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安倍政権の市場への神通力
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52639822.html
2014年09月06日 在野のアナリスト
石破地方創生担当相が、相次いでTV番組に出演していました。未だに反安倍勢力の一番手ではあるものの、党内では決して石破氏の人気が高いわけでない。それを痛感し、メディア戦略を考慮したものでしょう。討論番組には出られない、自分を誉めそやしてくれる番組にしか出ない安倍氏との違いを打ち出す、という意味もあります。仰々しい語り口調ですが、中身は大したことがなく、面白みもありませんが、彼の物まねをする人が現れ、それが国民的に広がるかどうか? もしかしたら、それが首相になるためにもっとも必要なことになるのかもしれません。
最近、安倍政権の神通力が途切れる事象が散見されます。昨日の麻生財務相の補正予算発言に、市場は何の反応も示しませんでした。一方で、急激な円安への動きを牽制、という発言に反応して円高になった、という説明も一部でされますが、タイミングがずれています。そもそも、105円台後半になったのは5日の日本市場が開く直前、相場操縦を狙った動きであることは間違いありません。しかし追随が少なく、上ヒゲをひいて失敗が鮮明となり、即座に売った。結果、麻生氏の会見の前後には動いていません。ドラギECB総裁の会見後、仕掛けて失敗した層が、日本の朝方に取引が少なくなる頃合を見計らって、もう一仕掛け打った、というのが実態でしょう。
重要なのは、昨年は市場を思い通りにコントロールした安倍政権が、今年度に入って急速に市場から無視されるようになった点です。塩崎厚労相のGPIF改革発言も同じ、昨年ならGPIF、年金と一言口にするだけで、上がった市場も感応度がすこぶる低くなった。これは売買のメインプレイヤーから、すでに外国人投資家が下りている、ということを意味するのでしょう。外国人投資家は、日本の増税後の反動減が予想以上に大きいことに驚き、日本で活動する気を失っています。
日本人は、安倍政権が口先だけということを知っている。それに、市場全体を動かすほどのマネーを抱えた主体でもない。結果、時折あらわれるCTAスジのイベントドリブン型の動きには過剰反応しますが、日本の安倍政権はそのイベントにもなり切れない。愈々、安倍政権が口先だけ、ということが外国人投資家にも知れて、化けの皮がはがれつつある、ということなのでしょう。
例えば法人税減税も、消費税の再増税に用いられる理屈、財政健全化とは逆行します。両者の効果を考えれば、減税による浮揚効果より、再増税による悪影響が大きい、と今回の消費税増税で判明した。つまり法人税減税が語られても、市場を押し上げる効果はない、と看做されることになったのです。すべては、安倍政権で実行、実現されたことで、外国人投資家は逃げていった。
奇しくも安倍氏は会見で「実行実現内閣」と述べました。まさに昨年の実績、実行、実現したことで安倍政権には期待がもてない、ということになったのです。市場は円安効果で15500円を越えていますが、以前も指摘したようにドルベースの102円台の15000円と、105円の15700円では、価値は同じ。一方で、円安による悪影響で今年の日本経済には、期待がもてなくなった。それを株価が織りこむのは、それこそ7-9月期GDPの発表のタイミングか、その前か、となるのでしょう。安倍政権は支持率が高い、と言ってみても、メディアでその物まねをする人もいなければ、人柄について話題にする人もいない。海外で、安倍ノミクスと同じことをしようとする人もいない。口先介入が通用しなくなったように、そのうち「虚像虚言内閣」と揶揄される日も、きてしまうのかもしれませんね。
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