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鉱工業生産0.2%上昇 2ヵ月ぶりプラス
7月、なお「弱含み」 消費支出は5.9%減
4月の消費増税後の景気の回復がもたついている。経済産業省が29日発表した7月の鉱工業生産指数(2010年=100、季節調整値)速報値は96.8と、前月に比べて0.2%上がった。2カ月ぶり増産となったものの勢いは鈍く、同省は生産の基調判断を「弱含み」に据え置いた。総務省の家計調査では7月の消費支出が前年同月に比べ実質で5.9%減った。
先行きを示す製造工業生産予測調査では、8月は前月比1.3%上昇、9月は同3.5%上昇と上向きの動きが加速する見通しになった。予測調査通りに生産活動が拡大するかが焦点になる。
7月の鉱工業生産指数について市場予測の中央値は前月比1.0%上昇だった。結果は0.2%上昇と予測を下回った。
7月の生産活動を業種別にみると、15業種中8業種が上昇し、6業種が低下した。全体を押し上げたのは「はん用・生産用・業務用機械工業」で、工場で使われるコンベヤーや半導体製造装置が伸びた。一方で普通乗用車や小型乗用車の生産は落ち込んだ。消費増税後の在庫積み上がりを調整したためだ。パソコンなど情報通信機械工業も前月比でマイナスになった。
経産省は「大型案件の受注で生産活動全体が底上げされた側面が大きく、それを除けば生産活動は前月から伸びていない」と分析。増税前の駆け込み需要の反動をきっかけに在庫調整が進み、耐久消費財を中心に生産活動が停滞している。
出荷指数は前月比0.7%上昇の95.9だった。上昇は6カ月ぶり。生産指数と同じくコンベヤーなど「はん用・生産用・業務用機械工業」が全体を押し上げ、化学工業も伸びた。ただ、電子部品・デバイス工業などの出荷は落ち込んでおり、回復の力は鈍い。
在庫指数は前月比0.8%上昇の111.5となった。軽自動車の売れ行きが落ち込んだことで、輸送機械工業の在庫が大きく増えた。天候不順などを理由にエアコンなどの在庫も増えた。
個人消費は統計によって濃淡がある。総務省が29日発表した7月の家計調査で2人以上の世帯の消費支出は物価変動の影響を除いた実質で4月から4カ月続けて前年割れとなっ
た。マイナス幅は5.9%と6月の3.0%から拡大している。季節変動などの影響をならした実質消費支出指数も前月比0.2%下がった。
2人以上の世帯の消費支出は28万293円だった。支出の内訳をみると、国内や海外旅行を含む教養娯楽サービスが10.2%減ったほか、外食が5.4%減った。7月は台風などがあり、総務省は「天候不順が消費を押し下げた」と見る。エアコンなどの家庭用耐久財も27.2%減だった。
一方、経済産業省が29日発表した7月の商業販売統計速報では小売業の販売額が前年同月比0.5%増の11兆8120億円だった。増加は4カ月ぶりで、増税後初めてのプラスだ。
飲食料品小売業の販売額が増えたほか、ガソリン価格の上昇で燃料小売業の売り上げも拡大した。スーパーなどの大型小売店の売上高も0.3%増となり、4カ月ぶりにプラスになった。大型小売店を業種別にみると、百貨店は前年同月比0.6%減だった半面、スーパーは0.7%伸びた。特にスーパーで主力の飲食料品が増えた。コンビニエンスストアの販売額は5.7%増だった。
甘利明経済財政・再生相は29日の閣議後の記者会見で企業の生産活動について「8〜9月にはかなり伸びる見通しだ。悲観的になる必要はない」と強調した。麻生太郎副総理・財務相は「7月は悪天候などの影響もあると思う。消費税の引き上げによる反動減は少しずつではあるが、薄らぎつつある」と述べた。
[日経新聞8月29日夕刊P.1]
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