02. 2014年9月09日 11:31:21
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ユーロキャリー拍車でドル高、新興国通貨に魅力−深谷FPG証券社長 9月9日(ブルームバーグ):欧州中央銀行(ECB)による金融緩和を背景に、ユーロで資金調達を行い、相対的に金利が高い通貨で運用するユーロキャリー取引の収益環境が向上している。FPG証券の深谷幸司幸司社長は、こうした動きがドル高要因となり、新興国通貨に魅力を与えていると指摘する。 主要中央銀行で初めて預金金利にマイナス金利を導入してからわずか3カ月。ECBはそのマイナス幅をさらに拡大する決断をした。ドラギ総裁は先週、資産購入を通じて、少なくとも7000億ユーロ(約95兆3000億円)相当をユーロ圏経済に供給する方針を示唆するなど、過去に例を見ない緩和でユーロ通貨の調達金利を下げている。 深谷氏は、資金調達通貨の下落基調がキャリー取引の収益源となるとし、「かつては円キャリー取引、ドルキャリー取引が盛んになった局面があったが、ユーロキャリー取引が最も人気を集める下地が整った」と指摘。「主要通貨の中ではドルが資金の行き先だろう。ユーロ圏がマイナス金利になると、ユーロ安・ドル高のトレンドは揺るがない」と述べた上で、高金利通貨や新興国では「ニュージーランド・ドル、豪ドル、南アフリカ・ランドなども悪くない」と語った。 ブルームバーグのキャリートレード分析によると、過去1カ月間で、ユーロで資金を調達して他通貨に投資した場合、44通貨のうち2通貨を除く全てでプラスの収益率となった。 米連邦準備制度理事会(FRB)は量的緩和の縮小を進めており、債券購入額を昨年の月850億ドルから月250億ドルまで減額。バーナンキ前FRB議長が昨年5月、債券購入縮小に初めて言及した後、新興国の株式・債券・為替市場は資金流出に直面した。 欧州が新興国通貨をサポート 深谷氏は、米国が量的緩和を縮小し、年初に新興国市場の通貨が荒れたと説明。しかし、「米量的緩和縮小で新興国通貨はまずいというのが、ECBがいるから大丈夫という感じに変わっている。米国から欧州にサポートの主役が交代している」と語った。インタビューは5日に行った。 ECBの決定を受けて、ユーロ・ドル相場は8日に一時1ユーロ=1.2882ドルと昨年7月以来の水準までユーロ安・ドル高が進んだ。一方、新興国通貨 指数は2月に2009年4月以来の低水準を付けた後、上昇基調となっている。 ユーロ・ドル相場について、深谷氏は「過去の欧米金利差と比べるとユーロはまだ高過ぎる。年内に1ユーロ=1.25ドル程度までユーロ安・ドル高が進んでもおかしくない」と予想している。「欧州国債の日本国債化が起こり得ると思う」と言い、欧州の金利低下余地や金融政策や金利差を考慮すると、高金利・新興国通貨、ドル、円、ユーロの順に買われやすいと言う。 深谷氏は1984年東京大学法学部卒業、三菱銀行(現三菱東京UFJ銀行)入行。95年チーフ為替アナリスト、2004年チーフエコノミストに就任。ドイツ証券、クレディ・スイス証券を経て、12年にオフィスFUKAYAを立ち上げた。13年にFPG証の代表取締役社長に就任した。 記事に関する記者への問い合わせ先:東京 池田祐美 yikeda4@bloomberg.net;東京 Mariko Ishikawa mishikawa9@bloomberg.net;東京 小宮弘子 hkomiya1@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先:Garfield Reynolds greynolds1@bloomberg.net山中英典, 崎浜秀磨, 青木勝 更新日時: 2014/09/09 10:24 JST QQEの金利押し下げ効果、累積的に強まる=8月日銀議事要旨 2014年 09月 9日 10:23 JST [東京 9日 ロイター] - 日銀が9日公表した議事要旨によると、8月7、8日に開かれた金融政策決定会合では、現行の量的・質的金融緩和(QQE)による金利押し下げ効果が累積的に強まることをしっかり説明する必要があると、何人かの委員が主張した。政策の現状維持を続けても、緩和効果が時間の経過とともに高まる点を強調したとみられる。
<物価目標は「総合指数」> 長期金利低下について、1人の委員は「海外金利低下も影響している」と指摘した。複数の委員は「QQEによる長めの金利押し下げ効果は、このところ強まっている」と述べた。何人かの委員は「押し下げ効果は、買い入れが進むにつれて累積的に強まるものであり、この点をしっかりと説明していく必要がある」と強調した。 日銀が目指す2%の物価目標について、委員らは「消費者物価の(生鮮食品を含む)総合指数で定義しており、展望リポートにおける物価見通しは、基調的な物価の動きをよく表している『除く生鮮食品指数』を用いている」ことを確認した。 物価情勢の判断には「さまざまな物価指標を点検することが重要で、背後にある経済の動きとも併せて評価していく必要ある」との認識を共有した。 1人の委員が、「品目の相対価格の積み上げで物価予測を行うのは不適切であり、マクロ的な物価の決定要因である需給ギャップと予想物価上昇率に着目すべき」と述べた。複数の委員は「このところのサービス価格の動きに回復感を欠いている点には注意が必要」と指摘した。 <財務省出席者「デフレ状況ではなくなっている」> 日本経済の現状をめぐり、財務省からの出席者は「緩やかな回復基調にあり、物価動向もデフレ状況ではなくなっている」と述べた。 輸出をめぐっては、複数の委員が「海外生産移管などに起因する構造的な下押し要因の影響も、先行き徐々に減衰していく可能性が高い」との展望を述べた。一方、何人かの委員は「海外経済に対する輸出の感応度が低下している」ほか、「輸出は回復に向かうものの、そのペースは緩やかなものにとどまる」と慎重な見方を示した。複数の委員は「韓国経済の減速に注意必要」と警戒感を示した。 消費について、内閣府からの出席者は「持ち直しの動きが見られるが、平年並みの水準に安定的に戻っているとまでは言えない」との懸念を表明。委員らは、消費の先行きについて「実質所得の押し下げの影響には注意が必要だが、雇用・所得環境の着実な改善が続いていることを踏まえると、底堅く推移していく」との見方を示した。 日銀は7─8日の金融政策決定会合で政策の現状維持を決めた。景気判断も「基調的には緩やかな回復を続けている」との従来判断を据え置いたが、項目別では輸出と生産の判断を下方修正した一方で、雇用・所得の判断を小幅引き上げた。 黒田東彦総裁は会見で、物価が想定通りであれば政策の現状維持を継続する姿勢を示唆すると同時に、イラクやウクライナなどの地政学リスクは「高まっている」と注視する姿勢を示した。 (竹本能文 編集:山川薫) http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NBLVAA6JTSEQ01.html コラム:スコットランド独立で英ポンド急落あるか=佐々木融氏 2014年 09月 8日 19:09 JST 佐々木融 JPモルガン・チェース銀行 債券為替調査部長
[東京 8日] - 英ポンドは先週、対ドルで今年2月以来の安値水準まで下落し、主要通貨の騰落率で見ても「最弱通貨」となった。背景には、英国からの独立の是非を問うスコットランド住民投票(18日実施)に対する懸念があると考えられ、今後の展開や結果次第では、さらに下落が進む可能性も否定できない状況だ。 英サンデー・タイムズ紙と調査機関ユーガブが6日に公表した世論調査では、独立賛成派は51%、反対派は49%となり(「分からない」と回答した人は除く)、初めて独立賛成派が反対派を上回った。1カ月前の調査では、反対派が賛成派を20%ポイント上回っていたので、形勢は急速に独立賛成派のほうに傾いているようである。 ここで、スコットランド独立問題の経緯を簡単に整理しておこう。スコットランドは1707年連合条約によりイングランドと併合した歴史を持つ。1980年代に保守党のサッチャー政権下で導入された人頭税をきっかけにナショナリズムが強まり、1998年スコットランド法に基づく権限委譲によって翌年スコットランド議会が設立され、住民による直接選挙、一定の範囲での立法権・課税権などを持つこととなった。 独立運動を引っ張ってきたのは、スコットランド国民党(SNP)だ。アレックス・サモンド党首のもと、2007年5月の第3回スコットランド議会選挙で第一党に躍進。さらに2011年5月の第4回選挙で単独政党として初めて議席の過半数となる69議席を獲得した。 その後、SNPは独立を呼びかける「イエス・スコットランド」運動を発足。2012年にスコットランド自治政府と英国政府との間で結ばれた「エジンバラ合意」に基づき、今年9月に英国からの独立の是非を問う住民投票を実施する流れとなったのだ。 スコットランドは面積では英国全体の32%に達するが、人口と国内総生産(GDP)ではそれぞれ8%程度を占めるにとどまる。ただし、人材は多く輩出しており、蒸気機関を発明したジェームズ・ワット、電話を発明したアレクサンダー・グラハム・ベル、経済学の父アダム・スミス、歴史家トーマス・カーライル、近いところでは、ゴードン・ブラウン前首相、トニー・ブレア元首相、そして俳優のショーン・コネリー、歌手のスーザン・ボイルらも出身者だ。 状況は今やどちらに転んでもおかしくないが、仮に独立賛成派が勝利し、スコットランドが独立することになったら、どのような事態と懸念材料が考えられるのだろうか。筆者は、その場合、以下の想定される事象をもとに、英ポンドは少なくとも数パーセント下落し、英国債券利回りは10―15ベーシスポイント(bp)上昇すると見ている。 <英国の右傾化と欧州の混乱を招く可能性も> まず懸念されるのは、景気の落ち込みだ。様々な不透明感の高まりによって、一時的に企業の設備投資や家計の住宅購入が先延ばしされる可能性は十分に考えられる。 また、英国の政府債務、財政赤字の拡大も懸念され、大幅な財政支出が期待できなくなる可能性がある。たとえば、スコットランドのクライド海軍基地には、潜水艦発射弾道ミサイルを搭載したヴァンガード級原子力潜水艦が配備されているが、これを英国に移転させるだけでも、かなりの費用がかかるだろう。 英国の経常赤字もさらに悪化するかもしれない。スコットランドは北海油田から上がる原油生産の94%の所有権を主張できる可能性がある。原油輸出は英国のGDPの3%程度であり、この大部分を失えば、貿易収支の悪化は必至だ。 そもそも英国の経常赤字は所得収支の急激な悪化を背景に、すでに対GDP比で4.5%程度まで悪化している。スコットランド独立により貿易収支まで悪化することになれば、経常赤字はさらに悪化し、当然、英ポンドの下落要因となる。 加えて、政治的な不透明感も強まり、英ポンドや英国債価格に対してネガティブに働く恐れもある。スコットランド自治政府は独立の期日を2016年3月24日に設定している。もし、この日程で独立が実現するならば、スコットランドを除いた英国の政治にも少なからず影響を与えることになろう。 というのも、来年5月8日に英国では総選挙が予定されているが、スコットランドがその翌年3月に独立すると、スコットランド選出の議員を失う英国議会はその正当性を失う可能性が高いからだ。つまり、来年5月に誕生する英政権は極めて短命に終わる可能性がある。しかも、保守党リーダーのキャメロン首相が交代した英国議会は全体的に右傾化するかもしれない。 このように、スコットランドが英国から独立すれば、英国経済や英ポンド、英国債に少なからぬ影響があると考えられる。当然、スコットランドにも大きな影響を与えるだろう。目先で特に懸念されるのは、スコットランドからの預金・資本流出である。スコットランドに拠点を置く金融機関が本店をイングランドに移す動きも加速するだろう。一番大きな懸念材料は、スコットランドが独立した後、どの通貨を使用するのかが決まっていないことである。 影響は英国・スコットランドにとどまらないかもしれない。スペインのカタルーニャやベルギーのフランドルなど、欧州の他地域でくすぶる独立に向けた動きを活発化させる可能性もある。また、右傾化した英国で、欧州連合(EU)離脱の是非を問う国民投票の実施がより現実味を増すかもしれない。 つい1カ月前まで、さしたる懸念材料として見られていなかったスコットランドの住民投票は今、最も重要な「目先のリスク要因」になりつつある。 *佐々木融氏は、JPモルガン・チェース銀行の債券為替調査部長で、マネジング・ディレクター。1992年上智大学卒業後、日本銀行入行。調査統計局、国際局為替課、ニューヨーク事務所などを経て、2003年4月にJPモルガン・チェース銀行に入行。著書に「インフレで私たちの収入は本当に増えるのか?」「弱い日本の強い円」など。 http://jp.reuters.com/article/jp_forum/idJPKBN0H30HV20140908
BOAの中国株弱気派「上昇は数週間で終わる」−見通し堅持 9月9日(ブルームバーグ):現在の中国株上昇は数週間以内に終わるとの見方を、バンク・オブ・アメリカ(BOA)のストラテジスト、崔巍(デービッド・ツイ)氏が示した。中国株は1年7カ月ぶりの大幅上昇局面にあるが、同氏は弱気な見通しを堅持している。 崔氏は8日の東京都内での講演で、中国株は同国経済見通しの改善ではなく、市場センチメントを高めるための当局の取り組みや予定されている香港・上海両証券取引所による相互注文取り次ぎを材料に押し上げられてきたと分析した。 中国当局が成長支援策を強化しつつあるとの観測を背景に、香港上場の中国本土株の指標であるハンセン中国企業株(H株 )指数は、3月に付けた今年の最安値から24%上昇。本土市場では上海総合指数が先週4.9%上げ、2013年2月以来の大幅な週間上昇率を記録した。 しかし崔氏は、不動産価格が下落しシャドーバンキング(影の銀行)が整理される中で中国は金融危機に直面している上、国内消費も弱いとして、中国株式相場の現状に懐疑的だ。 崔氏は「現在の上昇相場は恐らくあと数週間で終わるだろう。投資家は本土の人民元建てA株市場に海外から大量の資金が流入すると考えているが、私はそれほど大規模なものになるとは思わない。私が投資家なら、その前に市場から資金を引き揚げるだろう」と述べた。 崔氏は10年5月以来、ほぼ一貫して中国株に弱気姿勢を取っている。今年7月にはH株の年末時点の見通しを9600と予想した。これは9月8日の終値を16%下回る。同氏はインスティテューショナル・インベスター誌で今年、アジアのストラテジスト首位に選ばれている。 原題:BofA’s China Bear Sticks to His Call Amid Surge in StockMarket(抜粋) 記事に関する記者への問い合わせ先:シドニー Sarah McDonald smcdonald23@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先:Sarah McDonald smcdonald23@bloomberg.netJim Powell http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NBM1176TTDS801.html 更新日時: 2014/09/09 10:51 JST 消費税10%、1年半先送りすべき=本田内閣官房参与 By TAKASHI NAKAMICHI 原文(英語) 2014 年 9 月 9 日 10:26 JST 本田悦朗内閣官房参与(2002年) Bloomberg News 【東京】安倍晋三首相の経済政策ブレーンの1人である本田悦朗内閣官房参与(静岡県立大学教授)は、消費増税の実施で消費者の買い渋りが続く中、成長重視型の経済政策は勢いを失いつつあると指摘した。また、現時点で予定されている追加増税を来年実施するのは間違いだと警告した。 本田氏はウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)とのインタビューで、「アベノミクスの効果は昨年に比べると弱まっている」と語った。また、現状が続くなら、日本銀行はある段階でインフレを目標水準に誘導するための施策をさらに講じる必要がある、とも述べた。 政府が4月1日付で消費税率を5%から8%に引き上げたことにより消費者の実質購買力は低下し、内需に大きな打撃となった。本田氏は、このような結果が来年繰り返されることを回避すべきだとの見方を示した。 安倍晋三首相(8日、スリランカ) lakruwan wanniarachchi/Agence France-Presse/Getty Images 「アベノミクスと消費税率引き上げは逆向きの方向性を持った政策。本来思いっきりアクセルをふかしているときにブレーキをかけたらどうなるか。車は必ずスピンする」と警告した。
黒田東彦日銀総裁が先週、来年10月に政府は消費税の再引き上げを予定通り行うべきだと話したことについて、本田氏は不快感を示した。政府は法律に基づき、景気が「上向き」傾向にある限り消費税率10%への引き上げを実施することになっている。 本田氏は「日本銀行総裁には金融政策に専念してほしい。消費税をどのタイミングでどうするかは、政府の専権事項。政府にまかせてほしい」と述べた。 安倍首相の長年の友人で、金融緩和、財政出動、構造改革を盛り込んだアベノミクス政策の立案者の1人である本田氏は、政府にとっての「ベスト」の選択肢は、10%への消費税率引き上げを当初予定より1年半先送りすることだろうと話した。そうすれば、持続的な経済成長を確立する上で必要な、より大幅な賃金上昇を実現させる時間が稼げる、と指摘した。 本田氏と黒田日銀総裁の租税政策に関する意見は食い違っているが、両者ともに、円が対ドルで下落すれば国民の生活費が上昇するため経済成長が妨げられる、との見方には否定的だ。 本田氏は、円安が進行すれば輸出で得る日本企業の収益と円建ての対外投資価値が上昇するため、「今の水準は全く問題ないし、もう少し円安でも全然構わない」と語った。また、「もう少し円安になってもおかしくはない」としつつ、1ドル=120円以上では「(ドルは)高すぎる」との見方も示した。 http://jp.wsj.com/news/articles/SB10001424052970204707704580142720449748454?mod=wsj_nview_latest |