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日経平均急伸、内閣改造控え円売り・株先買い:識者はこうみる 2014年 09月 2日 12:49 JST [東京 2日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は続伸。8月22日の直近高値1万5628円78銭を上抜き、7月31日以来となる高値水準となった。後場に入ると、上げ幅は一時250円を超えた。朝方は小高いスタートとなったが、公的年金の運用改革に前向きな塩崎恭久政調会長代理が厚生労働相で入閣と報じられたことを手掛かりに円売り・株先買いの動きが強まったという。もっとも上げ幅に比べ現物市場の商いは盛り上がっておらず、短期筋主導との見方が多い。 市場関係者のコメントは以下の通り。 ●塩崎氏入閣報道を短期筋がはやす <T&Dアセットマネジメント 運用統括部長 山中清氏> アジア市場などと比べて日本株の上昇率が目立っており、塩崎氏の厚生労働相での入閣報道という国内要因をはやしている。ただ現物の商いがさほど出来ておらず、先物主導の短期的な動きとの印象が強い。3日に発足するとみられる第2次安倍改造内閣の顔ぶれだけをみて動くは目先の短期筋だ。日本株の方向感を決める海外長期マネーが動き出すのは具体的な政策を見極めてからだろう。 もっとも日本株に対して強気な見方は変わらない。消費増税後の景況感が想定より下振れしており、日銀による追加緩和への根強い期待感があるほか、円安進行が企業業績をサポートしており、日本株を取り巻く環境は良好とみている。 ●日経平均の上値、週内は1万5850円が視野に <ケイ・アセット代表 平野憲一氏 > 積極的に日本株が買われたというより、為替が大きく動いたことで、慌てて買いが入ったという印象だ。為替の方では仕掛け的な動きがあったのかもしれないが、そもそも伏線はあった。米国株市場は、連休前の数日間の動きをみると、好材料に市場が素直に反応する業績相場に戻ってきている。また国内では、先週末に発表されたGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の運用実績から、今後GPIFが外債買いを進め、円安効果をもたらすとの期待も広がっており、これ以上のドル安/円高はないのではとの見方がベースにあった。 塩崎恭久政調会長代理が入閣と報じられたことも、今日の相場には間違いなく好影響を及ぼしている。今週については、日経平均のレンジは1万5250円から1万5750円と予想していたが、為替が予想よりも動いた。25日移動平均線(1万5398円13銭=2日前場終了時点)からのかい離幅は上下3%程度が値動きの一つの目安となるが、週内は1万5850円が上値として視野に入ってきたとみている。 ●米経済指標次第でドル105円トライ <IG証券 マーケット・アナリスト 石川順一氏> ドル/円は目先のレジスタンスポイントだった104.50円を上抜け、次は心理的フシ目の105円を突破できるかが焦点となった。そのカギはきょうから発表の続く米国の経済指標が握っている。 きょうのISM製造業景況指数から週末の雇用統計まで総じて市場予想を上回った場合は、ファンダメンタルズの改善期待の高まりから米株高が維持され、米金利に対する低下圧力も後退しやすい。株高と金利反発の両輪がドル/円をサポートし、105円をトライする可能性がある。 警戒するべきは米株式の下落だが、これを誘発する要因も経済指標にある。例えば雇用統計の非農業部門雇用者数が30万人を超えるような「強すぎる」内容となり、労働参加率や賃金の上昇が確認された場合は、米金利に対する上昇圧力が急速に強まる。そうなれば金利変動リスクが意識され、高値警戒感が出ている米株式市場で利益確定売りが出やすい。 米株安が米金利上昇によるドル高圧力を相殺し、ドル/円で上値が抑えられたり、反落する可能性があるので注意が必要だ。 http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0GX07T20140902
ドルが104円後半まで上昇、1月23日以来の高値更新 2014年 09月 2日 12:32 JST [東京 2日 ロイター] - 正午のドル/円は、前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べドル高/円安の104円後半。午前の取引では、株高に加え、内閣改造に伴うアベノミクスの加速期待、追加緩和期待などを手掛かりに、投機筋を中心に買い進まれ、1月23日以来の高値104.79円まで上昇した。
朝方の取引で、ドルは104.35円付近でこう着感を強めていたが、仲値にかけて実需のフローが流入したことや、株高に支援され、強含んだ。仲値以降は、インターバンクや海外投機筋中心に買いが広がり、104.79円まで上昇した。 「内閣改造に伴うアベノミクス加速期待をもとに、(投機筋が)円売りを仕掛けている」(証券会社) という。一方、本邦実需勢の買い遅れが目立つため、ドルの下値リスクは限定的だという。 この日のドル高/円安について、FXプライムbyGMOの常務取締役、上田眞理人氏は、特に新規材料があるわけではないとしたうえで「他の通貨でドル高が進行していたこと、ウクライナなどの地政学的リスクに対する懸念が足元で後退していること、欧州の指標がまちまちから弱いこと」などもドルを買い進めやすい環境に貢献しているという。 日経新聞は2日付朝刊で、安倍首相は3日の内閣改造で、自民党の塩崎恭久政調会長代理、遠藤利明元文部科学副大臣を入閣させる意向を固めた、と報じた。塩崎氏は厚生労働相としての入閣が浮上しているという。 <日銀追加緩和の思惑も> 海外市場では、安倍晋三首相の経済ブレーンで内閣官房参与を務める本田悦朗静岡県立大学教授が1日、ロイターとのインタビューで、消費税の再増税による経済へのショックを補うには「追加緩和や補正予算などが必要になる」とし、再増税を延期した場合でも、経済情勢次第では「追加緩和が求められる可能性はある」と指摘したことが話題を呼んだという。 アナリストらによると、実質賃金のマイナスから抜け出すまでは、消費税の再増税について、その最終判断の時期も含めて、先送りすべきとの議論が広がっているという。 現時点では、安倍首相は12月上旬に2015年10月の消費税率10%への引き上げの是非を最終的に判断する予定。 <独首相がECB総裁の財政政策発言に不快感> ユーロ/ドルは1.31ドル前半で小動きだった。 ユーロ/円は、ドル/円での円安の勢いの影響で、朝方の136.94円の安値から一時137.50円付近まで上昇した。 31日付の独誌シュピーゲルによると、ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁の欧州の景気下支えに向けた財政政策に関する発言をめぐり、メルケル独首相は同総裁に不快感を示している。 同誌によれば、メルケル首相とショイブレ独財務相は先週、ドラギ総裁と電話会談し、米ワイオミング州ジャクソンホールで開かれた経済シンポジウムでの発言をめぐり、同総裁を非難したという。 ドラギ総裁はジャクソンホールで8月22日、ECBの金融政策と併せて財政政策が一段と大きな役割を果たせるならば、「全般的な政策の姿勢」に役立つと発言。 市場では、ドラギ総裁が、財政規律を緩め、財政面からも景気支援が必要との認識を示したと解釈された。 ショイブレ財務相は先週、ドラギ総裁のジャクソンホールでの発言に関し、「行き過ぎた解釈がなされていると思う」と述べた。 独政府スポークスマンの説明は同誌の報道と食い違っており、「(ドラギ総裁を非難したとの記事は)全く事実に関連するものではない」と指摘した。 ドル/円JPY= ユーロ/ドルEUR= ユーロ/円EURJPY= 正午現在 104.76/78 1.3120/24 137.45/49 午前9時現在 104.34/36 1.3129/33 137.00/04 NY午後5時 104.34/36 1.3128/30 136.98/02 (森佳子) http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0GX07H20140902 円が対ドルで1月来安値、株高でリスク選好−内閣改造期待も
9月2日(ブルームバーグ):東京外国為替市場では円が下落。日本株の上昇を背景にリスク選好に伴う円売りが強まり、対ドルでは1月以来の安値を付けている。 ドル・円は1ドル=104円台前半から一時104円71銭と1月23日以来の水準までドル高・円安が進み、午前11時22分現在は104円69銭前後。ユーロ・円相場は一時1ユーロ=137円41銭と、1週間ぶりの円安値を付けている。 クレディ・アグリコル銀行外国為替部の斎藤裕司エグゼクティブ・ディレクターは、「内閣改造について塩崎氏の厚生労働相での入閣浮上と伝わっていることがGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)改革への期待につながり、株高・円安になっているようだ」と話す。 2日午前の東京株式相場は続伸。日経平均株価は一時、前日比200円を超える上昇となっている。 一方、ユーロ・ドル相場は一時1ユーロ=1.3117ドルを付け、1年ぶりのユーロ安値を更新。欧州中央銀行(ECB)の追加緩和観測や米国の景気回復期待を背景に、ユーロ売り・ドル買い優勢の流れが続いている。 内閣改造 共同通信や日本経済新聞は、安倍晋三首相(自民党総裁)が3日の内閣改造で、自民党の塩崎恭久元官房長官を入閣させると報じた。厚生労働相に充てる案が浮上しているという。 自民党の日本経済再生本部で本部長代行を務める塩崎氏は8月の講演で、GPIFの運用は「安全かつ確実」ではなく、「安全かつ効率的」であるべきだと述べた。また、GPIFによるリスク資産への投資拡大にはガバナンス改革が不可欠であり、秋の臨時国会で法改正に取り組む必要があると発言した。 あおぞら銀行市場商品部の諸我晃為替マーケットメイク課長は、株価の上昇について「内閣改造絡みで今後の政策に対する思惑も入っていると思う」と指摘。円の下落については「もともと米国の休み明けで実需のドル買いもあったと思うが、株に引っ張られた部分とドル・円が直近の高値を越えてきたことで円売りが加速した」と言い、「トレンドとしては105円台の年初来安値を目指していくのだろう」と語る。 記事についての記者への問い合わせ先:東京 小宮弘子 hkomiya1@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先:Garfield Reynolds greynolds1@bloomberg.net青木 勝, 崎浜秀磨, 山中英典 更新日時: 2014/09/02 11:28 JST http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NB8WQX6KLVR401.html 日本株一段高、日欧金融緩和の思惑と円安−不動産、機械買い
9月2日(ブルームバーグ):午前半ばの東京株式相場は一段高、日経平均株価は先物主導で上げ幅が100円を超えた。足元の景気がさえない欧州、日本で追加金融緩和の思惑が浮上してきており、為替の円安推移もプラス材料だ。過剰流動性の恩恵を受ける不動産株、証券など金融株が強く、機械や電機など輸出関連株も高い。 午前10時34分のTOPIX は前日比10.07ポイント(0.8%)高の1293.13、日経平均株価 は155円45銭(1%)高の1万5632円5銭。 松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリストは、「打診的な買いが入っている」とし、1ドル=104円台にあるドル・円相場が「さらに円安になると、もう少し買いが入ってくる」とみる。3、4日に日本銀行の金融政策決定会合、4日に欧州中央銀行(ECB)理事会を控える中、「金融政策で言うと、ユーロ圏、日本で金融緩和路線の継続が感じられ、米国は粛々とテーパリングを続けている」と指摘した。 きょう午前のドル・円は、1ドル=104円60銭台と前日の東京株式市場の終値時点104円18銭に比べ、円安方向に振れている。日欧の追加金融緩和期待、米国経済統計の堅調に対する評価が底流にあり、相対的にドルが強含んでいる状況だ。 1日の欧州株は、ストックス欧州600指数が0.3%高の342.86と小幅に続伸。ドイツや英国など堅調な市場が多かった。英マークイット・エコノミクスが同日発表した8月のユーロ圏製造業購買担当者指数(PMI)改定値は、50.7と前月の51.8から低下。景気刺激策拡大への期待感の浮上が相場を支えた。 東証1部33業種は不動産、証券・商品先物取引、機械、電機、その他金融、非鉄金属、銀行、精密機器などが上昇。医薬品は軟調。 売買代金上位では三菱化工機、トヨタ自動車、アイフル、飛鳥建設、TDK、クボタ、村田製作所、三井不動産、三菱地所、古河電池などが上昇。TDKには、モルガン・スタンレーMUFG証券が投資判断を「オーバーウエート」に上げる材料があった。クボタは、SMBC日興証券が欧米の収益改善に対する評価が不足しているとし、目標株価を上げた。これに対し熊谷組、KLab、セガサミーホールディングス、鹿島が下げ、上期利益計画を下方修正した伊藤園も安い。 記事についての記者への問い合わせ先:東京 竹生悠子 ytakeo2@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先:Sarah McDonald smcdonald23@bloomberg.net院去信太郎 更新日時: 2014/09/02 10:52 JST http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NB8V5B6JIJUP01.html 【クレジット市場】日本郵政はGPIFに続かず、緩和余地狭める恐れ 9月2日(ブルームバーグ):日本銀行がさらなる金融緩和を必要と判断した時の国債買い入れの大幅拡大の余地は狭められる可能性がある。国債保有額で日銀の次に大きい日本郵政 が大規模な見直しに否定的で、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)に匹敵するような売り手が市場で見込めないためだ。 財務省の国債発行額から日銀保有分を差し引いた市中残高は6月末に827.5兆円。日銀が前例のない金融緩和策の実施手段として月6兆−8兆円の長期国債を購入する中、1年間で33.1兆円減った。日本郵政の国債保有額は172.1兆円。今月にも新たな資産構成を発表するGPIF が保有する国内債券の約2.5倍の規模だ。 4−6月期の実質国内総生産(GDP、1次速報)は前期比1.7%減と、消費税率引き上げ前の駆け込み需要の反動減や輸出不振から東日本大震災以来の大幅なマイナス成長となった。関係者によれば、日銀は、2回目の消費税率の引き上げが予定通り行われ、物価目標の達成が危うくなれば、追加緩和を辞さない構えだ。 ゆうちょ銀行とかんぽ生命保険を傘下に持つ日本郵政の西室泰三社長は8月27日の記者会見で、市場に悪影響を与えかねない国債運用の大幅な見直しはしない考えを示した。RBS証券や岡三アセットマネジメントは、仮に日銀の追加緩和があるとしても、リスク性資産の買い入れ拡大が中心になると予想する。 RBS証の丹治倫敦チーフ債券ストラテジストは、仮に国債購入を大幅に増額すると「国債市場が壊れる恐れがある。大口の売り手がもう見当たらない以上、量的・質的緩和の継続性に疑問符が付きかねない」とみる。購入規模を2倍にすると、国債の市中残高が減少する速さは一気に数倍になると分析。日銀への売却余力は「すぐに枯渇し」、国債買い入れオペで「札割れが生じる可能性がある」と読む。 GPIFは国債削減 厚生年金と国民年金の運用資産127.3兆円を抱えるGPIFは将来的な金利上昇で評価損を被る恐れのある国内債を減らし、日本株式や外貨建て資産などを増やす方向で、資産構成の見直しを検討中だ。米沢康博運用委員長は7月のインタビューで、作業は順調に進んでおり、新たな資産構成は「秋までに公表できる見通しだ」と話した。 GPIFの基本ポートフォリオで定める資産構成の目標値は、国内債が60%、国内株が12%、外国債券が11%、外国株式が12%、短期資産が5%だ。4−6月期の運用状況によると、国内債は6月末に67.9兆円と12年末以来の水準に減少した。運用資産に占める構成比は53.36%と比較可能な01年末以降で最低。最も高かった08年12月末の75.90%から22ポイント超も下げた。 岡三アセットマネジメントの山田聡債券運用部長は、経済・物価情勢は日銀が「何か手を打たなければならない状況になっているが、政策対応のメニューがはっきりしない」と指摘。国債買い入れの増額は可能だが「市場がどこまで歓迎するか、疑問が残る」とみる。「GPIFが国内債から日本株や外貨建て資産へという姿勢を鮮明化するのに加え、日銀もリスク性資産を増やす選択もあり得る」と読む。 記事に関する記者への問い合わせ先:東京 野沢茂樹 snozawa1@bloomberg.net;東京 石川茉莉子 mishikawa9@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先:Garfield Reynolds greynolds1@bloomberg.net崎浜秀磨, 青木勝, 山中英典 更新日時: 2014/09/02 11:37 JST http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NB8VBB6JTSEJ01.html 日銀の2%目標に逆風、根強い追加緩和期待−10月か1月か、サーベイ 9月2日(ブルームバーグ):4−6月の大幅な成長率の落ち込みに加え、7月に入ってからも立ち直りの鈍さを示す指標が続いていることから、日本銀行が経済・物価情勢の展望(展望リポート)が発表される10月か来年1月に追加緩和に踏み切らざるを得なくなるとの見方がくすぶり続けている。 エコノミスト31人を対象に8月25日から28日にかけて行った調査で、3、4日の金融政策決定会合は全員が現状維持を予想した。追加緩和の予想時期は、「年内」が10人(32%)と前回の35%から小幅低下した一方で、「年明け以降」が13人(42%)と前回(32%)から増加。「追加緩和なし」は8人(26%)と前回(32%)から減少した。 7月の生鮮食品を除く消費者物価(コアCPI)は前年比3.3%上昇。消費増税の影響を除くと1.3%上昇と前月から横ばいだった。黒田東彦総裁は7月15日の会見で、夏場にかけて「1%台を割るような可能性はない」と述べた。少なくとも物価については、日銀の想定通りに推移しており、足元で追加緩和期待が盛り上がっているわけではない。 一方、4−6月期の実質国内総生産(GDP)成長は前期比1.7%減(同年率6.8%減)と、駆け込み需要の反動減や輸出不振から東日本大震災以来の大幅なマイナス成長となった。7月に入っても生産の伸びが小幅にとどまるなど、4月の消費増税後の景気が低迷していることを示す指標が相次いでいる。 黒田総裁は8月8日の会見で、14年度の成長率について「0.5%前後、あるいはそれ以下と言われている現在の潜在成長率を下回る可能性はあまりないと思う」と言い切った。しかし、4−6月GDPを受けてブルームバーグ・ニュースが8月13日から14日にかけて実施したエコノミスト調査で、14年度成長率見通しは平均で0.4%まで低下した。成長率の下方修正は必至 三菱UFJリサーチ&コンサルティングの小林真一郎シニアエコノミストは「4−6月期の実質GDP成長率の落ち込みが大きかったため日銀の14年度成長率見通し(1.0%)は下方修正されることが必至で、デフレギャップの解消が物価上昇圧力となるという説明が厳しくなってきた」という。 黒田総裁は8月8日の会見で、2%の物価安定の目標をできるだけ早期に実現させる上で注目している2つの要因として、需給ギャップに加え、「人々の予想物価上昇率の動き」を挙げた。 JPモルガン証券の菅野雅明チーフエコノミストは「インフレスワップレートなどから判断すると、市場のインフレ期待は1%程度で安定的に推移している」と指摘。日銀はインフレ期待が「全体として上昇している」というが、インフレスワップや物価連動債によるブレークイーブンレート(BEI)からは「そのような解釈は困難だ」と言う。 2年で2%の変更も 三井住友アセットマネジメントの武藤弘明シニアエコノミストは「内需は実質購買力の抑制、外需は海外生産シフト等の影響で、14年度成長率は潜在成長率を下回り、年度後半以降の物価上昇の加速も想定し難い」と指摘。東短リサーチの加藤出チーフエコノミストも「来年春の2%達成に向けて押し上げていくドライバーが見当たらない」と語る。 加藤氏はその上で、「さらなる資産買い入れは市場の価格形成をさらにゆがめるなど弊害が多いため、本来は追加緩和は避けるべきだ」としながらも、「日銀は『2年で2%』というコミットメントを変える様子は今のところないため、10月から1月にかけて追加緩和を決断する可能性が6割程度あると思われる」としている。 農林中金総合研究所の南武志主席研究員は「日銀の想定通り14年度下期にかけて物価が再加速し始めるかどうかが追加緩和の有無と直結する」と指摘。「日銀の想定通りとなれば出口が意識され始め、長期金利はボラタイルになる。日銀の想定を下振れる可能性が高まれば、追加緩和か、『2年で2%』という目標変更を迫られるだろう」としている。 日銀ウオッチャーを対象にしたアンケート調査の項目は、1)今会合の金融政策予想、2)追加緩和時期と手段や量的・質的金融緩和の縮小時期および「2年で2%物価目標」実現の可能性、3)日銀当座預金の超過準備に対する付利金利(現在0.1%)予想、4)コメント−。 1)日銀はいつ追加緩和に踏み切るか? ============================================================== 調査機関数 31 100% ---------------------------------------------------------------------------- 10月7日 0 0.0% 10月31日 8 25.8% 11月 1 3.2% 12月 1 3.2% 来年1月 4 12.9% 来年2月 1 3.2% 来年3月 1 3.2% 来年4月以降 7 22.6% 追加緩和なし 8 25.8% ============================================================== 2)追加緩和の具体的な手段 ============================================================== マネタリーベースの増加ペースの引き上げ 14 長期国債の買い入れペースの引き上げ 16 ETFの買い入れペースの引き上げ 17 J-REITの買い入れペースの引き上げ 13 付利の引き下げ 2 の他 3 ============================================================== 3)日銀が2%の「物価安定の目標」が安定的に持続すると判断し、 量的・質的金融緩和の縮小を開始する時期はいつ? ============================================================== 調査機関数 31 ---------------------------------------------------------------------------- 2014年下期 0 0.0% 2015年上期 0 0.0% 2015年下期 0 0.0% 2016年上期 1 3.2% 2016年下期 4 12.9% 2017年上期 2 6.5% 2017年下期 1 3.2% 2018年以降 5 16.1% 見通せず 18 58.1% ============================================================== 4)日銀は生鮮食品を除く消費者物価(コアCPI、消費増税の影響を 除く)前年比が2016年度の「見通し期間の中盤頃に2%程度に達する 可能性が高い」としてますが、この見通しは実現しますか。 ---------------------------------------------------------------------------- はい 4 いいえ 26 調査機関数 30 ============================================================== 5)安倍政権は予定通りに消費税を10%に引き上げるとお考えですか? ---------------------------------------------------------------------------- はい 26 いいえ 3 調査機関数 29 ============================================================== 6)日銀は今年末のマネタリーベース残高は270兆円という見通しを公表 しています。日銀は来年以降の同見通しも公表すべきだとお考えになりますか? ---------------------------------------------------------------------------- はい 18 いいえ 10 調査機関数 28 ============================================================== 7)日銀が来年以降のマネタリーベース見通しを公表しない場合、 量的・質的金融緩和の政策効果を損なうとお考えですか? ---------------------------------------------------------------------------- はい 14 いいえ 16 調査機関数 30 ============================================================== 8)2回目の消費税率引き上げが見送られた場合、現在0.5%前後で推移 している長期金利(10年物新発債利回り)は今年度末まで何%まで上昇(変化) するとお考えですか。 調査機関数 29 ---------------------------------------------------------------------------- 0.5%弱 2 0.50% 2 0.60% 4 0.70% 8 0.80% 5 0.90% 1 1.00% 4 1.10% - 1.20% 1 1.30% 1 1.40% - 1.50% 1 1.60% - 1.70% - 1.80% - 1.90% - 2.00% - 2.10% - 2.20% - 2.30% - 2.40% - 2.50% - 2.60% - 2.70% - 2.80% - 2.90% - 3.00% - 3.0%超 - ============================================================== 問1に対しての回答の詳細 ---------------------------------------------------------------------------- メリルリンチ証券、吉川雅幸 10月31日 バークレイズ証券、森田京平 追加緩和なし BNPパリバ証券、河野龍太郎 追加緩和なし キャピタルエコノミクス、Marcel Thieliant 来年4月以降 シティグループ証券、村嶋帰一 10月31日 クレディ・スイス証券、白川浩道 11月 第一生命経済研究所、熊野英生 追加緩和なし 大和総研、熊谷亮丸 来年1月 大和証券、野口麻衣子 来年4月以降 HSBCホールディングス、デバリエ・いづみ 来年4月以降 ジャパンマクロアドバイザーズ、大久保琢史 来年4月以降 日本総合研究所、山田久 追加緩和なし JPモルガン証券、菅野雅明 追加緩和なし 明治安田生命保険、謝名憲一郎 来年4月以降 三菱UFJモルガンスタンレー証券、六車治美 10月31日 三菱UFJモルガンスタンレー景気循環、景気循環研 嶋中雄二 追加緩和なし 三菱UFJリサーチコンサルティング、小林真一郎 10月31日 みずほ総合研究所、高田創 12月 みずほ証券、上野泰也 来年1月 ニッセイ基礎研究所、矢嶋康次 来年1月 野村証券、松沢中 追加緩和なし 農林中金総合研究所、南武志 10月31日 岡三証券、鈴木誠 10月31日 RBS証券、西岡純子 追加緩和なし 信州大学、真壁昭夫 来年2月 SMBC日興証券、森田長太郎 来年3月 ソシエテジェネラル証券、会田卓司 来年4月以降 三井住友アセットマネジメント、武藤弘明 来年1月 東海東京証券、佐野一彦 10月31日 東短リサーチ、加藤出 10月31日 UBS証券、青木大樹 来年4月以降 ================================================================================ 記事に関する記者への問い合わせ先: 東京 日高正裕 mhidaka@bloomberg.net;東京 Isaac Aquino aquino1@bloomberg.net東京 James Mayger jmayger@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先:東京 Brett Miller bmiller30@bloomberg.netJames Mayger 更新日時: 2014/09/02 10:45 JST http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NB93K76M62H701.html
8月末マネタリーベースは243.5兆円、過去最高を更新 2014年 09月 2日 09:37 JST [東京 2日 ロイター] - 日銀が2日発表した市中の現金と金融機関の手元資金を示す日銀当座預金残高の合計であるマネタリーベース(資金供給量)の8月末残高は243兆4929億円(7月末243兆1864億円)となり、過去最高を更新した。
日銀は現行の量的・質的金融緩和(QQE)で国債買い入れを中心にマネタリーベースを年間60─70兆円増やしており、年末までに残高を270兆円に拡大させる計画。これまでのところ積み上げは順調に進ちょくしている。 月中の平均残高でみた8月のマネタリーベースは前年比40.5%増の242兆3138億円となり、過去最高だった7月の243兆1068億円から減少した。金融機関の手元資金を示す当座預金が151兆2314億円と7月の152兆1889億円から減少したことが要因。当座預金の伸び率は同79.3%増だった。 準備預金は同85.4%増の138兆1215億円、紙幣は同3.5%増の86兆4799億円、貨幣は同0.9%増の4兆6025億円だった。 http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0GX01320140902
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