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進む円安、恩恵限定的 6年ぶり105円台後半
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS05H19_V00C14A9EA2000/
2014/9/6 1:12 日経新聞
外国為替市場で5日、円相場が一時1ドル=105円台後半まで下落し、約6年ぶりの円安・ドル高水準をつけた。米国の量的金融緩和の終了が見込まれ、市場が「強いドル」を意識しているためだ。年末には107〜109円まで円安が進むとの見方もある。円安は日本経済にとって輸出増などの追い風となるが、エネルギー価格などの上昇で家計や輸入企業の負担が増すリスクもある。
「年末にかけて米国の利上げ予想が強まり、もう一段ドル高が進む」(JPモルガン・チェース銀行の佐々木融氏)。円相場は今年4月から半年近くにわたって1ドル=101〜103円の狭い値動きだったが、5日朝には2008年秋のリーマン・ショック直後の水準まで円安が進んだ。
市場では年末にかけてもう一段の円安が進むとの見方がある。日本時間5日夜に発表した米国の8月の雇用統計は、就業者数が市場予想を下回ったものの、ドル売りは続かず相場は1ドル=104円台後半〜105円にとどまった。年末時点には107〜109円の円安水準になるとの予測もある。
円安は日本経済にとって追い風とされてきた。ニッセイ基礎研究所によると、為替相場が対ドルで10%円安になると、日本の実質国内総生産(GDP)は年0.2%押し上げられる。輸出増だけでなく企業の海外子会社の円建て収益も膨らみ、業績押し上げ効果があるためだ。
円安は「アベノミクス」で進んだ株価の押し上げ要因でもあった。市場では「円安・ドル高は引き続き株価の支援材料」(UBS証券の大川智宏エクイティ・ストラテジスト)と、年末に日経平均1万7000円以上を見込む声も多い。
しかし自動車などの生産拠点が海外に移り「円安が日本経済を押し上げる力は以前より弱くなっている」(シティグループ証券の村嶋帰一チーフエコノミスト)。内閣府が算出する輸出数量指数は、7月も90.4と2013年1月(90.7)と比べて横ばいにとどまる。もう一段の円安がどこまで輸出増につながるか見通しにくい。
1ドル=105円の水準が続けば、トヨタ自動車など主要輸出企業20社の14年度下期の営業利益は2500億円強押し上げられる計算だ。半面、原材料を輸入する企業には逆風となり、木材チップや重油をドル建てで輸入する王子ホールディングスは、下期に7億円強の営業減益要因になる。
みずほ銀行産業調査部の推計では、10円の円安で上場企業は約2兆円の増益になるが、中小の下請けなどを含む非上場企業は約1兆3000億円の減益になる。差し引きで考えると日本企業全体への恩恵は限られる。
円安で輸入品の値段が上がれば家計の負担も増す。電気・ガス料金は円安などによる原燃料価格の上昇を毎月の料金に自動的に反映する仕組みがある。ニッセイ基礎研の斎藤太郎経済調査室長は「4月の消費増税で家計の購買力は目減りしており、さらに物価が上がると消費には逆風になる」と懸念する。
5日の日経平均株価は一時110円超の上げ幅となったが勢いは続かず、終値で7円安にとどまった。「アベノミクス」で進んだ円安は景気持ち直しの材料とされてきたが、足元では経済へのマイナス作用が意識されており、単純に株高につながりにくくなっている面もある。
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