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4−6月期GDP改定と景気ウォッチャー調査(在野のアナリスト)
http://www.asyura2.com/14/hasan90/msg/328.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 9 月 08 日 23:25:05: igsppGRN/E9PQ
 

4−6月期GDP改定と景気ウォッチャー調査
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52640033.html
2014年09月08日 在野のアナリスト


内閣府から発表された4-6月期GDP二次速報、年率で7.1%減となり、速報の6.8%減より0.3ptの下方改定となりました。数字以上に内容は悪く、国内需要はほとんど0.1ptの下方修正で、設備投資だけが前期比2.5%減から、5.1%減と大幅に下方修正されました。さらに在庫は1.0%増から1.4%増と、需要の縮みで供給サイドにしわ寄せが来ている構図が鮮明です。この改定値で、以前も予想したように震災越えとなったわけですが、実は確報値でさらに下方修正される、との不安もあります。

名目でも年率で0.7%減、速報の0.4%減より0.3ptの下方改定で、国民の肌感覚に近いとされる数字も悪化しています。どの世論調査をみても『安倍ノミクスを実感していない』が7割を越えている。安倍首相は「地方の津々浦々に安倍ノミクスを…」と、この7割が地方の人であるかのように語りますが、実態は3割弱の実感している人は、株高で沸く企業経営者だったり、株式保有者だったり、という構図であり、地域性は関係ない。逆にいうと、安倍ノミクスの実績は株高にしかありません。

今日は8月景気ウォッチャー調査も発表になっていますが、現状判断DIが47.4と、前月から3.9pt悪化しました。『やや良くなっている』が5.7ptも減少しており、『やや悪くなっている』『悪くなっている』に変わっている。7-9月期には回復、というシナリオが崩れていることを、数字が示してきました。先行き判断DIは50.4と、前月から1.1pt悪化です。こちらは『やや良くなっている』が2.9pt減、『変わらない』が2.2pt増と、景気が上向きでないと示しています。

地域動向の家計部門をみても、現状判断で南関東は4.7pt減と大きい。東海の0.7pt減、近畿の0.4pt減は小さいものの、先行き判断では南関東が0.3pt増となるものの、東海が4.9pt減と大きくなる。地域差という点では、中国地方は現状判断で6.2pt減で、先行き判断で3.1pt増となるなど、一進一退という形であり、都市部だけよくて地方が悪い、という構図ばかりでないことが分かります。

以前から、メディアが報じない景気ウォッチャー調査の中身にこだわって分析してきましたが、『変わらない』と答えることが大好きな日本人が、現状判断で『悪い』が増えている。先行き判断では期待もこめて『変わらない』が増えるものの、『やや悪くなる』も0.9pt増となっている。中身をみれば、一貫して増税後の落ちこみからの回復、という言葉は通用しないと見えます。

しかし政府は「反動減の影響は薄れつつある」と使います。薄れつつある、どころか悪化しているにも関わらず。天候や、燃料代の高騰を懸念要因としてあげますが、根本のところがおかしくなっている。雇用関連は現状判断で2.4pt減、先行き判断でも2.5pt減です。以前も指摘したように、日本の実質賃金が下がっているのは、増える求人数のほとんどが非正規であり、賃上げの影響がないためです。そのため消費は低下傾向であり、内需にまったく期待できなくなっています。

設備投資の大幅下方修正は、政府が抱いていた回復経路を否定するものです。7-9月期は公共投資の前倒しの影響がのる、と政府はみていますが、それが民間の建設需要を喰い、設備投資をさらに低下させる、という指摘もある。バランスの悪い施策が、その効果を見誤っていることで、さらに日本経済を泥沼化させかねません。補正予算などを打ち出しても、従来型の公共工事に頼るなら、それこそ効果がでるのは数年先、もしかしたら五輪特需がすぎてからでないと、本格的に寄与はしないのかもしれません。これほど悪化する経済で、支持率が総じて50%越え、というのもまた異例な話です。悪化していく経済指標とは連動しない支持率、政府の勘違いが続くことによる政策の見直しタイミングを誤る、という点で逆に不安を生じさせることなのでしょうね。


 

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コメント
 
01. 2014年9月09日 06:52:12 : jXbiWWJBCA
今週のキーワード 真壁昭夫
【第344回】 2014年9月9日 真壁昭夫 [信州大学教授]
そもそも足もとの円安で日本経済は復活するのか?
改めて思いを馳せるべき“国力減退リスク”の現実
米国の金利動向に鑑み円安が加速
日本にとって必ずしもプラスではない

 足もとの為替市場で、一時1ドル=105円台に乗せるなど円安・ドル高の傾向が鮮明になっている。この背景には、米国景気の回復が明確化し始めていることに伴い、米国のFRB(連邦準備理事会)が金融政策を変更して、金利を引き上げることが現実味を帯びてきたことがある。

 FRBが政策金利を引き上げると、日米の金利差が拡大することになる。金利差が拡大すると、金利の低い通貨から高い通貨へと投資資金が移動することが想定され、ドル高・円安の傾向が強まる可能性が高い。

 金融専門家の間では、年末までには1ドル=108円台まで円安が進む可能性があるとの見方も出ている。円安傾向が鮮明化することは、自動車などわが国の主力輸出企業にとって重要な追い風になるものの、輸入企業にはマイナスの影響を与えることになる。

 そう考えると、円安が一段と進むことが必ずしもわが国経済にプラス効果をもたらすとは限らない。現在、わが国の貿易収支は赤字で、輸入の方が輸出よりも多い。そのため円安がさらに進むと、輸入企業の収益の悪化などを通して、わが国経済にマイナスの影響が及ぶことも考えられる。

 円安が進むと、輸出企業が多い株式市場は活発化することもあり、一般的に円安は、わが国経済にとってプラス要因と見られることが多い。しかし、中長期的に円安傾向が続くと、わが国の経済的な富が目減りするなどの弊害も多いことを理解する必要がある。

 現在のように、世界の主要国の間で自由に貿易が行われ、投資資金の流れにもほとんど制約がない状況になると、二国間の通貨の交換レートである為替が持つ意味は、極めて重要だ。

 為替レートの変化によって、輸出や輸入の流れやマネーフロー、さらには当該国の経済構造にまで大きく影響が及ぶ可能性がある。それは、2011年秋まで続いた1ドル=75円台までの超円高の時期を振り返るとわかり易い。

 当時、急激な円高傾向が進んだことで、わが国の輸出産業は大きな痛手を受けた。韓国や台湾などのメーカーからの追い上げを受けた、わが国の半導体や家電製品などのメーカーは、一時期大幅な赤字に追い込まれる事態になった。

 また、いくつかの半導体メーカーは事業を集約することで、生き残りを図らざるを得なかった。

もはや円安でも輸出は増えない
為替の動きが経済構造を変えた

 超円高の状況下、わが国の製造業は競争力を維持するため、為替リスクが低く、安価な労働力を得られる海外に生産拠点を移転する動きを活発化させた。そうした企業の動きに対して、経済専門家などから“産業の空洞化”の懸念が指摘された。

 しかし企業としてみれば、超円高とライバルの台頭の中で生き残りを図るためには、海外に出ていく以外に有効な手段が見つからなかった。大手企業の生産拠点の移転によって、わが国の経済構造が顕著に変化したことは明らかだ。

 自動車業界でも、生産拠点をタイなどに移転したことによって、海外工場で生産した自動車を国内に持ってくる(輸入する)ことになってしまう。足もとで円安傾向が進んでいるにもかかわらず、輸出が伸びない理由の1つに、超円高時期に生産拠点を海外に移転したことが考えられる。

 それは、まさに為替の動きが、経済全体の構造的な変化を促進した現象と考えられる。為替とは、経済にとってそれほど重要なファクターになっているということだ。

輸入インフレはデフレ脱却と言えるか?
円安のメリットとデメリットを考える

 円安の影響を単純に考えると、円安が進むと輸出にはプラス要因、輸入にはマイナスの要因として働くということになる。典型的な輸出企業であるトヨタ自動車では、1ドルにつき1円の円安になると、円ベースの輸出の手取り代金が増え、経常利益が300億円も増えると言われている。

 一般的に、株式市場に上場している企業は輸出割合が高いこともあり、円安になると株価が上昇する傾向が認められる。株価が上昇すると、投資家が利益を手にする可能性が高まるため、“資産効果”を通して個人消費、特に高額商品の売れ行きをサポートすることが考えられる。これは、円安の重要なメリットと言える。

 一方、エネルギーや食料品などの輸入企業にとっては、円安になると輸入代金がかさむため、収益力が圧迫されることになる。エネルギー資源や食料品などは、価格が上昇しても輸入を減らすことが難しいこともあり、為替変動の影響をまともに受ける可能性が高い。

 現在、わが国では、原子力発電所がすべて休止していることもあり、代替エネルギー源として世界の水準から見ると割高なLNG(液化天然ガス)を大量に輸入しており、円安の進展は輸入額の大幅な増加をもたらす。

 また、わが国企業の拠点の海外移転が進んだ結果、輸出企業にとっても、円安によって以前ほど大きなメリットを享受できにくい状況になっている。そうした状況を考えると、円安は一般的に考えられているほど、わが国経済に大きなメリットをもたらすことができにくくなっていると言える。

 それ以外に円安の主な影響を考えると、物価へのインパクトがある。円安になると、当然海外から輸入してくるものの値段が上がる(輸入物価は上昇する)。今までデフレに悩まされてきたわが国とすれば、消費者物価水準が上がって、デフレから脱却できることには相応のメリットがある。

 特に、物価水準を2%まで引き上げることを公約している日銀には、輸入物価の押し上げ効果はそれなりに重要なファクターになる。

 ただし、物価上昇の速度が速すぎると、国民生活にはマイナスの影響が及ぶ。消費税率引き上げの効果もあり、足もとの消費者物価水準は年率で3%を超えている。一方、給料はようやく上がりつつあるものの、その上昇ペースは2%程度に過ぎない。

 ということは、給料の上昇が物価の上がり方に追い付いていないため、実質賃金が減るという現象が起き始めている。そうした状況が続くようだと、短期的に個人消費の伸びを期待することは難しい。

そもそも円安で通貨価値は下落する
為替は国の実力を反映して決まるもの

 そもそも少し長期的な観点で円安を考えると、わが国の通貨である円の価値が減価することは、結果としてわが国の人々が持っている通貨の価値を下落させることにつながる。それは、海外旅行をしてみるとよくわかる。円が安くなったため、海外で買うモノの値段がみな高く映ってしまうのだ。

 今まで一生懸命貯めてきた円の価値が下落することは、我々にとって決して好ましいことではない。エネルギーや食料品を輸入に頼らざるを得ないわが国にとって、円安は国内の経済的な富を海外に流出させることにもなりかねない。

 最近の世界の経済状況を考えると、おそらくもう少し円安・ドル高が進むことが予想される。それは、短期的に株式市場を活発化させることになるかもしれないが、長い目で見ると、必ずしもプラスばかりではない。むしろ、無視できないマイナス面もあることを理解すべきだ。

 為替レートは、本来当該国の経済の実力を反映して決まり、しかも安定していることが望ましい。政策当局は、その基本を忘れてはならないだろう。
http://diamond.jp/articles/-/58807


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