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安倍ノミクスへの評価
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52639117.html
2014年08月30日 在野のアナリスト
7月の経済指標も総じて悪化し、安倍ノミクスの虚構も徐々に白日に晒されてきました。小泉政権下でも経済政策を主導した竹中路線は、本人が「富裕層を富ませ、その旺盛な消費で景気回復」と述べていた通り、バブル化策であることは間違いありません。金融政策も財政出動も、一過性の景気刺激策にすぎず、長期にわたる成長に寄与する率は小さい。むしろ市場を高騰させ、資産効果が一時的な景気浮揚につながり、それを成果のように見誤りがちです。安倍ノミクスで株価が上がった、円安になった、というのはその部分をさしている人のする論です。
日本で竹中路線を批判する人が少ないのは、リフレ派が多いという依然に、日本ではバブル効果が小さいためです。そこには成長限界、という考えがあり、数年で成長できる余力がない。現在におけるバブルとは、数年、数十年かけて達成するはずの成長を、短期間で成し遂げてしまうことから起きる。逆にいえば、その国がもつ成長予想を基にして、市場が先どりすることなのです。金余りの市場が、それを後押ししているのは間違いなく、日本の量的緩和が海外の不動産バブルを生んだのも、そこまで市場が上がると見込んだマネーの流入、という点が大きかった。
しかし成長予想まで市場が上昇してしまうと、余力もなくなり、マネーが逆流を始める。逆流を始めるとマイナス成長、という悪循環に陥り、巡航速度を逸脱して成長したツケを数年かけて払わされる。世界全体が、すでに成長予想を越えるまでに伸びきった現在、残る市場は米国だけ、としてマネーが還流。今はアンカーである米国市場が堅調、という流れになっています。
竹中路線の副作用は、日本では大きくなく、海外で大きい。だから日本の批判は少なく、海外から批判される流れとなるのです。しかも、その副作用は地政学リスクの高まり、まで引き起こしている。一時的な急成長は、それに伴う人口爆発という問題も引き起こします。幼少時の死亡率が急低下し、大人になっても職に就けない若者が急増。体制への反発と貧困からの脱出をめざし、テロ組織へと若者が流入。実力次第でのし上がれる世界が、そうした闇組織にしかないのです。
何でも竹中路線のせい、という訳ではありませんが、金余りが生んだツケが拡散し、今となっては欧米も緩和策を採用しています。しかしその効果が低くなったのは、世界の成長予想が現状と接近したため、バブル化できる市場がないためなのです。なので、日本が追加緩和を打ったとて、効果は少ない。一方で、米国は資金流入がはじまっているので、それを抑制する必要があり、QE終了という方向性となっている。大枠では、そうした流れで経済、世界は動き始めています。
安倍ノミクスは、多少の株高を演出しますが、長期での成長もしなければ、成長予想は低いままなので市場の上値も限られる。今、市場が上がっているように見えますが、ドルベースではほとんど上がっていません。円安と株高が同時におこったとき、海外勢が買ったという話は、実はドルベースで持分が下がったから買い増す、という意図が影響しているのです。残念ながら、海外勢からの安倍ノミクスの評価は今後も低いまま、それはこうした構造があるため、なのです。アンカーである米国の成長予想に達するのは、実はそう遠い未来のことではありません。そのとき、改めて竹中路線、安倍ノミクスの評価を下しているようでは、もう遅い。ということに早く気づいて、新たな経済基盤の上に経済政策をうたないと、世界の凋落を日本も受けてしまうことが、ほぼ確実になってくるのでしょうね。
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