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「力感」乏しい円安・株高、米金利上昇鈍く基調継続に不安も 2014年 08月 21日 16:43 JST http://jp.reuters.com/news/pictures/articleslideshow?articleId=JPKBN0GL0LE20140821&channelName=topNews#a=1 1 of 1[Full Size] [東京 21日 ロイター] - 東京市場では円安・株高が継続している。米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録がタカ派的と受け止められたほか、日本の景気の先行き不透明感が強まる中、日銀追加緩和の思惑も再び強まっているという。ただ、米金利はわずかな上昇にとどまり、相場の力強さは乏しい。世界景気や地政学リスクに不安が残る中、トレンドを作るようなシナリオ形成はまだ見られない。 <議事録は「タカ派」との見方に異論> 104円に迫るドル買いの材料とされたのは、前日発表された7月29─30日分のFOMC議事要旨だが、市場ではそれほど「タカ派」ではないとの見方が意外と多い。 「Many participants noted that if convergence toward the Committee’s objectives occurred more quickly than expected, it might become appropriate to begin removing monetary policy accommodation sooner than they currently anticipated」(多くのFOMC参加者は雇用と物価が想定よりも早くFOMCの目標に向けて収束に向かえば、現在想定されているよりも早期に緩和政策を転換することが適切になる可能性があると指摘した)。 議事要旨で最も「タカ派」的とされたのは上記の部分だが、「(主語は)あくまでmostではなくmany参加者。さらにmightとあり、可能性の段階だ。それほどタカ派的なトーンが強まっているわけではない」(SMBC日興証券シニアエコノミストの丸山義正氏)との指摘があった。 7月29─30日のFOMCは強かった6月の米雇用統計(非農業部門雇用者数は28万8000人増)を受けた会合。米雇用に関するデータが最も強い時期だった。7月の雇用統計で非農業部門雇用者数は20万9000人増に減速しており、現時点では7月ほど雇用に対する認識は強まっていない可能性がある。週末の米ジャクソン・ホールでのイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の講演でも、ハト派的なトーンは変わらないとの見方が多い。 実際、米金利は、ドル/円が104円をうかがうほど上昇していない。20日の米市場で10年債利回りUS10YT=Rは一時2.446%まで上昇したが、節目の2.5%は下回ったまま。ドル/円は4月4日以来の水準を付けているが、当時の米10年債金利は2.72%だった。米金利上昇をドル買いの理由とするのはやや苦しい。 <ユーロ安の波及か> ドル/円の上昇はドル側の要因ではなく、円側の可能性もある。4─6月期国内総生産(GDP)や6月機械受注など最近、弱い経済指標が目立ってきていることで、日銀の追加緩和への期待が再び盛り上がってきているとの指摘がある。 「前週、日本の4―6月期GDPが発表される直前から、投機筋の一部では円売りのポジションを構築する動きが見られた。実際に弱い結果となったGDPを受け、海外勢の間では、日本の景気に対する弱気な見方や、景気見通しが下方修正されるとの予想も広がり、追加緩和の思惑が出始めている」(外資系証券)という。 ただ、ドル・インデックス.DXYは82ポイント台まで上昇、2013年9月以来の高水準となっており、全体的にはドル高基調だ。ユーロ/円は137円台で依然として今年のレンジ下限に位置する。 三井住友信託銀行・為替セールスチーム長の細川陽介氏は「ユーロ/ドルが節目の1.33ドルを割り込んだことで、ストップロスの売りなどが出てユーロ安/ドル高が加速し、ドル/円にも波及したようだ。米金利上昇のシナリオはまだ見えず、足元のドル高相場の寿命も長くないかもしれない」との見方を示している。 ユーロは一時1.3242ドルまで下落し、昨年9月10日以来11カ月ぶりの安 値をつけた。地政学リスクへの警戒感は一服しているが、欧州経済の弱さがクローズアップされてきているという。「こうした中でのリスクオンには疑問もある」(国内銀行)との指摘も多い。 <日経平均、バブル崩壊後最長の9連騰> 日経平均.N225は9日続伸。2009年7月、昨年12月の9連騰と並び、1990年以降では最長の続伸記録となった。しかし、今回、9日間の東証1部売買代金は1度も活況の目安とされる2兆円を超えていない。市場エネルギーが弱い中での上昇が今回の特徴だ。 「円安と日本株を組み合わせて売買するヘッジファンドなど一部の海外短期勢の買いが入っているようだが、全体的には様子見気分が強く商いが薄い。逃げ足も速い資金なので警戒が必要だ」(大手証券トレーダー)という。 実際、円安を除いては日本株買いの材料は乏しい。 8月ロイター短観(400社ベース)では、製造業がプラス20と前月から1ポイント改善したものの、非製造業は4ポイント悪化し、駆け込み需要前の昨年10月の水準に戻った。「夏場の景気に天候要因の打撃が大きくなることを物語っている」(SMBCフレンド証券・チーフマーケットエコノミストの岩下真理氏)という。 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の基本ポートフォリオ見直しや日銀の追加緩和によるETF(指数連動型上場投信)買い拡大など、需給材料への期待はあるものの、ファンダメンタルズが悪化する中でどこまで日本株を押し上げることができるかは不透明だ。 岡三証券・投資戦略部シニアストラテジストの大場敬史氏は「バイジャパン(日本買い)の材料は現時点で見当たらない。いわゆる閑散に売りなしの中で、スルスルと上がっている。勢いが付けば日経平均で1万6000円を目指しそうだが、明確な買い材料も乏しいままでは、そこが売り場になるかもしれない」との見方を示している。 (伊賀大記 編集:山川薫) http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0GL0LE20140821?feedType=RSS&feedName=topNews&utm_source=feedburner&utm_medium=feed&utm_campaign=Feed%3A+reuters%2FJPTopNews+%28News+%2F+JP+%2F+Top+News%29&sp=true |