http://www.asyura2.com/14/hasan89/msg/889.html
Tweet |
http://yamikabu.blog136.fc2.com/blog-entry-1203.html
2014年08月22日
為替市場では「意外な円安」となっています。本日(8月21日)午前中には一時1ドル=103.95となり、4月上旬以来の1ドル=104円台に近づきました。
思い出してみれば米国長期金利の低下に伴い1ドル=100円台に突入寸前だった7月中旬、それにオバマ大統領がイラク空爆を承認して1ドル=101円台半ばとなった8月8日など、円高が進行したタイミングでは必ず「まとまった円売り・ドル買い」が出現していました。
「日本の公的資金」による円売り・ドル買いと考えられ、それが7月以来の円高を阻止し、さらに最近の円安を主導していることになります。
もちろん公的資金の円売り・外貨買いは、外国債や外国株を購入するためです。
「ゆうちょ銀行」の外債投資残高は本年6月末が25兆円で、ここ1年間に6.8兆円も増えており、「かんぽ生命」の外債・外国株投資残高は1.6兆円で、同じく7000億円も増えています。
「ゆうちょ」や「かんぽ」だけが公的資金ではありませんが、いずれにしても7月以降は、さらにペースを上げて外国債・外国株を購入していることになります。
ここに来て米国政府からドル買いの要請が来ているとは考えられません。2004年初めに短期間で35兆円もの円売り・ドル買い介入を強行したときに比べて、米国の金融システムが格段に健全化しているからです。
そうすると、安倍内閣がいまだに日本経済回復のためには「さらなる円安」が必要と考えているのか、旧大蔵官僚が消費税の再引き上げを確定させるまでは円高を避けたいと考えているのか、あるいは公的資金の運用担当者が「本気で」ここから外債や外国株を買い進めるべきだと考えているのかの「どれか」となります。
いずれにしても「健全な姿」ではありません。
米国ではFRBの量的緩和が本年10月に終了し(これは確定的ですが)、来年のどこかで金融引き締めが始まるので「円安・ドル高」になると考えているのかもしれません。
しかし足元の米国経済は「はっきりと」減速しており、現在はそれを先取りした米国長期金利の低下が米国株の水準を押し上げ、さらに新興国市場への資金流入も加速するという「かなり危うい均衡」と考えるべきです。
何よりも米国長期金利の低下は「一過性」ではなく、いずれ「円高・ドル安」になると考えるべきです。
確かに長期金利の絶対水準は日本が圧倒的に低いのですが、さすがにここから大幅に低下するわけではなく、日米の長期金利差がまだまだ縮小するからです。
つまりどう考えても、現在は外国債(利回りは低下してもそれ以上に円高になるから)や、外国株(とくに経済減速が顕著な欧州株式や過熱気味の新興国株式など)への投資は慎重になるべきタイミングです。
その中で126兆円以上の運用資産を持つGPIFも、外国債や外国株の組み入れ比率拡大に「大変に積極的」のようです。
GPIFは、国内株の組み入れ比率拡大は「リスクがある」と今ひとつ乗り気ではないようで、国内債に至っては「金利が上昇すると損失が膨らむので大幅に減らす」といっておきながら、このタイミングで外国債や外国株への投資を拡大することは「リスクではない」と考えているのです。
それにGPIFは、すべての運用を外部の運用機関に「丸投げ」しているので、当然に外国債や外国株の運用もすべて(主に)海外の運用機関に「丸投げ」しています。
環境が大きく(もちろん悪い方向に)変化したときには、気がつけば格付けの低い国債や社債、流動性の低いジャンク債、新興国の株式や債券などの問題資産が「どっさり」組み込まれていることになりかねません。
市場にダブつき始めた(危険な兆候が出始めた)問題資産を「思いっきり」押し込まれるからです。決して大げさではなく、過去の外国運用はこの歴史です。
どう考えても、何で今さら公的資金で円売り・外貨買い(つまり外国債や外国株買い)?となるのです。
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。