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中国の巨大な外貨準備が相場を動かす
http://www.asyura2.com/14/hasan90/msg/262.html
投稿者 ブッダゴーサ 日時 2014 年 9 月 04 日 17:25:20: Om0nlx45/LbfI
 

黄金の日日
http://onthegoldenhill.blog.fc2.com/blog-entry-615.html
中国の外貨準備額は世界最大で、今年第1四半期には1300億ドル増えて過去最大の3兆9000億ドルに達しました。
これについて李克強首相は「率直に言って、外貨準備はわれわれにとって重荷になっている。なぜならこうした準備金はベースマネーへと転じ、インフレに影響を及ぼす恐れがあるからだ」と発言しています。
中国人民銀行(中央銀行)が介入を通じて購入した膨大な外貨は、人民銀が金融調節で資金吸収に動かないとベースマネーとなって物価を押し上げることになります。
この外貨はほとんどがドルです。
アメリカの莫大な貿易赤字と中国の莫大な貿易黒字の不均衡は構造的なもので、解消は不可能です。
この人民銀行が吸い上げたジャブジャブのドルが外貨準備を膨張させています。為替介入で買い上げたドルもあります。
中国はこの外貨準備の運用に苦労しています。
アメリカは付加価値のある財やサービスで比較的優位にあるものをほとんど生み出していません。アメリカ産の軍事品、バイオ、ITに人々の生活水準を高めるような効用はたいして期待できません。
中国がドルを使ってアメリカから買いたいものは限られています。
そのため、投資に使うしかありません。アメリカの不動産や有価証券です。
もっとも、ドル建て資産だけに外貨準備を集中させるとドル建て資産が暴落したときに大損失をうけます。
アメリカ当局の、ゼロ金利政策や量的緩和によって、ドル建て資産の価値はバブル崩壊によって大幅下落するリスクが高まっています。もちろん、量的緩和の副作用によって、ドル暴落、高インフレによるドルの購買力低下の潜在リスクも高まっています。
そのため、ドルを、他の通貨、銅などのコモディティ、他通貨建て資産(有価証券、不動産、資源権益)、そして金などに分散を進めてきました。
しかし、この分散には限界があります。
中国の外貨準備はその規模があまりに巨大なために、それを受け入れるだけの流動性のキャパのある市場は限られます。
中国が相対的に規模の小さい市場に買いをいれるとその市場の価格は暴騰します。そうなると中国もその資産を積み増すために、高い平均コストを支払うことになります。
また、中国がドルの売却を急ぐと、米国債が暴落して、まだ売却できていない残りの外貨に大きな損失が生じます。米国債とドルが暴落して、アメリカの経済は破壊されれば、アメリカへの輸出に大きな影響がでて自国経済も大きなダメージを受けます。
中国は、輸出・投資モデルから内需・消費モデルに転換を図っていますが、都市化のインフラ整備には時間がかかります。都市化はまだ半分しか済んでいません。
都市化が一段落するまでは、中国としては、アメリカに金を貸し付けて贅沢三昧の消費をしてもらう必要があります。
結局、中国の膨大な外貨準備を受け入れるだけのキャパがあるのは米国債しかないのです。
そのため、FRBが政策金利を上げても、長期金利は上がらないと思います。
長期金利は下げ続けるので、今の短期的なドル高、円安、ユーロ安、金安は長続きしません。短期投機筋は、すぐに反対売買をするので一時的なモメンタムはつくれても中長期のトレンドはつくれません。

それでも、中国が、市場に大きな波風をたてず、また、アメリカから警戒されずに、外貨準備を多様化する方法があります。それはドルの金への転換です。それも民間に金を買わせることです。中国に流れ込む、先進国のホットマネーを民間の金購入で吸収することができればインフレを抑えられる効果も期待できます。
中国はドルを金への転換は、目立たないようにゆっくりと行なっています。
中国は、それまで長いこと600トンで維持されてきた公的金保有量を突如2009年に1054トンにまで増加させたことを発表しました。その後は一切公表していません。発表すれば金が暴騰して、アメリカとの関係も悪化するのでタイミングが問題となります。アメリカに対する外交カードにもなります。
中国の金の公的保有は、中央銀行だけでなく、SAFEや鉱山会社、銀行などに分散することで全体象をみえなくしています。中国の場合、鉱山会社や銀行も実質的には公有ですので事実上の公的保有といえます。
中国の四大銀行が公称の公的保有を上回る1445トン金を準備していると報道されています。ロシアも金の公的保有を増やしていますが、その公的保有を上回る金を民間の銀行が準備しているといいます。経済制裁をみこしてのことでしょう。
中国人民銀行(中央銀行)の易綱副総裁は、以前、「中国政府が行き過ぎた金購入を行えば、金価格は急上昇し、中国の消費者に打撃を与えることになるだろう。市場が小さ過ぎるため、金に投じることができるのは外貨準備の1−2%程度にすぎない。外貨準備や投資の1つの選択肢として、常に金を念頭に置いている」。年間500−600トン以上の輸入が可能だが、金相場の安定についても考慮する」と語っています。
当局が直接どんどん金の保有を増やして、IMFに貨幣用金としてそれを報告するとアメリカとの軋轢を産みますし、それに提灯をつけた世界中の人が金を買うことになって金は高騰してしまいます。
それでは、金が高値になって中国の一般消費者が買うことができません。
中国の金地金の個人の所有が解禁になったのはわずか10年前ですし、中国の消費者の購買力はついたのもごく最近のことです。そのため、欧米に比べて、中国の個人はまだまだ金を持っていません。
それでも、中国の消費者は右肩上がりに、実質所得と可処分所得が増えていますし、高い貯蓄率があるので金をこれから買い増すことが期待できます。これから増やすところで政府が買い上げてはそれを害することになります。
中国では、インド同様、結婚式には金が必需品という文化が根付いています。
日本の金の宝飾品としての需要は硬度があって傷がつきにくい18K(純度75%)のものが中心ですが、中国の宝飾品の需要は純金24K(純度99.9%)のものがほとんどです。これはいざとなったときに重さ単位ですぐ換金することができるためです。
中国の金の宝飾品需要は、宝飾品需要として側面だけでなく投資としての意味があります。
またその投資も利潤追求というより価値保存の貯蓄の意味合いが強いと思います。
中国ではインフレ率が高いのにもかかわらず、国の金融抑圧によって預金金利が低く抑えられています。そのため、実質金利がマイナスで現金の預金は価値が目減りしていきます。
中国は資本主義化によって、包括的な社会保障セーフティネットの整備が進んでいません。そのため、実質金利がマイナスでも国民は貯蓄せざるをえません。そこで実質金利がマイナスにならない金が価値貯蔵の手段として選好されています。不動産は換金がむずかしく、株は価格変動リスクが高いから敬遠されているのもあります。銀行の支店が地方に少ないということもあります。日中戦争と内戦の長い歴史でハイパーインフレの苦い記憶があるのも金が伝統的に好まれる理由です。以上のことはインドにも当てはまります。
ハドソン研究所の首席研究員である日高義樹氏によると、大雑把な推定としては、米国と欧州に10万トンのゴールドが貯蔵されていると言われているそうですが、そのうちの70%、すなわち7万トンのゴールドをすでに中国が集め終わっているといいます。これは消息筋の話であるといいます

中国はなぜゴールドの保有量を増やしているのか
http://blogs.yahoo.co.jp/bluesea735/38950338.html

それでも、中国の一般大衆の金保有はほとんど進んでいない状態だと思います。

中国消費者の金購買があるかぎり、金の中長期的な上昇は確約されています。
唯一の懸念は、中国の信用プチバブル崩壊のリスクです。
バブル崩壊で景気が落ち込めば、個人の金購入の勢いも落ちるかもしれません。
もっとも、多少の景気が悪化することがあっても中国は日本やアメリカと違ってまだまだ財政に余裕があるので、強力な金融緩和によってこのバブル崩壊の影響を抑えようとするでしょう。それは日本やアメリカが辿ってきたのと同じ道です。
その場合、先進国とちがってまだまだ需要の強い中国ではインフレが加速するリスクがあります。
このインフレを抑えこむために、中国では人民元高を容認せざるをえません。
人民元高によって、金価格は安くなって、更に金需要が高まると思います。バブル崩壊によって不動産や株はますます敬遠されて、リスクヘッジの金需要が増すというのもありあます。
もっとも、この場合、為替介入が減ることでじょじょにドル買いが減っていきます。
そうなると中国の米国債買いが減り、いよいよリスクプレミアムにより米国債の金利の上昇がはじまると思います。
そのときは、米国債の金利が上昇しても、金価格は今と違って逆に正相関で買われることになると思います。  

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コメント
 
01. 2014年9月05日 07:59:02 : FrLDkHnxp2
世界中の労働力を奪い、失業を輸出しまくってため込んだ金。不動産バブルや膨大な生産過剰で減速はするが、まー当分安泰か。華僑系や、ロス系が資本を引き揚げたら終わり。

02. 2014年9月05日 08:09:44 : jXbiWWJBCA

政策が焦点の日本株、失望ではなく希望が
2014年09月05日(Fri) 武者 陵司
(1) 日本に対する失望解消するか

 9月2日の安倍政権の内閣改造、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)改革に指導的であった塩崎氏の厚生労働大臣内定の報により、日本株式は1月以来の高値となった。

 加えてドル円レートも米国の好調なISMデータ(製造業景況感指数)の発表を受けて、年初来の高値を更新した。政策と米国経済が日本株式と円に大きく影響していることが如実に示された。

年初来世界最悪の日本株式パフォーマンス、喧伝されたアベノミクスの息切れ

 先週まで日本株のパフォーマンスは振るわなかった。昨年初(2013年初)来では依然世界最高だが、年初(2014年初)来では世界最低の騰落率となり、海外投資家は日本株式に対しては傍観者に徹してきた。

 アベノミクス期待剥落との見方が「ファイナンシャル・タイムズ」や「ウォールストリート・ジャーナル」などの欧米経済紙に相次いで現われていた。確かに、昨年後半からの景気回復趨勢は4月の消費税増税で途絶えた感がある。

 4〜6月GDPは年率6.8%の大幅マイナス成長となり、消費税増税前の駆け込み需要の反動減からの回復は鈍さが現われた。加えて夏場の悪天候が消費に悪影響を与えている可能性もある。

 7〜9月以降は消費税増税による一時的かく乱が消えることで成長軌道は復元されるだろうが、力不足は否めない。筆者はデフレ脱却とアベノミクスの成功は疑いないと考えるが、市場のコンセンサスはそこまではいっていない。株高円安トレンドを確かにする継続的政策発動が求められる。


図表1 年初来世界株価推移

図表2 昨年初来世界株価推移

図表3 海外投資家の日本株投資推移
消費税後の変調看過できず

 問題は第1の矢の効果が息切れしてきていたことであろう。アベノミクスが実体経済において効果を表す過程では市場価格(株価、円相場)の変化が必須であるが、ともに過去1年間全く変化がなかったのである。

 輸入物価上昇が止まったことでインフレ圧力が減衰し始めていた。このままでは日銀の2015年2%の物価目標達成は極めて困難な情勢にある。日銀も注目している東大の日次物価指数は6月以降下落幅が強まっている。


図表4 東大日次物価指数推移
 インフレ圧力低下はもはや看過できないのではないか。このままではいずれ第1の矢の再登場が必至になると思われる。米国、イギリスの中央銀行はQE(量的金融緩和)を相次いで打ち出し市場の失速をテコ入れし、アニマルスピリットを喚起し続け、実体経済の拡大をもたらした。

 イギリスではリーマン・ショックの後遺症から抜けきれない2011年に消費税増税(17.5%→20%)と歳出削減を実施し経済に悪影響が現われたが、それは2011年後半からのイングランド銀行のQE拡大により抑えこまれた。

 黒田日銀総裁は消費税増税に前向きで、かつ増税によるマイナス効果は金融政策が補完すると主張し続けてきた。年末にかけて2015年10月からの2%追加消費税増税の可否が判断される際に、日銀としても市場の低迷は容認できないだろう。

(2) 問われる「低金利=資本余剰下の金融政策」、
世界株式の格差は政策に依存

金利低下の原因、資本余剰を解決する政策

 米国株式が史上最高値を更新しているにもかかわらず、世界的にも株式警戒論が消えない。その主因は、世界各国の成長が不十分であるために、債券利回りが大きく低下している事であろう。

 主要国の長期金利の低下は大半の市場参加者にとって意表をつくものであった。年初の見通しのコンセンサスは金利上昇と株高というグレート・ローテーションシナリオであったが、現実は逆で債券が値上がりし、株式は相対的にアンダーパフォームとなっている。

 金利低下は殊に欧州なかんずく南欧諸国債券において顕著である。つい昨年までユーロ離脱さえ懸念されていたスペイン、イタリアの長期国債利回りはなんと米国と同等かそれ以下まで低下した。ドイツ国債は史上初めて1%を下回った。この世界的金利低下が何を意味するのか。


図表5 主要国長期金利推移
 この金利低下を潜在成長率低下などの経済見通しの悪化によるものとの解釈は表面的に過ぎよう。世界的金利低下は資金需給が緩慢、つまり資本の「slack(余剰)」が存在していることを示唆している。

 なぜ「slack(余剰)」が問題になるほど増加してきたのか。その原因は企業における資本と労働生産性の上昇にあると考えられる。IT、スマートフォン、クラウドコンピューティングなどの新産業革命は、クーローバリゼーションを巻き込み、空前の生産性向上をもたらし、資本投入、労働投入の必要量を著しく低下させている。それが直ちに企業収益の顕著な増加をもたらすと同時に「slack(余剰)」を生んでいるのである。IT技術の進歩によって機械価格は急激に低下した。

 またグローバリゼーションの恩恵により新興国での工場建設コストは大きく低下している。ビジネスに必要な資本投入額は大きく圧縮できるようになっている。米国も日本においても企業は減価償却額をすべて再投資する必要がなくなって久しい。

 図表6は米国企業部門の資金余剰(設備投資を上回るキャッシュフロー=余剰資金)の推移であるが、2000年代に入り、ことに2008年のリーマンショック以降著しい資金余剰状態が定着していることが分かる。


図表6 米国企業部門資金余剰推移
 アップル、グーグルなどのリーディング企業は巨額の資本余剰を抱えることが常態化している。米国長期金利の低下を利潤率(企業の稼ぐ力の低下)と解釈する俗論があるが、現実は高利潤故にかえって資金余剰が高まり長期金利を低下せしめていると言える。

(詳しい分析はストラテジーブレティン121号2014年6月2日「なぜ米国長期金利の低下が株高、ドル高要因なのか」を参照)

QEはなぜ正しいのか

 とすれば「市場に存在する資本の余剰(slack)を稼働させる」ことが健全・適切な政策になる。そこに余剰の未稼働資本が存在しているなら、さらなる資金コストの引き下げによりそれを稼働させれば経済的厚生は高まる。

 バーナンキ前FRB議長によって定着した金融政策=量的金融緩和が創造的であるのは、経済の「slack(余剰)」の解消に照準を定めたことにあるが、「slack(余剰)」は労働のみならず資本もそうである。

 本質的に労働の余剰と資本の余剰はメダルの裏表であり、連動している。実は労働に余剰がある状態とは資本に余剰がある状態とも言えるのである。

 このように考えると長期金利の低迷または下落は、利用可能な余剰資金が存在しているということであるから、本質的に良いことである。問題はこの余剰資金が有効に稼働する政策が取られるのか、それを阻害する政策が取られるのかということ。

 前者なら株高、後者なら株価下落、株式市場は金融政策に大きく依存する局面にあると言える。

政策により格差つく株価と経済パフォーマンス

 先進国間で株価格差が顕著であるが、それは資本余剰を有効活用できる政策があるか否によってもたらされている面が大きい。

 米国で株価が史上最高値を更新しているのは、適切な需要政策が打ち出され、後述のように経済展望が明るいからである。

 他方でこのところ株価低迷と金利が急低下している欧州は、財政緊縮と消極的金融政策の下で需要が低迷し資源が遊んでいることを反映している。南欧諸国はユーロ危機の過程で顕著な生活水準の引き下げにより財政赤字、対外赤字を大きく減少させ貯蓄不足が解消した。

 しかしドイツ、北欧諸国は依然大幅な対外経常黒字を抱え込んだままで需要創造が軽視されているため、ユーロ圏全体としては資金余剰が一段と高まっている。ユーロ圏全体の、需要不足と金余りに対応する政策が欠如している、と言える。

 加えてユーロ圏では銀行改革が遅れ、厳しい資本規制の結果銀行貸し出しの減少が続いている。ECB(欧州中央銀行)による金融緩和の効果が銀行システムの外には波及できない現実がある。

 よって、欧州でも財政緊縮が緩和され、ECBの量的金融緩和が打ち出され、今秋の銀行ストレステストが終了すれば、余剰資金が株式と実体経済へと向かう素地は十分にあると言える。

 日本も消費税増税の悪影響不安から株価の一進一退が続くと言う状況であるが、追加の量的金融緩和政策が局面を大きく転換させると思われる。


図表7 ユーロ圏の過剰貯蓄=積み上がる経常黒字

図表8 ユーロ圏、米国、日本の銀行貸し出し推移
(3) 政策の寄与により悲観心理一掃、日本株長期上昇波動の第2段階へ

循環的景気回復で米国株高値更新続こう

 まず、世界経済と株高を先導するのは米国であろう。FRBはQE後も循環回復により成長率は高まり、金余り・人余りは解消できるという循環的楽観論に立っている。

 米国経済は、景気回復がスローだが、それはいわば景気サイクルがいまだに4〜5インニングにとどまっており、9インニングまではまだ相当の時間的余地があることを示しているとも考えられる。

 それは、
(1)住宅、設備投資において大きな未充足の潜在需要を抱えていること、
(2)賃金上昇がピックアップし始めたところであり、それが家計所得を押し上げる好循環に結び付きつつあること、
(3)信用循環(クレジットサイクル)面でも、景気年齢は極めて若いこと、
の3つの側面から明らかである。

 こうした景況にもかかわらず株価に割高感はない。最も基本的な株価評価尺度であるPBRは3倍弱と主要国では最も高いが、それは米国企業の収益性(ROE)が高いからであり、過大とは言えない。なぜなら配当1.9%、自社株買い3.2%の、合計時価総額の5.1%の巨額の資金還元を企業は株主に対して行っており、それは長期国債利回りの2倍に相当する高リターンである。

 米国企業の健全な価値創造のもとで、十分な株式価値が存在しているのであるから、当分米国株価上昇トレンドは変わらないであろう。

日本株も企業業績好調、政策のテコ入れで上昇波第二弾へ

 日本の企業は今後も大いに増益基調を続ける力を持っている。長期にわたるビジネスモデル転換の努力が功を奏したためである(投資ストラテジーの焦点296号2014年6月10日「失われた20年ではなくモデル転換の20年」を参照)。

 日本のデフレとはサービス価格と賃金のデフレであり、デフレの被害者はサービス・内需産業と労働者であった。デフレ脱却が確実になったことで今度はサービス産業と労働者(=消費)が復活する可能性が高まっている。

 それは追加金融緩和、第3の矢成長のための改革とともに日本経済と株価を押し上げるだろう。

 今秋に期待される第1の矢の追加、QQE2は円安株高第2ラウンドを確かなものにするだろう。実体経済に不透明感はあるものの、今やデフレ脱却はコンセンサスとなっており、GPIF改革とポートフォリオの見直しが必至となった今、それと軌を一にして日本の国内投資家はこぞって資産配分の大転換をしなければならない状況にある。現金・国債などのいわゆる安全資産保有は最悪の資産選択となり、デフレ下での「Cash is King」から「Cash is the worst」に変わるからである。

 日本人投資家のリスク資産投資へのシフトは、膠着状態のドル円相場にも影響しよう。日本人投資家の海外投資を増加させ円安圧力になるだろう。貿易赤字年率15兆円、日本企業の海外企業買収・直接投資10兆円規模に加えて、個人・年金・保険の海外資産投資が活発化すれば、大いなる円安圧力となる。実質金利マイナスということは円ショート投機(=円建て負債のポジションの創設)を後押しする。世界の投機マネーが円安投機に向かう可能性もあり得るとすれば、壮大な長期円安が想定される。

 米国株高とドル高の確信が強まれば、ある時点からせきを切ったような日本株高が始まるであろう。リターンゼロの預金、0.5%の国債から配当利回り2%弱への株への大移動が起こるだろう。


図表9 日本人による対外証券投資推移

図表10 日本株式益回り、実質金利、リスクプレミアム推移
◎本記事は、武者リサーチのレポート「ストラテジーブレティン」より「第123号(2014年09月03日)」を転載したものです。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/print/41660

[32削除理由]:関係薄い


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