02. 2014年9月05日 21:17:22
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甘利経済相が景気対策に言及「対策なく消費増税しない」 2014年 09月 5日 19:27 JST [東京 5日 ロイター] - 甘利明経済再生相は5日、ロイターなどとのインタビューに応じ、年末の消費税引き上げ判断に向けて、何の対策もなく引き上げることはせず、増税の影響を最小限にするために対応するなどと述べ、景気対策などで再増税の環境整備を行う考えを示した。現時点で安倍晋三首相の判断は「全くニュートラル」とし、仮に、いろいろな手を尽くしても経済が縮小する危険性がある時には、首相は引き上げに相当慎重になると見通した。 <消費税、何の対応もなくひきあげることはない> 2015年10月に予定される消費税率10%への引き上げについて、甘利担当相は「上げる状態になってくれることが一番いいに決まっている」としながらも、1年半の間に消費税率5%から10%と2倍になる状況から、8%への引き上げ判断当時より「総理は相当慎重に判断する」とした。 最終判断に際しては、日本国債の信頼性に与える影響やデフレ脱却に対する影響などに注視する必要があるとし、「(消費税引き上げで)デフレに戻っては何のためのアベノミクスかとなる」と指摘。「経済規模が縮小にならないように慎重に判断し、対処する」と語った。 そのうえで甘利担当相は「引き上げる判断になった場合、何の対策もなく引き上げることはない」とし、「その影響を最小限にするための手立てをうつ」と述べ、景気対策に言及した。 具体策として「財政出動においても人件費や資材費が高騰するだけとならないような手立て打っていく必要がある」と語り、前回引き上げ時に講じた中小企業の設備投資に対する補助金が効果的だったことなどを上げ、「ばらまきにならないことが大事だ」と語った。 <再増税先送りの場合は、次の引き上げ時期を明確にする必要> さらに、「いろいろな手を尽くしても、経済が縮小に戻る危険性がある時は相当慎重になる」とも語り、「仮に上げることが選択できなかった場合、財政再建の見通しがなくなるようなことは絶対避けなければならない」と指摘。財政健全化に対する政府の取り組み姿勢に揺らぎがないことを明確にする必要があるとした。 見送られた場合の課題として、1)増収分の使途として定まっている社会保障充実のための予算手当て、2)いつまで引き上げを延ばすか明確にする必要性──などを上げた。明確にできなければ「安倍政権は財政再建にやる気があるのかという市場の評価になる。このリスクは避けなければならない」と語り、先送りすることによって修正が求められる財政健全化の道筋を示さなければ市場の信任が得られないと語った。 <景気認識、政府・日銀の間にかい離はない> 景気認識について政府と日銀の間にかい離はないとし「表現方法が若干違っているだけだ」と語った。 消費増税判断に向けて、4月の消費税引き上げによる反動減の長期化に留意しなければならないとし、今後の消費動向などに注視していきたいと語った。 <実質所得、1年でプラスにはできない> また、最近の円安進行が経済に与える効果に関しては、生産拠点の海外シフトでかつてほど輸出ドライブがかからない現状はあるが、「輸出が伸びていないからマイナス、とは言えない」と指摘。以前にはみられなかったプラス効果として「輸出企業の収益が改善していることは事実。量で回復しなくて利益率で回復している傾向もある。合わせて、金融緩和と円安は直接リンクしているが、金融緩和の影響が株価の上昇につながり、不動産や金融商品の価格上昇につながっている。それが消費力として跳ね返ってくる」としした。 一方、消費増税に伴う実質所得の低下に関しては、「名目賃金は上がりつつある」としながらも、実質賃金がプラスに転化するまでには「1年ではできない」と見通し、「できるだけ短い期間で、そうなる(実質賃金がプラスになる)ようにすることが大事だ」と語った。 <年内のデフレ脱却宣言は困難> デフレ脱却宣言時期については「(年末の)消費増税の判断のなかではできない」と述べ、年内の脱却宣言は困難との見方を示した。 *内容を追加して再送します。 (吉川裕子) http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0H00NO20140905 |