費率)にも表れている。
「大手3社で比較すると、ファミリーマートの販管費率はもともと競合よりも高い傾向にあったが、13年度は69.1%と前年度から3.8ポイントも跳ね上がり、いまや70%近い水準に達している。(略)販管費率の上昇はそのまま営業利益の圧迫につながる。(略)13年度の営業利益率は前年度比0.4ポイント減の12.5%と、大手3社で唯一マイナスに転じているのだ」(同記事)
●業界再編の可能性も
また、特集記事『過去最高の出店の陰に 忍び寄る業界再編の足音』によれば、コンビニ大手3社が猛烈な出店攻勢をかけ、下位チェーンはじり貧となっていると伝えている。エリアフランチャイズ(FC)として京都や奈良で約100店のサークルKサンクスを運営していた企業が今年3月末、約25年間続けてきたサークルKとの契約を途中解除してローソンと契約、100店がローソンへ変わった。
「サークルKでは、こうしたエリアFCの離反が相次ぎ、他社に奪われている。(略)2011年以降の3年弱の間に、サークルKの全店舗数の1割弱に当たる約500店がローソンとセブン-イレブンにくら替えした。エリアFCが離反する最大の理由は、加盟店の収益悪化だ」(同記事)
加盟店の1日当たりの平均売上高(平均日販)を見ると、サークルKは約45万円と赤字スレスレの状態だ。セブン-イレブンは約65万円。ローソン、ファミリーマートは50万円台なのだ。
東日本大震災以降、惣菜や生活用品などをコンビニで買う女性やシニア層も増加。市場自体が拡大し続けているが、セブン-イレブンの独り勝ち、寡占化が進み、下位チェーンをめぐる業界再編の動きが出てきそうだ。特集では5大コンビニのトップインタビューも掲載しているので、業界関係者は必読だろう。
●ファミリーマートがサークルKを狙う?
コンビニの「進化」の代名詞になりつつあるのが、セブン-イレブンのセブンカフェの大ヒットだ。セルフサービス式のコーヒーで、レギュラーサイズが100円と、缶コーヒーよりも安いにもかかわらず味が良く、コストパフォーマンスが高いのだ(特集記事『缶より安く高品質を実現 コスト削減で原価率は50%!?』)。いまや、1店舗当たり1日50〜100杯の安定した売り上げを見込める主力商品になっている。昨夏はアイスコーヒーの人気爆発で、需要が逼迫、欠品が相次いだのは記憶に新しい。この夏も、コンビニ各社、アイスコーヒーをめぐって熾烈な戦いを繰り広げた。
同誌9月13日号では、コンビニのアイスコーヒーをめぐる興味深い記事をコラムで掲載している(『コラム 氷の融通めぐって高まる サークルKの再編観測』)。
アイスコーヒーに欠かせない1杯約150グラムのカップ入りの氷だが、「セブン-イレブンは今年、氷の調達先を2社に増やし、安定供給の準備を整えた。ローソンやファミリーマートなども氷の確保に走り(略)製氷大手も今春から製造ラインをフル稼働させて対応に追われていた」(同記事)。
しかし、そこで出遅れたのがサークルKだ。「そこで氷を確保できなかったサークルKサンクスのために、ファミリーマートが氷メーカーの製造ラインの一部を明け渡したというのだ」(同記事)
その背景で、ファミリーマートがサークルK本体を虎視眈々と狙っているためだという。しかし、サークルKは、昨年2月にユニーグループ・ホールディングスの完全子会社となったばかり。「単独で売却される可能性は現状ではほぼゼロ」(同記事)とするが、はたしてどうなるか。サークルKをめぐる熱い戦いが続きそうだ。
「ダイヤモンド」の『From Editors』(編集後記)によれば、“夜行性”の編集部ではコンビニ依存生活を送っている人間が多いという。企画案を検討するデスク会議でも議論百出、コンビニ愛すら感じられる議論が繰り広げられたというが、まさに誰かに話したくなるコンビニネタが満載の特集だ。
松井克明/CFP
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