01. 2014年8月21日 11:00:43
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労働市場は急回復、早期利上げには不十分=FOMC議事要旨 2014年 08月 21日 07:42 JST [ワシントン 20日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)は20日、7月29─30日分の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を公表した。それによると、FRBは労働市場の予想以上に急速な回復を遂 げているとしたものの、さらに確固たる回復が示されるまでは利上げの前倒しを望んでいないことが明らかに なった。 議事要旨は「労働市場の状況は長期的に正常とされる水準に著しく近づいた」とし、ここ1年間の改善が「予 想以上」だったことに「総じて同意」した。FOMC後に発表した声明でFRBは、労働市場に「著しい」緩 みがあると指摘したが、多くの参加者はこの評価について「近いうちに変えねばならないかもしれない」との 認識を示した。 ただ、利上げ開始時期の見通しについては、いかなる変更も「経済活動や労働市場、物価上昇率に関する今後 の動向次第」とした。 参加者は利上げの枠組みの多くの要素について大筋で合意に至った。ほとんどの参加者がフェデラルファンド (FF)レートを引き続き主要政策金利とすることが適切とした。 FFレートの目標については、現在と同じく25BPの幅を持たせることをほぼ全員が支持した。FRBは2 008年12月以来、FFレートを0−0.25%に維持している。 大半の参加者は、超過準備預金に対して金利を支払うことで、政策金利の上限を設定できるとした。下限はリ バースレポ金利と同じ水準に設定されることになる。 最初の利上げ後も当面、保有証券の償還資金再投資を継続することに「ほとんどの」参加者が賛成していると 表明。前回の議事要旨では「多くの」参加者にとどまっていた。 一部参加者は、第1・四半期がマイナス成長となったことについて、経済が予想よりも弱まっていることの表 れとも捉えられると指摘。また数人の参加者は、低水準のインフレが金融緩和スタンスを正当化するとの考え を示した。 議事要旨は「FOMCの参加者が雇用の最大化と2%のインフレ率という目標に向け、達成されたものと今後 見込まれるものという点で進ちょく度合いを協議し、そうした進展に関するFOMC見解をよりはっきりと伝 えるよう、声明文を充実させることを検討した」ともしている。 議事要旨の発表直後、米株式相場は上昇幅を圧縮した。しかし、その後は素早く持ち直した。ドルは主要通貨 に対し値上がりし、米国の10年債利回りも上昇した。 利上げ前倒しの確率はやや上がったが、金利先物は依然として、最初の利上げについて2015年の7月にな ると指し示している。 *本文中の文言を修正して再送しました。 コラム:関心を集めすぎるジャクソンホール会議 2014年 08月 20日 14:07 JST
8月19日、今週にワイオミング州ジャクソンホールで開かれる会議は、本来ならもっとましな事に時間を費やせるはずの投資家その他多くの人々が強い関心を持って見守るだろう。写真は2011年8月、都内で撮影(2014年 ロイター/Yuriko Nakao) 1 of 1[Full Size] コラム コラム:ドル105円の扉開く「ゲームチェンジャー」=内田稔氏 コラム:日本株を復活に導く「第2の矢」の方向転換=村上尚己氏 コラム:独国債のブルフラット化への賭けこそ最も安全な投資 コラム:世界的金利低下が示唆する円高シフト=佐々木融氏 James Saft [19日 ロイター] - 世界のセントラルバンカーが集まる8月のジャクソンホール会議が、盛況を博したチェスの試合並みにしか主流派の関心を集めなかった時代がかつてあった。正直言って私はその時代が懐かしい。 それは経済の金融化、経済危機、政治機能のまひのせいで、経済と資本配分において金融政策があまりにも中心的役割を果たすようになる以前の、古き良き時代だ。 米カンザスシティ地区連銀の主催で今週、ワイオミング州ジャクソンホールで開かれる会議は、本来ならもっとましな事に時間を費やせるはずの投資家その他多くの人々が強い関心を持って見守るだろう。 この会議は1978年から毎年8月に開かれてきたが、グーグルでざっと調べただけで、2006年までは世界の関心が小さかったことが分かる。 2006年というのはもちろん、金融危機が始まる前の年だ。それ以来は毎年、ジャクソンホールの出席者が何を語るか、また実際に何を語ったか、そして発言を受けて市場がどの程度上昇したか、などを詳細に伝える記事があふれるようになった。 こうした傾向はもっともな理由があって存在しているわけだが、その背景は暗い。 もっともな理由とは無論、経済が支援を必要としていること、また中銀が中心的役割を果たさざるを得ず、その過程で経済に対する彼らの権限と影響力が増していることを指す。暗い背景とは、少なくとも米国においては、中銀が何年間も積極的な政策を打つことによって、政策で合意できない議会や政府機関の穴を一部埋める役割を果たしてきたことだ。 皮肉なことに、多くの尺度で見てこの政策はあまりうまく機能していない。経済の停滞期間が長引きその後の回復も弱々しいために中銀は追い詰められ、利上げしようにもできなくなっている。 実際、金融危機後8回目となる今回のジャクソンホール会議について広く予想されているシナリオは、米国内では弱い景気指標が散見され、欧州が景気後退入りしてもおかしくない中で、イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長がハト派のメッセージを送り、利上げが差し迫っていないことを暗に示す、というものだ。 そうした見方はあまりにも盤石で、シティグループの外為アナリスト、スティーブン・イングランダー氏に至っては、議長講演のシナリオとして「完全にハト派」、「半分ハト派」、「条件付きのハト派」の3種類を挙げている。 <お祭り> 過去7回のジャクソンホール会議は毎回、株価の上昇をもたらした。借り入れコストを引き下げ、資産価格を押し上げるための新たな策が発表されたり、示唆された後に大幅な株高が起こることが多かった。 そのこと自体で関心の高さは説明がつく。たとえ幻想であっても金持ちになりたいのは皆同じだから、セントラルバンカーの言葉に耳を傾けたがる。ここ数年の株価上昇要因はソーシャルメディア株の堅調など多々あるが、一番の支援材料は金融政策だった。 これはジャクソンホールだけの問題ではない。ニューヨーク連銀のエコノミストらによる調査では、1994年以来、米国株が過剰なリターンをもたらした局面の実に8割は、FRBの金利発表に先立つ24時間だった。グリーンスパン元議長の時代には、景気が悪化すれば市場を支える一方、バブルが醸成されつつある時にはそしらぬふりをしてきたからだ。 バーナンキ前議長とイエレン議長は弱い景気を支える方向しか経験しておらず、景気刺激策はひたすら一方向に流れている。ことしも例外ではなさそうで、米景気が予想外に間もなく加速するということでもない限り、次に景気後退が訪れた時には利下げ余地がないだろう。 より大きな問題は、資産価格の膨張を便利な景気修復の道具に使ってきたことで、投資家が金融政策に異常な関心を抱くようになってしまったことだ。理想的な金融政策とは景気を微調整する道具であって、成長エンジンのようなものではない。 金融政策が中心的役割を果たすようになったことは嘆かわしい。これにはセントラルバンカー自身からも一部賛同を得られるだろう。 真に問われるべきは、この中心的地位が現在の状況特有のものか、あるいはもっと恒久的なものかだ。世俗版の祝祭日と化したジャクソンホール会議やFOMCの直前に、株式市場がアウトパフォームしない時代は再び訪れるのだろうか。 この疑問がジャクソンホールで討議されることはなさそうだし、ましてや答えは出てこないだろう。 *筆者はロイターのコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。 *このドキュメントにおけるニュース、取引価格、データ及びその他の情報などのコンテンツはあくまでも利用者の個人使用のみのためにロイターのコラムニストによって提供されているものであって、商用目的のために提供されているものではありません。このドキュメントの当コンテンツは、投資活動を勧誘又は誘引するものではなく、また当コンテンツを取引又は売買を行う際の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。当コンテンツは投資助言となる投資、税金、法律等のいかなる助言も提供せず、また、特定の金融の個別銘柄、金融投資あるいは金融商品に関するいかなる勧告もしません。このドキュメントの使用は、資格のある投資専門家の投資助言に取って代わるものではありません。ロイターはコンテンツの信頼性を確保するよう合理的な努力をしていますが、コラムニストによって提供されたいかなる見解又は意見は当該コラムニスト自身の見解や分析であって、ロイターの見解、分析ではありません。 © Thomson Reuters 2014 All rights reserved. おすすめ記事 ドイツ・イタリア、イラクのクルド部隊に武器供与用意2014年8月21日 米フォードが初のハイブリッド専用車投入へ、プリウスに対抗2014年8月21日 コラム:日本経済予測を狂わす「ワイルドカード」=岩下真理氏2014年7月29日 日経平均の寄り付きは続伸、主力株買われ1万5500円回復2014年8月21日 コラム:中国食肉問題、外国企業の隠れた「病巣」に警鐘2014年7月25日 |