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<司法を支配する中国共産党による外資企業の摘発が猛威>中国独禁法当局が日本自動車部品メーカーもターゲットに
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140823-00010001-jindepth-cn
Japan In-Depth 8月23日(土)18時35分配信
中国の独禁法当局による外資企業の摘発、制裁の嵐が猛威をふるっている。
価格カルテル、支配的地位の乱用、不正入札などを理由にこれまで韓国のサムスン電子や仏ダノンなどが制裁金を科されてきた。日本勢も調査対象とされていたことから、摘発は時間の問題と言われていた。
今回対象となったのは日本の自動車部品メーカー12社。談合により価格カルテルを結んでいたと認定され、合計12億3500万元(208億円)の制裁金支払いを命じられた。ただし、日立オートモティブシステムズと不二越の2社は当局の調査に全面協力したことから制裁金を免れた。
担当する中国国家発展改革委員会(発改委)は「中国は法治国家であり、違反企業は厳罰に処する」と意気軒高だが、今後、目の敵にされるにちがいない日本企業側は戦々恐々の心持ちであろう。
仮に日本企業が不服を申し立てても、裁判で勝てる道理がない。中国での裁判の判決は共産党の意向が最優先される。なぜなら中国共産党が司法を「支配」する驚愕のシステムになっているからに他ならない。さらにそこに司法汚職が蔓延るという問題が絡んでくる。要は「モラルハザード満開」の世界なのだ。
中国を少しでもかじった者なら誰もが知っていることだが、中国とは「発改委」(注)がもっともらしく言及するような法治国家ではさらさらなく、裁く側のさじ加減ひとつで結果がいくらでも変わってしまう空怖ろしい人治国家である。
独禁法の運用強化が「公正な競争環境を実現」するためのものと考えるようなおめでたい人はいないはずである。すべては習近平国家主席の、共産党と表裏一体の関係にある国有企業を育てることを最優先するという方針によるものと考えていい。
少し前から露骨な外資企業苛めというか、排斥キャンペーンが張られるケースが目立ってきた。標的となったのは外資医薬品メーカーと粉ミルクメーカー。中央宣伝部を使い、メディアをコントロールして、非難の大合唱を浴びせ続けた。
そして、その矛先はついに本命と目される自動車分野へと向けられた。まずは自動車部品メーカーが過去最大のペナルティを支払うはめになったが、次はいよいよ完成車メーカーが対象となる。
中国のデトロイトと呼ばれる広州市郊外で部品工場を経営する日本人が興味深い話をしてくれた。
「VW、ベンツなどドイツ勢は過去に何回も当局に支払っているようです。今回、VWグループのアウディ1社に対して18億元(約300億円)以上の制裁金を科すだろうと大々的に報じられていますが、それはどうでしょうか。
これだけ外資企業の中国撤退が進むなかで、VWグループとBMWは中国に対する膨大な投資を表明しています。去年、メルケル首相が財界人を連れて2度も中国詣でをした手前、そんな強面を貫けますかね。手加減するのではないでしょうか」
その分が日本勢に上乗せされないよう祈るばかりである。
(注)発改委:中華人民共和国国家発展改革委員会の略称。価格カルテルを取り締まっている(The National Development and Reform Commission :NDRC)。
加藤鉱(ノンフィクション作家)
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