01. 2014年8月26日 09:27:14
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アングル:S&P500が初の2000ポイント台、一段の株高予想も 2014年 08月 26日 08:36 JST [ニューヨーク 25日 ロイター] - 25日の米株式市場でS&P総合500種指数.SPXが一時、初めて2000台に乗せた。米国株の上昇局面は6年目に突入。この間、失業率は2009年12月の10%から今年6月には6.1%に改善した。ただ、賃金は伸び悩んでおり、十分な投資資金を確保できない一般世帯は、株高の恩恵を受けていない可能性がある。 米国株は過去1年、他の主要株式市場を上回るペースで上昇。安全資産とされる金や債券を凌ぐパフォーマンスを記録している。 株価の上昇ピッチは市場関係者の予想以上だ。最新のロイターのアナリスト調査では、S&P500指数が年末にかけて2000台に乗せるとの見方が多かった。 終値は9.52ポイント(0.48%)高の1997.92だった。 <一段の株高を予想> 連邦準備理事会(FRB)は量的緩和の縮小を進めているが、市場では、今年の景気回復や低金利を背景とする住宅市場の拡大を追い風に、今後も株価上昇が続くとの見方が出ている。 ヘッジファンド、オメガのスティーブン・アインホーン副会長は「強気相場はあと数年続く」との見方を示した。 S&P500指数は、様々な業種の大企業を採用。年金基金、投資信託、機関投資家が幅広くベンチマークとして採用している。同指数にリンクした資産は5兆1400億ドルを超える。 バンガードの創業者で元最高経営責任者(CEO)のジョン・ボーグル氏は「S&P500指数の上昇は、米株式市場全体の上昇に等しい。特に指数連動型ファンドに投資している投資家は、手持ちの資産が増えたと感じるだろう」と述べた。 株価上昇を背景に、大企業の確定拠出年金のリターンも上昇、金融危機で膨らんだ積立不足が急ピッチで縮小している。 地方財政にも好影響が出ている。全米で所得税収入の振れが最も大きいカリフォルニア州は昨年度、予想を上回る歳入を計上。マサチューセッツ州では、キャピタルゲイン税を財源とする緊急積立基金が13億6000万ドルに急増し、2010年の水準をほぼ回復した。 <高値警戒感も> S&P500指数は2009年の安値(終値ベース)から195%上昇。ダウ工業株30種.DJIは161%、ナスダック総合指数.IXICは260%上昇している。ダウ工業株は7月16日に終値ベースの最高値を付けている。 上昇ピッチの速さに、一部では高値警戒感も出ている。 S&P500指数採用銘柄の株価予想収益率(予想PER)は現在15.7倍。歴史的にはほぼ標準的な水準だが、一部では、FRBの量的緩和が終了すれば、株価に悪影響が出るとの懸念が出ている。 アメリプライズ・フィナンシャルのチーフ・マーケット・ストラテジスト、デビッド・ジョイ氏は「レーバーデー(9月1日)から年末にかけての目先の動きを若干懸念している。量的緩和の終了に伴う調整を予想しているためだ」と発言。「個人的にはそれほど株式に強気ではない。あまり割安感はなく、買うよりは売りを出したい」と述べた。 この日の売買は、大手機関投資家が中心。金融危機で痛手を負った個人投資家は、株式投資を敬遠し、株高の恩恵を受けていない可能性がある。 シティグループの米国株担当チーフストラテジスト、トビアス・レブコビッチ氏は「米国人は裕福になったが、上位2割の富裕層が市場の9割を握っていることを忘れてはならない。経済全体には追い風になるが、すべてのセクターで需要が拡大するとは限らない」と述べた。 ヘッジファンドの運用成績も過去2年間、S&P500指数の上昇率を下回っている。HFRX株式ヘッジファンド指数は年初来の上昇率がわずか0.7%。S&P500指数は8.1%だ。空売り筋の損失も膨らんでいる。
http://diamond.jp/articles/zai-print/58142 【第329回】 2014年8月25日 広瀬 隆雄 イエレンFRB議長の発言、「データ次第(data-dependent)」は投資家の足かせが外されたことを意味する 【今回のまとめ】 1.先週の米国株式市場は高かった 2.ジャクソンホールでは何も新しい事は出なかった 3.イエレン議長は、かく乱するようなメッセージを乱発した 4.その陰で、長期に渡り、何が何でもゼロ金利を維持する方針は、引込められた 5.データ次第という言い方は、明日にも豹変する可能性があることを示唆 米国株式市場は堅調 先週の米国株式市場はダウ工業株価平均指数が+2%、S&P500指数が+1.7%、ナスダック総合指数が+1.6%と堅調でした。? ジャクソンホールのイエレン議長のスピーチ 注目されたジャクソンホール・シンポジウムにおけるイエレン議長のスピーチは、結論から言えば何も新しい事は出ませんでした。? イエレン議長は、普段にも増して、利上げを考慮する際の注目点を、あれこれ片っ端から列挙し、せっせと「煙幕」を張りました。? 具体的には失業率にはもちろん注目するけれど、最近、連邦準備制度理事会のスタッフが考案した19のデータポイントから構成される労働市場コンディション指数(LMCI)も参考にするということがシグナルされました。? 労働市場は改善しているようでもある、そうでない面もある……? そういう、どっちつかずの、市場参加者をかく乱させるメッセージがスピーチ全体に散りばめられていました。そして「でも結局、データ次第なのよねぇ」という一言を添え、FRBの意図を読みことを不可能にしたわけです。? このスピーチの後のフェデラルファンズ・フューチャーズの動きを見ると、投資家は金縛りにあったようにほとんど動いていません。そこではこれまで通り、来年の6月頃に最初の0.25%の利上げがあり、9月までにはさらに0.25%利上げされるようなシナリオを織り込んでいます。? 鳴り物入りで囃された割には、ジャクソンホール・シンポジウムは「肩すかし」に終わったのです。? しかし……? といえば、それはそうではありません。?それではジャクソンホール・シンポジウムでイエレン議長は何も達成しなかったのか?? これまで鎖につながれていた投資家は、気がつかないうちに足かせを外されていたのです。? つまり投資家はFRBから「当分の間、ずっと遠い将来まで、未来永劫に政策金利はゼロに据え置く」という誘導をこれまで受けてきました。しかしデータ次第(data-dependent)という言い方は「あ、そりゃそのときのデータ一発よ」という感じで、豹変しなければいけないデータが出れば、あっという間に景色が変わるのだというニュアンスに、こっそり置き換えられているのです。? でも投資家は「ずうっとこのままだ」という催眠術から未だ目を覚ましていないので、自分の足首からチェインが外されていることに気付かないわけです。? 実体経済を見ると もちろん、現在はインフレのプレッシャーがぜんぜん無いですから、FRBが慌てて利上げしなければいけない要素はありません。? ただ物価が安定している背景には今だけの特別な事情に助けられている面も多分にあるのです。? 例えば原油価格がここへきて急落したのは、ロシアに対する経済制裁が関係しています。これまでEU(欧州連合)はロシアに対する経済制裁にはあまり乗り気ではありませんでした。しかしアムステルダム発のマレーシア航空MH17便が東ウクライナ上空で撃墜された事件で、EUは嫌々ながら経済制裁の強化を決めました。? 折り悪くロシア最大の石油会社ロスネフチは去年440億ドルを投じてTNK-BPを買い取ったばかりでしたので、債務負担が大きくなったところでした。楽勝で借金を返してゆける見通しだったものが、経済制裁で石油を輸出できなくなると将来の資金のやりくりに困ってしまいます。? そういう思惑から先物市場で原油を売りつないでおこうという動きが出て、原油価格が下落したのだと説明されています。? またロシアに対する経済制裁は、ロシアだけでなくドイツなどの輸出国をも苦しめます。このためドイツ実業界のセンチメントは暗転しています。? つまり、今は地政学的な要因によるデフレ的な圧力が重なっているのです。データの中に、インフレの芽をぜんぜん感じさせない理由は、このためです。? 実体経済は、米国も、欧州も、最近のデータが示すよりは良い内容だと思います。? FRBは既に投資家に引導を渡している ウクライナで起きている事は、長期化するかも知れないし、一過性の事かも知れません。それは、われわれのような一般投資家は知る由もないことなのです。? しかしFRBの超低金利を維持する期間(デュレーション)に関するガイダンスが、これまでの、「何が何でも長期」というメッセージから「データ(経済指標)次第で臨機応変に」という表現に完全に変わってしまっていることを見逃して、後になってそれを地政学的条件の急変のせいにすることは出来ないのです。? つまり「データ次第」ということをイエレン議長が繰り返し口を酸っぱくして語っているのは、平たい日本語に直せば「あんたら、気いつけんとアカンよ」と言っているのに他ならないのです。?
http://jp.reuters.com/article/jp_column/idJPKBN0GP0F520140825 コラム:次の「大幅な株価修正」の引き金は=カレツキー氏 2014年 08月 25日 16:50 JST アナトール・カレツキー [21日 ロイター] - 米国株は21日にまたしても最高値を更新した。このあたりで世界的に株価の深刻な調整をもたらす要因を考えてみる価値はある。 当コラムの執筆を始めた2012年以降、繰り返して主張してきたのは2008─09年の世界金融危機時の底値からの株価の戻りは、構造的な強気相場へと様変わりし、向こう10年間続く可能性があるという点だった。 しかし資産価格は決してずっと同じ方向だけには動かない。株価が10%の調整を経験せずにかれこれ2年余りがたち、20%の調整を経ない期間は5年にもなった。これが続くはずはない。 筆者の予想通りに長期的な株高は続くとしても、そう遠くない将来のどこかで、投資家はそれなりに大きく、痛みを伴う損失を被るのはほぼ確実だ。では具体的にどのようなイベントが今の強気相場を終わらせるか、少なくとも20%かそれ以上の調整によっていったん休止させるのだろうか。 明確な答えは、11─12年のユーロ崩壊寸前の事態や米国の景気後退といった大きな経済危機だ。金利の大幅上昇も、本格的な株安の引き金になり得る。 なおもくっきりと記憶される最悪の弱気相場としては、1973─74年と1980─82年、2000─02年、07─09年のケースが挙げられる。いずれも米連邦準備理事会(FRB)による一連の利上げ後に発生しており、現在も金融引き締めは最も幅広く話題になっている投資リスクだ。だがより丁寧にみていくと、経済の基礎的条件と金融政策の両面ともに、少なくとも向こう1年間は深刻な脅威にはなりそうに見えない。 米経済に関する最近のほぼすべての材料は、景気が減速ではなく加速していることを示唆している。欧州や日本は景気後退に再び陥る可能性の方がより大きいだろうが、どちらも09年の惨状からは完全に立ち直っておらず、相当規模の金融ショックを引き起こすことはないだろう。 株価の調整のきっかけとなるほどの大幅な利上げが1年以内に実施される確率はもっと小さいように見受けられる。これは株式市場が、一般的に景気見通しの改善シグナルとなる金融引き締めサイクルの始まりにマイナスの反応をしない傾向があるためだ。歴史の教えるところでは、弱気相場をもたらすには利上げが数年間にわたってずっと続く必要がある。 しかし大きな経済危機や大幅な利上げが今後1年程度で見えてこないとすれば、株価が邪魔立てされずに上昇を続けるか、あるいは経済の基礎的条件や金融政策以外の要因で新たな弱気相場が到来するか、われわれはどちらかの見通しを結論としなければならない。 そして弱気相場につながる別の要因として最もあり得そうなのは、市場の動きそれ自体だろう。投資家の自信の高まりとともに極めて高水準で持続不能となったバリュエーションは、過度の楽観主義や自己満足に転化してしまう。 多くの評論家は、株式市場が既にこの危険で投機的な環境に達したと主張する。とはいえ、これも妥当性はないように思われる。その理由は2つで、1つ目は標準的なバリュエーションの指標は米国では過去平均をわずかに上回っているにすぎず、他のほとんどの市場は平均より低いという点だ。これはFRBのイエレン議長も最近の発言で繰り返し指摘している。 2つ目としては、市場の行動自体から現在のバリュエーションがゆえなくして上昇したのではないと確かめられることが挙げられる。もしもバリュエーションが純粋に過大評価されているとすれば、FRBの量的緩和縮小や、この前の冬の米成長の落ち込み、欧州経済の先行きに対する失望、イラクやウクライナをめぐる緊張といった問題に伴う圧力などに反応する形で、投資家は実際よりもずっと激しく株を売っていただろう。 ところが投資家は、これらの問題が引き起こした一時的な調整を押し目とみなしてより多くの株を買うという反応を示した。これはバリュエーションが危険なほど極大化した水準にはまだ到達していないことを意味している。 ここからは悪い話だ。株式市場のバリュエーションが大幅調整をもたらすほど高まっておらず、金融政策と経済の基礎的条件が今後1、2年は落ち着きを維持するとすれば、株価は本当に行き過ぎの領域に入るまで上昇を続けるという結論に落ち着かざるを得ない。この行き過ぎの領域に達すれば、今なら大して意味がないとみなして無視できるようなたぐいのマイナス材料も、深刻な調整のきっかけとしては十分であることが証明されるだろう。 それならどの程度のバリュエーションが市場を脆弱にするのかという問題になるが、これに解答するのはほぼ不可能だ。ただしかなりはっきりしているのは、市場がこの重要な地点に達しても、わたしを含めてだれもそれに気づかないという点だろう。 となると現在の投資環境は、よく引き合いに出される07年の強気相場のピークではなく、1987年の情景を思い起こさせる。これはあらゆる株価暴落の中で最大規模だったものの、調整期間は最短で最終的な意味合いは最も小さかった。 1987年の暴落は強気相場の始まりから5年後で、局面として現在と似ている点は興味深い。また当時も、1982年8月からの株高が4年経過した後でもなお、株式が安全な投資と考える人はほとんどいなかった。過去10年間に投資家に多大な損害を負わせた大幅な物価上昇が克服されたと考えるのは馬鹿げているとみなされていたからだ。 しかし87年初めまでには、懐疑的な投資家も白旗をあげ、株高を理解したり、信じることができなかった人々までもがともかく買いに動くと決めた。その結果は、株価の突如とした急騰であり、その後の事態は歴史が示す通りで、10月19日に歴史上で最も大きな株価下落が起きた。8カ月分の上昇は、たった1日で消し飛んだ。 現在の株価サイクルも同じ道をたどるのだろうか。 今までのところ、1987年の暴落前に見られた株価上昇ペースの加速の兆しは見当たらない。それでも今後数週間で、米国株が7月につけた最高値を決定的に突破していくようなら、株高の加速が近く始まる可能性はある。特にFRBのイエレン議長が、金融政策に関して市場により安心感をもたらす発言をしたり、ウクライナとロシアの戦争突入懸念が沈静化すれば、そうなるだろう。 その場合、投資家は乱高下に備える必要がある。この乱高下はクライマックスに近づいているどころか、今後の大幅な値上がりと、同じく大幅な値下がりの単なる序章かもしれない。 コンピューター化で雇用が二極化、中間スキル層が犠牲に=米調査 2014年 08月 25日 14:50 JST [22日 ロイター] - 米マサチューセッツ工科大学(MIT)のデービッド・オーター教授が執筆した論文で、オートメーションやコンピューター化により、世界中で高学歴の人や未熟練労働者に対する需要は高まったが、中間レベルの教育やスキルの人への需要が低下したことが明らかになった。 論文はワイオミング州ジャクソンホールの経済シンポジウム向けに執筆された。 ただ実際に賃金が上昇しているのは高学歴の労働者のみであり、未熟練労働者や中程度のスキルの労働者は賃金が低下している、という。 論文は、その背景として、中間スキル層の職が減るに伴い、この層の労働者が未熟練向けの職に流れ込んだことを指摘。その結果、未熟練向けの職は買い手市場となり、賃金に低下圧力がかかったとしている。 教授は「コンピューター化は雇用の両極化に寄与したが、労働市場がタイトな状況以外では、賃金の両極化につながるとは考えにくい」とした。そのうえで、コンピューター化時代の長期的な戦略は、人的資本に積極投資することで、「ハイテクに奪われるのではなく、ハイテクに補完されるようなスキルを持った労働者」を育てることだと主張した。
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