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大前研一:脱同族経営、米式経営導入で絶好調のカルビーに学べ
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140903-00000003-fukkou-bus_all
nikkei BPnet 9月3日(水)8時30分配信
カルビーが絶好調――。これは旧態依然としたファミリー企業が、アメリカ式の経営スタイルを導入して成功した希有な例である。
■3代続いた同族経営から2005年に脱却
カルビーの株価は8月20日、一時3670円まで上昇し、2011年3月の上場来高値を更新した。スナック菓子の好調に加え、朝食などに食べるシリアルの販売が大幅に増加したことなどが寄与したと見られる。8月4日に発表された2014年4〜6月期の連結決算も、純利益が前年同期比5%増の33億円となり、上場以来、4〜6月期としては最高益を記録している。
こうしたカルビーの躍進には、非常に貴重な経営上のメッセージが込められている。というのも、2005年から始まった脱同族経営路線が大きな成果を上げたことになるからだ。
もともとカルビーは、1949年に松尾糧食工業という社名で広島県に設立された。それ以来、創業者の松尾孝氏から3代にわたって同族経営が行われてきた。ちなみに大ヒット商品の「かっぱえびせん」は64年に発売されている。73年には本社を広島から東京に移転した。
しかし、2003年に創業者の孝氏が死去。2005年には外部から社長を招いて、同族経営をやめた。
■2009年に米ペプシコと提携、新会長のもと米式経営スタイルに
さらにカルビーは2009年に米ペプシコと提携して、事業を拡大させてきた。カルビーがペプシコ全額出資子会社を買収する一方で、ペプシコはカルビー株の20%を保有することになった。
ペプシコはカルビーと同様、ポテト系スナックの全米No.1である「フリトレー」などを豊富に取りそろえている。そうしたペプシコの商品のうち飲み物はサントリーが販売権を持っているが、スナックの一部をカルビーが日本国内で取り扱うことで順調に業績を伸ばしてきた。
同時に2009年、元ジョンソン・エンド・ジョンソン日本法人社長の松本晃氏がカルビーの会長に就任している。それにより、カルビーは完全にアメリカ式の経営スタイルへと生まれ変わった。もちろん、ペプシコからもアメリカ式のノウハウが入ってくることになった。
その結果、カルビーの業績は飛躍する。ここで「カルビーの業績推移」をご覧いただきたい。
グラフからもわかるように、カルビーは売上高、営業利益ともに右肩上がりの成長を続けている。
■ペプシコ提携効果で海外スナックの売り上げが大幅増
続いて、「カルビーのセグメント別業績」(売上高)をご覧いただこう。
ペプシコとの提携効果で、海外スナックの売上高は2011年3月期の50億7000万円から2014年3月期には157億9000万円へと大きく伸びている。また、これもペプシコとの提携効果と言えるだろうか、ポテト系スナックも941億6000万円から1118億9000万円へと拡大した。日本ではなかなか定着しないと言われている朝食用のシリアルも2倍以上に伸びている。
この以外にも、小麦系スナック、コーン系スナックなどで業績が着実に伸びている。収益も売り上げも高まり、株価も上がるという好況の中にカルビーはいる。
このように絶好調のカルビーだが、前述したように、ポテトチップスではトップ企業であったが、どちらかというと社風は閉鎖的なファミリー企業であった。過去にもそうしたファミリー企業が大改革に臨んだケースはあるけれども、しがらみを断ち切れなかったりして、うまくいかない場合が少なくなかった。その点、カルビーは改革に成功したファミリー企業の珍しい例と言える。
■基礎体力さえあれば大胆な改革はできる
私から見ても「ちょっとやりすぎじゃないか」と思うくらいに、カルビーは徹底してアメリカ式の経営スタイルを導入してきた。
ペプシコが提携したがっていた日本企業はたくさんあるけれども、自分の方から「どうぞ」と資本提携を申し出たのはカルビーくらいのものである。一般的な日本企業は、ペプシコなどの外資に目を付けられると、逃げ回るのが常だ。
旧態依然としたファミリー企業であっても、基礎体力さえあれば大胆な改革が可能であることをカルビーは示した。この経験から他の日本企業が学び取ることは多いはずである。
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