02. 2014年9月08日 18:05:16
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アングル:V字回復暗雲かかる7─9月GDP、政府に増税判断の難問 2014年 09月 8日 16:23 JST http://jp.reuters.com/news/pictures/articleslideshow?articleId=JPKBN0H30GD20140908&channelName=topNews#a=1 1 of 1[Full Size] [東京 8日 ロイター] - 2014年4─6月期国内総生産(GDP)は、2次速報で前期比年率7%を超える大幅減少となったが、中身も民需の弱さを浮き彫りにした。政府・日銀が期待していた7─9月期のV字回復に暗雲がかかり、14年度成長率も0%近辺に落ちるとの予想も浮上。政府は、デフレへの逆戻り回避と財政再建への強い取り組みという2つの課題の間で、難しい決断を迫られそうだ。 <けん引役不在、設備投資も予想外の落ち込み> 4─6月期GDP2次速報では、民間需要の柱である消費、設備投資、住宅、輸出が軒並み下方改定となり、反動減の大きさがあらためて認識された。特に特徴的だったのが、年度後半にけん引役となるはずだった設備投資の予想外の落ち込み。法人企業統計を反映し、前期比マイナス5.1%とリーマンショック後の2009年4─6月以来の減少幅となった。 サポート終了で発生したパソコン買い替え需要の反動減や、建設・農業機械の排ガス規制強化前の駆け込み反動減といった事業が重なったほか、2次速報では金融保険業や運輸業での設備投資悪化が反映された。 民間調査機関からは「数字以上に内容が悪い」(第一生命経済研究所)と懸念する声が広がっている。 また、みずほ証券は「既存設備の更新ニーズの期待が強いが、生産は低迷しており、能力増強のための持続性を伴った設備投資は生じにくい」(マーケットエコノミスト・末廣徹氏)と指摘する。 政府・日銀は、依然として設備投資の盛り上がりを景気回復のエンジン役に位置付けているが、GDP2次速報では、輸出が下方改定され在庫投資は上方改定と生産を取り巻く環境は厳しさが増しており、設備投資計画が当初通りに実行されるか、民間調査機関では」不安視する見方が次第に多くなっている。 <7─9月GDP、4%成長の公算> 消費再増税の有力な判断材料となる2014年7─9月期GDPに関し、5日公表されたフォーキャスト調査の中でエコノミスト41人の見通し平均は、4.0%と高い成長率となっていた。ただ、2次速報の内容の悪さを反映し、下振れを予想する声も出てくるなど、先行きをめぐって楽観・悲観の予想が交錯している。 楽観的見方をサポートする材料として、6月まで消費が徐々に持ち直し、7─9月期の民間消費は0.9%程度かさ上げされる点がある。 また、14年度の公共投資を前倒し執行している効果が、7─9月期に本格化することもGDPを押し上げる。 加えて7月の実質輸出がプラスに転じ、設備投資の先行指標となる資本財出荷も大幅増となっている。 一方で「7─9月期以降の回復は約束されていない」(みずほ証券)と、先行きの楽観論を戒める声も少なくない。 一つ目めは在庫投資だ。4─6月期の在庫増加寄与度はリーマンショック直後と同程度の前期比1.4%と、大幅に跳ね上がった。その結果、生産を抑圧し在庫取り崩しが起き「7─9月期のGDPの足を在庫が強烈に引っ張ることになる」(バークレイズ証券)とみられている。 さらに実質所得の減少や天候要因など、消費にとってさまざまな不安要因が出てきた。甘利明経済再生担当相は「悲観的になる必要はまったくない。ただ、消費が伸びるべきときに自然災害が連続して来襲したのは予定外だった」と発言。夏場の停滞が一時的との見方を強調しつつ、不安がよぎっていることを隠していない。 9月に入っても大雨や土砂災害など8月に続いて天候不順が続き、民間エコノミストからは「回復にどの程度の時間がかかるか、見極めに時間がかかりそうな展開」との声が上がる。 政府内では「秋のデータまで見極めたい」(政府関係者)との声が出てきている。 <年度成長ゼロ見通しも> 今回、4─6月期の成長が下方改定されたことで、14年度の成長率見通しが従来予想より下振れする可能性が出てきた。 第一生命経済研究所は「想定していたよりもGDPの水準が下方にレベルシフトし、14年度の成長率見通しも下方修正を余儀なくされている」と指摘する。 三菱UFJモルガンスタンレー証券では「14年度0.2%成長の現状見通しを小幅に下方修正することも考えている」としている。すでにフォーキャスト調査で0%台半ばとなっている今年度成長率見通しは、ほぼ0%近くに落ち込む可能性が高まっている。 それでも、7─9月期成長率が潜在成長率を上回る場合、バークレイズ証券では、安倍晋三首相が次の消費増税を決断するとみている。 その場合、1)15年4月の統一地方選、9月の自民党総裁選挙が重なるという政治的に特殊な年である、2)現行の財政再建目標の下では15年度は補正予算が組みにくい──などから、補正予算を伴う経済対策が14年度に組まれると予想している。 一方で、農林中金総合研究所は「7─9月にプラス成長に反発するだろうが、その数字が14年度のゼロ成長もしくはマイナス成長を予感させる水準にとどまれば、増税判断にとって大きな障害となる可能性がある」と予想。年度を通してプラス成長が確保できないほどに景気回復の足取りが鈍ければ、増税決断はかえって消費マインドを腰折れさせかねないと分析している。 夏場の景気状況を踏まえ、デフレ脱却を意識して景気回復を優先するのか、財政再建に取り組む政府の信認維持を優先するのか。政府の対応に対し、エコノミストの見方も定まらない状況となっている。 *写真キャプションを修正して再送します。 http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0H30GD20140908?feedType=RSS&feedName=topNews&utm_source=feedburner&utm_medium=feed&utm_campaign=Feed%3A+reuters%2FJPTopNews+%28News+%2F+JP+%2F+Top+News%29&sp=true |