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強まる景気の逆風、「政治的資本」の有効活用の時:景気に「まさか」の下振れ 政策の出番、いま一度
http://www.asyura2.com/14/hasan90/msg/200.html
投稿者 あっしら 日時 2014 年 9 月 01 日 03:10:06: Mo7ApAlflbQ6s
 


強まる景気の逆風、「政治的資本」の有効活用の時[日経新聞]
編集委員 滝田洋一
2014/8/31 6:00

 景気の向かい風が強まっている。このまま腰折れすれば、金融市場で失望感が広がる。ひとつ救いなのは、安倍晋三政権が「政治的資本」を回復しつつある点だ。この資本をどう使うのか、秋の正念場だ。
 9月3日の内閣改造で、石破茂自民党幹事長が閣僚就任の見通しとなった。新設の安全保障法制担当相就任を蹴った石破氏が無役となったとしたら、政権は大きな火種を抱えるところだった。
 その事態を防げたことは、景気が微妙な局面にあるだけに、結構なことだ。政権が安全保障問題に忙殺され、経済運営がお留守になることを懸念している――。判で押したようにそう語る市場関係者は多かった。

 実際には11月に北京で開くアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の場で、日中首脳会談が実現する。そんな見方が強まっている。福田康夫元首相の訪中はその露払いともみられるが、中国側が首脳会談へのハードルを下げているのも見逃せない。
 目先、中国側が軟化したとすれば、理由はふたつある。まず偶発紛争のリスク。人民解放軍の現場の暴走で、意図せざる紛争に巻き込まれる事態への懸念があろう。
 8月に李源潮国家副主席と会った超党派訪中団のメンバーによると、李氏は東シナ海での偶発的な衝突を未然に防ぐための「海上連絡メカニズム」を早期構築しようと強調した。「メカ二ズムには空の問題も含む」とも念を押したという。

 次に経済的な理由としては、対中直接投資の減少が見逃せない。2012年秋の尖閣摩擦を機に日本の直接投資は激減した。しかもここへきて、米欧からの投資にもブレーキがかかっている。経済の実利を考えても、ひとまず爪を隠した方が得策と、中国は判断したのだろう。
 日中が友好関係に戻ることは考えにくい。それでも、一触即発の事態が和らいだとすれば、安倍政権は行動の自由を高めたことになる。集団的自衛権の行使容認に批判的な国内勢力が、よりどころを失うからだ。
 政権としてはその分、経済運営に力を入れることができる。7月の鉱工業生産や消費支出など、直近の指標をみても、景気の足取りはさえない。そうした事態は消費税引き上げ後の反動とばかり言っていられなくなりつつある。

 賃金など所得の上昇が消費増税や物価上昇に追いつけない。「家計は恒常所得が落ちると考え、必需品の消費を抑えている」と、宮前耕也・SMBC日興証券シニアエコノミスト。
 アベノミクスは、デフレ脱却をテコに消費と投資の好循環を狙っていた。待ってましたとばかり、そのもくろみが外れだしたと、指摘し始める向きも目立ち始めた。

 今は景気の腰を折らずに済むかどうかの正念場。アベノミクスに賭けてきた市場参加者は、政権が景気の逆風に手をこまぬくとは考えていない。市場が早めの政策対応を催促する局面が始まろうとしている。

http://www.nikkei.com/markets/column/globaloutlook.aspx?g=DGXLASDF29H0S_29082014I00000

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景気に「まさか」の下振れ 政策の出番、いま一度[日経新聞]
2014/8/31 0:07

 よく言われるように、景気には3つの坂がある。上り坂、下り坂、そして「まさか」である。
 景気指標の実績と市場の事前予想を比べてみよう。実績が予想を上回ることもあれば、下回る場合もある。過去3カ月の指標は上振れと下振れのどちらが多かったか。
 その比率を米シティグループが、景気の体感温度を測る物差し(経済サプライズ指数)に用いている。指標の実績がすべて予想を下回る場合をマイナス100%として、足元の日本はマイナス80%近辺まで落ちている。
 見通しに比べて、消費税引き上げ後の景気は「まさか」の下振れを起こしている。夏風邪の引き始めのような悪寒というべきだろう。

 今春の賃金交渉で久しぶりに給与は上がったものの、消費増税と物価上昇に追いつけず、家計の正味の実入りつまり実質所得が減ってしまった。消費不振の理由を一言でいえばそうなる。しかも気象庁が「平成26年8月豪雨」と名付けた夏の天候不順が輪をかけた。
 7〜9月期の景気は、12月に消費税再引き上げを判断する安倍晋三政権の関所。景気がこのまま失速すれば、2015年10月に予定している増税を1年程度延期することも選択肢となろう。

 その際には当て込んだ税収が減るので、基礎的財政赤字の名目国内総生産(GDP)比を、15年度は10年度の半分にするとの国際公約が果たせなくなってしまう。15年度からの法人減税の財源を、どう手当てするかという難問も生じる。
 7〜9月期が持ち直すにせよ力強さに欠けるなら、財政面から景気にカンフル剤を打ちつつ、再増税の環境を整えることも考えられる。
 ただ公共投資には人手不足と建設資材の高騰の壁が立ちはだかる。下手な景気対策が失望を招きかねないことを、甘利明経済再生担当相は承知している。民間のビジネスを促し、日本経済の潜在成長率を高めるという狙いを、ハッキリさせておくことが欠かせない。
 逆風ばかりではない。幸い米国のゼロ金利解除を織り込み、ドル先高観は根強い。日銀が金融の追加緩和に踏み切ることで、もう少し円安になるかもしれない。

 輸出採算の好転で企業業績が押し上げられるようなら、国内でも設備投資が後押しされるだろう。もともと雇用は好転しているのだから、企業がため込んでいたおカネを使うことによって、賃金に上向きの力が働くことも期待できる。

 米連邦準備理事会(FRB)がとった量的緩和の第2弾(QE2)という先例をみよう。QE2の正式決定は10年11月。だが時のバーナンキ議長は、同年8月末に世界の金融当局者の集まる米ジャクソンホールのシンポジウムで、追加緩和を示唆し露払いした。
 当時の米国は指標の上振れ、下振れを示すシティの指数が6月中旬からマイナスに転じ、8月下旬にはマイナス60%台まで落ち込んでいた。FRB議長は景気下振れを意識しているとの姿勢を示し、経営者や投資家に寄り添ってみせた。あうんの呼吸である。
 今の政権は腰を据えた成長戦略をとろうとしているが、成果が出るまで時間がかかる。その間に山もあれば谷もある。「まさか」には官民の対応のズレは禁物だ。

(編集委員 滝田洋一)

http://www.nikkei.com/article/DGXLZO76409950Q4A830C1NN1000/

 

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コメント
 
01. 2014年9月01日 09:54:04 : nJF6kGWndY

理想的には、デフレ脱却するまで、消費税と法人税は0にすると良いが

政治的に完全に不可能だな


>7〜9月期の景気は、12月に消費税再引き上げを判断する安倍晋三政権の関所。景気がこのまま失速すれば、2015年10月に予定している増税を1年程度延期することも選択肢

その確率は高まったとはいえ

やはり現時点では増税&バラマキがメインシナリオだろう


02. 2014年9月01日 09:57:42 : nJF6kGWndY

>>01 デフレ脱却するまで

=>安定的にインフレ率2%(名目GDP3%&実質GDP1%)になるまで


その場合、当然、バラマキは全て中止だ


03. 2014年9月01日 11:34:56 : nJF6kGWndY

>政策の出番、いま一度

バラマキは、既に民間投資を阻害する状況になっているから

現状では長期的な日本経済にとってはマイナスだろうな


http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0GV11B20140901
4─6月期の設備投資は5期連続増、製造業で反動減の影響大きく
2014年 09月 1日 11:22 JST
[東京 1日 ロイター] - 財務省が1日発表した2014年4─6月期の法人企業統計(金融業・保険業を除く)によると、前期比では、消費税引き上げに伴い全産業で減収減益となったが、前年同期比では増収増益を確保した。設備投資額も前年比で5期連続の増加となった。ただ増税の影響を受けやすい非製造業よりも、製造業で反動減等の影響が大きく、経常利益は前年割れ、設備投資も減少に転じた。

財務省では調査結果を受けて「駆け込み需要の反動が見られるものの、景気は緩やかな回復基調が続いている。経済全体の基調を反映している。今後とも企業動向を注視していく」と総括した。

全産業での売上高は前年比1.1%増となり、4期連続の増収。大方の企業が税抜きでの売上を報告している。

消費税引き上げの反動減で減収となったのは、食料品や石油・石炭、卸売・小売業など。他方、増収を確保したのは、電機や輸送用機械、天候、建設業、運輸、情報通信業など。このうち、輸送用機械は、自動車販売の反動減はあったものの、新車販売や北米向け輸出の好調で増収を確保、鉄鋼も自動車向けや建築向けの鋼材需要が好調だった。

全産業の経常利益は前年比4.5%増で10期連続の増益。非製造業は同12.1%増と2ケタの増益となった。卸売・小売では反動減で減益となったものの、サービス業では子会社からの受取配当金の増加が寄与、電気は燃料価格の価格転嫁で、また情報通信業は企業広告の増加が利益を押し上げた。

一方で製造業は同7.6%減、7期ぶりの減益を記録した。自動車販売の反動減や受け取り配当金の減少等が響いて減益。化学は薬価引き下げによる売上減少で減益となった。

設備投資(ソフトウエアを含む)は全産業で前年比3.0%増加、5期連続の増加となった。食料品が健康食品向けで能力増強投資が、また電気機械はスマートフォン関連などの能力増強投資があったほか、不動産は商業用施設やオフィスビル開発、卸売・小売は新規出店の投資があった。

ソフトウエアを除く設備投資額(季節調整済み)は、全産業で前期比1.8%減。建設・農業機械関連の排ガス規制の強化前の駆け込み需要の反動が大きかった。

法人企業統計は四半期ごとに調査が行われ、資本金1000万円以上の法人企業が対象。

 


http://jp.reuters.com/article/jp_column/idJPKBN0GT07C20140829?sp=true
コラム:CPI上昇率の低下阻む財政出動、緩和期待は空振りに
2014年 08月 29日 12:22 JST
田巻 一彦

[東京 29日 ロイター] - 29日に発表された経済指標は、7─9月期のリバウンドの弱さを意識させる結果だった。市場の一部では、いずれ消費者物価(除く生鮮、コアCPI)の上昇率を低下させ、日銀が追加緩和に直面するとの観測がある。だが、その見方はある存在を無視している。それは政府による財政出動だ。

物価下押しの起点になる需要の落ち込みは、景気後退を嫌う政府によって埋められ、CPI上昇率の低下は起きない仕組みができつつある。

<7─9月のV字回復に暗雲、消費がブレーキに>

けさの指標発表で市場を驚かせたのは、7月家計調査の悪さだった。全世帯の実質消費支出は前年比5.9%減と市場予測の同3.0%減を大幅に下回った。これは政府・日銀にとって、ショックな結果だったのではないか。

8月も西日本を中心に大雨が続発し、個人消費の低迷が予想される。7─8月の個人消費のブレーキは、4─6月期のマイナスから7─9月期のV字回復を目指す当局にとって、大きな障害と映っているに違いない。

7月生産も前月比0.2%増と予測の同1.0%増から伸び悩んだ。8月の同1.3%増、9月の同3.5%増という予測値も、このところ予測値よりも結果が下回っている傾向を考えると、先行きは楽観できない。

7月の完全失業率が前月の3.7%から3.8%に小幅悪化したのも、4─6月の景気落ち込みが大きかったことの影響が出ている可能性が高い。

こうしてみると、4─6月期の景気の落ち込みは、当初の想定よりも大きく、7─9月期の戻りは、大幅な前期の落ち込みに比べ、小幅にとどまる可能性が出てきたと予想できる。

<市場に残る追加緩和期待>

これに対し、7月コアCPIは消費税の影響込みで前年比3.3%上昇、影響を除くと同1.3%上昇と堅調だ。景気の先行きに暗雲が漂っているのと対照的に、物価だけは当局の想定通りに進んでいる。

この物価の動きも、景気が失速すれば、いずれ上昇幅の縮小に追い込まれるとみているエコノミストは少なくない。

そうした見方に立って、日銀はいずれ追加緩和を決断する状況に追い込まれると予想するシナリオが、一部で根強く語られている。

特に外為市場では、追加緩和への期待感が円安予想とリンクし、年末に向けドル/円JPY=EBSが105円台に乗せるとの観測が広がっている。

<景気失速嫌う政府・与党>

だが、こうした見方はある大きな存在を見逃している。それは、景気失速を嫌う安倍晋三内閣のスタンスだ。株価動向に細心の注意を払っている安倍内閣にとって、景気失速はハンドリングを間違えれば、支持率の低下に直結するとの問題意識があると見て取れる。

消費を中心に消費増税の影響が、国内景気に打撃を与えかねないと判断すれば、補正予算を編成して、景気を下支えする対応を取るだろう。

実際、自民党の宮沢洋一・政調会長代理は7月8日の段階で、2014年度予算の前倒し執行の結果、年度後半には息切れの可能性があり、今年度補正予算は確実に組むと思うとの見解をロイターとのインタビューで表明していた。

また、西村康稔内閣府副大臣は8月27日のロイターとのインタビューで、7、8月の消費動向を非常に心配しているとし、数字を見ながら必要な対策を打っていくとの考え方を示した。

<財政支出が物価支える構図>

こうした政府・与党の動向をみると、14年度補正予算が編成される公算が大きく、仮に消費増税の影響で国内需要が伸び悩むことになっても、財政出動で補うというシナリオの実現性が極めて高いと考える。

潜在成長率が0─0.5%程度に落ちている日本経済の現状を考えると、公共事業を中心とした財政出動で需要を上積みした場合、需給ギャップはプラス方向に容易に振れることになるだろう。

需給ギャップがプラス方向で推移するなら、物価は押し上げ方向の圧力を受ける。政府支出の増加が、物価を支える構図が年度後半にかけて鮮明になると予想する。

ただ、1000兆円を超す債務残高を抱えながら、いつまでも財政支出に頼った需要押し上げ政策を継続することはできないはずだ。

10%への消費増税を予定通りに来年10月から実施するかも含め、いずれ政府は新たな財政再建計画の提示を求められることになると「予言」しておこう。


04. 2014年9月01日 14:54:55 : T0YRBCn5FI
『増税を1年程度延期することも選択肢となろう』

さすが御用新聞。
絶対に増税する、という気概は感じさせる。


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