04. 2014年8月21日 11:22:03
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情報BOX:FOMC議事要旨の抜粋 2014年 08月 21日 08:54 JST [20日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)は20日、7月29─30日分の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を公表した。抜粋は以下の通り。 FOMCの参加者が雇用の最大化と2%のインフレ率という目標に向け、達成されたものと今後見込まれるものという点で進ちょく度合いを協議し、そうした進展に関するFOMC見解をよりはっきりと伝えるよう、声明文を充実させることを検討した。 労働市場について、失業率や、労働力の活用状況など様々な指標がこの数カ月でこれまでの予想よりも一層改善したとの認識で多くの参加者が一致した。 これらの参加者は、単に失業率だけで表される労働市場の状況に関する表現を、様々な指標の評価に基づいて労働力の未活用度合いを示す表現に置き換えることが適切だと判断した。 これら参加者の討議では、一部が労働力の未活用度合いをより幅広く表現することへの懸念を表明した。 特に、労働市場の緩みの度合いは簡潔に表現することは困難で、労働市場の状況が改善し続ける中で、声明文の調整が難しくなってくるのではないかとの懸念が示された。 さらに、労働市場の改善にもかかわらず、文言が加わることで、労働力の未活用への懸念が強まったと誤解される可能性があることも問題視された。 結論として、失業率が一段と低下する中で労働市場の状況は改善したとの見解を示す一方、労働力の未活用度合いが大きいことを様々な労働市場の指標が示唆しているとも言及することでFOMCは合意した。 しかし、特に予想を上回るペースで労働市場に進展が見受けられれれば、労働力の未活用を特徴づける状況が遠からず変化する可能性があることを多くの参加者が指摘した。 インフレ率については、FOMCの長期目標に幾分近づいたとの認識を示し、インフレ率が根強く2%を下回る確率が幾分か低下したという判断を伝えるため、声明文を更新することで参加者が合意した。
ダウとS&Pが3日続伸、FOMC議事要旨受け 2014年 08月 21日 07:14 JST [ニューヨーク 20日 ロイター] - 20日の米国株式市場は、ダウ工業株30種とS&P総合500種が3日続伸。S&Pは、終値としては7月終盤につけた過去最高値に迫った。同日発表された7月29─30日の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨は、連邦準備理事会(FRB)が引き続き緩和政策を維持することを示唆した。 ダウ工業株30種.DJIは59.54ドル(0.35%)高の1万6979.13ドル。 ナスダック総合指数.IXICは1.03ポイント(0.02%)安の4526.48。 S&P総合500種.SPXは4.91ポイント(0.25%)高の1986.51。 ホームセンターのロウズ(LOW.N)は、5─7月期決算が予想を上回る増収増益となったことで 1.6%上昇。カジュアル衣料専門店のアメリカン・イーグル・アウトフィッターズ(AEO.N)も5─7月期の売上高・利益が予想より好調だったことから、12%上がった。 ディスカウントストアのターゲット(TGT.N)は5─7月期が予想以上の減益で、通年の利益見通しを引き下げたが、株価は序盤の軟調から盛り返して1.8%高となった。 通年の業績見通し撤回を発表したレンタカーのハーツ・グローバル・ホールディングス(HTZ.N)は3.9%下落した。 前日に好決算を発表したホームセンターのホーム・デポは2.9%上昇した。 日中取引終了後にコンピューターのヒューレット・パッカードが発表した5─7月期決算は、アナリスト予想に反して増収となったが、株価は時間外取引で0.7%下げた。 この日の市場全体の動きについて、フェニモア・アセット・マネジメントの株式アナリスト、ドルー・ウィルソン氏は「FRBに左右されたのは間違いない。当初は堅調でFOMC議事要旨公表前にやや逃げ腰になり、それから明らかに大きな安心感が広がったしるしが見えた」と話した。 FOMC議事要旨を消化したことで、市場の次の関心は21日から始まるカンザスシティー地区連銀主催の経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)に向かっている。FRBのイエレン議長は22日に予定されるジャクソンホール会議中の講演で、経済指標が総じて前向きになっていると認めつつも、労働市場にあるスラック(需給の緩み)に引き続き懸念を示すとみられている。 BATSグローバル・マーケッツのデータによると、米取引所の合算出来高は約45億株で、過去5日平均の52億株を下回った。 (カッコ内は前営業日比) ダウ工業株30種(ドル).DJI 終値(非公式) 16979.13(+59.54) 前営業日終値 16919.59(+ 80.85) ナスダック総合.IXIC 終値(非公式) 4526.48(‐1.03) 前営業日終値 4527.51(+19.20) S&P総合500種.SPX 終値(非公式) 1986.51(+4.91) 前営業日終値 1981.60(+ 9.86) *内容を追加しました。
コラム:ジャクソンホールは無風か、低金利継続の論拠=岩下真理氏 2014年 08月 18日 15:30 JST 記事を印刷する | ブックマーク | 1ページに表示 [-] 文字サイズ [+] 8月18日、SMBCフレンド証券・チーフマーケットエコノミストの岩下真理氏は、22日のイエレンFRB議長の講演では、利上げ時期に関する新たなメッセージが出る可能性は低いと予想。提供写真(2014年 ロイター) 1 of 1[Full Size] 為替フォーラム アングル:輸出は力強さ取り戻せず、「日本抜き」の構造変化の影 コラム:ドル105円の扉開く「ゲームチェンジャー」=内田稔氏 焦点:米シティの日本の個人部門売却、買い手不在の懸念 焦点:株価PKOは今後本格化も、カギはGPIF改革の時間軸 岩下真理 SMBCフレンド証券 チーフマーケットエコノミスト
[東京 18日] - 毎年8月下旬に、夏の終わりの風物詩、カンザスシティー地区連銀主催の経済シンポジウムが米ワイオミング州ジャクソンホールで開催される。 1978年以降、風光明媚なロッキー山脈の避暑地で、世界経済が直面する重要な問題をテーマに議論が繰り広げられてきた。この会合は、岩田一政・元日銀副総裁が著書「デフレとの闘い」で何度も触れるほど、中央銀行間の重要な情報交換の場と位置付けられている。比較的小さな会場の座席は100席強で、参加メンバーの内訳は中央銀行関係者、経済学者、マスコミなどで3分しているようだ。 この会合が、市場の脚光を浴びるようになったのは2010年以降。4年前の8月27日に当時のバーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長が講演で「経済見通しが悪化した場合、追加緩和を実施する用意がある」と語り、具体的に3つの緩和策の案まで示唆したからだ。 その後の市場では量的緩和第二弾(QE2)への期待が高まり、債券は堅調推移、株式は戻り歩調を辿った。その一方で為替市場では8月から9月にかけて円高(ドル安)が進行した。日銀は8月30日に臨時会合で追加緩和決定に追い込まれ、9月15日には日本政府が6年半ぶりに為替介入を実施と、大変な夏を過ごしたのである。実際にQE2は11月2日に決定され、振り返ればバーナンキ当時議長のジャクソンホールでの講演は2カ月余り前の地ならしであった。 今年も、このシンポジウムが21―23日に開催される。6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録によれば、資産購入を10月に終え、最後は150億ドル削減で終了することで概ね合意したことが明らかになった。 10月28・29日開催のFOMCまで残り2カ月強となる現在、2010年を思い出せば非常に重要なタイミングであるのは確かだ。しかし、今年の討論テーマは「労働市場のダイナミックスの再評価」。これまで「労働の質」に対するこだわりの強さを示してきたイエレンFRB議長だけに、このテーマでは従来通り、利上げを急いでいない姿勢を示す可能性のほうが高いだろう。よって、22日の講演では、利上げ時期に関する新たなメッセージが出てくる可能性は低いと筆者はみている。 <イエレン議長に強力なハト派の援軍> 今週のイエレンFRB議長講演を前に、連銀内のハト派からの援軍が先週複数現れた。最大の援軍は、11日のフィッシャーFRB副議長の講演である。 冒頭から、世界の景気回復について「期待外れ」と述べ、世界的な期待成長率の低下を指摘。また、米国の需要サイドの3つの向かい風として、1)住宅部門の低迷、2)財政緊縮、3)欧州経済の弱さを挙げた。 一番目に関連して、昨年半ばのモーゲージ金利の急上昇が住宅市場の回復に水を差したことを明記している。長期金利の急上昇は回避したい強い意向が読み取れる。さらには長期的な供給サイドの3つの抑制要因として、1)人口動態による労働供給力の弱さ、2)資本投下率の低さ、3)生産性上昇率の弱さにも言及した。この米国での潜在成長率低下の可能性の考え方は、フィッシャー副議長の門下生であるサマーズ元米財務長官の「長期停滞論」に通じるものだ。 そして、金融政策については、景気の循環要因と構造要因を区別することは難しい状況下、「フレキシブル・インフレーション・ターゲット(柔軟な物価目標政策)」の枠組みのもとで、慎重な対応が必要であるとの認識が示された。これまで筆者は、雇用重視のイエレン議長に比べて、フィッシャー副議長は金融市場の安定を重視する傾向があるとみていたが、今回の講演では極めてハト派であることが確認できた。 さらなる援軍は、14日発表のシカゴ地区連銀の報告書である。その内容は「現在の労働市場が金融危機に見舞われる前の2005―07年と同等の水準にあると仮定すると、今年6月の実質賃金の上昇率は0.5―1.0%ポイント高かったと試算」。労働市場のスラック(需給の緩み)により、賃金の伸びが抑制されたというものである。 シカゴ連銀と言えば、2012年12月の失業率の数値基準(6.5%)導入時、その理論的アイデアの生みの親だったエバンズ総裁がいるところである。また、エバンズ総裁は来年のFOMC投票メンバーであり、イエレン議長のサポート役となりそうだ。 以上、フィッシャー副議長講演、シカゴ連銀報告書を踏まえれば、今回のFRBの対応は過去の利上げ局面とは大きく異なるものとなる(すなわち利上げ時期は後ずれし、利上げペースは慎重な足取りとなる)可能性を念頭に置くべきだろう。 <賃金の伸び悩みは先進国病> ところで、賃金の伸び悩みは、米国だけの問題ではない。先進国病と言っても良い状況だ。 英中銀(BOE)が13日発表した四半期インフレ報告では、今年10―12月期の賃金上昇率の見通しを5月時点の2.5%から1.25%へ大幅に下方修正。「現在の緩みの度合いに関する増大した不確実性を考慮し、(金融政策)委員会はコスト、特に賃金の今後の見通しを注視する重要性を指摘した」と記され、市場では利上げ時期の後ずれと受け止められた。 それでも現在の英国が米国と大きく異なる点は、住宅市場の過熱(住宅価格の大幅上昇)が懸念されていることだ。BOEは住宅と賃金の両にらみの姿勢に転じたが、FRBより先に利上げを開始するとの見方を変える必要はない。 他方、日本でも消費増税後にみられる消費動向の弱さの背景として、実質賃金の伸び悩みを指摘する声が大きくなってきた。13日発表の日本4―6月期実質GDPは前期比年率マイナス6.8%とほぼ市場予想通りの大きな落ち込みとなったが、個人消費は前期比マイナス5.0%と減少幅がやや大きかった。 駆け込み需要が前回97年増税時よりも大きかった耐久財は予想通り大きな落ち込み。それだけでなく、食料品の含まれる非耐久消費財やサービスの支出が97年増税時よりも弱くなった背景には、価格転嫁がスムーズに進み、マイナスの所得効果が現れたことがあったと言えよう。 雇用者報酬が名目では前年比プラス1.3%でも、実質では同マイナス2.2%と消費増税の影響で大きく落ち込んだことも要因の1つと説明される。それでも、足元で雇用・所得環境の改善は続いており、大雨の影響はあっても個人消費の腰折れは想定しづらい。 4―6月期実質GDPの数字を受けて、日銀が10月展望リポート発表時に、2014年度の成長率見通しの数字(大勢見通し中央値)を7月時点のプラス1.0%から、若干の下方修正をすることはやむなしだろう。筆者予想はプラス0.5%(7―9月期は前期比年率プラス3.9%)だ。その一方で物価見通しは、発表時点では全国9月分消費者物価指数(CPI)までしか評価することができず、従来の数字のまま据え置きが見込まれる。 筆者はGDPの下方修正だけなら、日銀は追加緩和の検討には至らないと予想する。その代わり、輸出が勢いを取り戻さない状況下でも、企業収益の増加基調のもと設備投資は回復する姿を、従来と異なる前向きな循環メカニズムとして日銀は説明する必要があるだろう。 <債券市場はチキンレースへ> そのような状況下、先週の債券市場では、14日に欧州経済の下振れ懸念を背景に、ドイツ10年債が初めて1.0%割れとなり、米10年債は2.3%台、15日に日本10年債も1年4カ月ぶりに0.5%割れとなった。 日米欧の金融政策の方向性を整理すると、米国は利上げを急いでおらず、今後も慎重姿勢を続ける可能性がある。それに対して、欧州ではディスインフレに対応する用意がある。日本では何かあれば躊躇(ちゅうちょ)なく調整すると、追加緩和に期待を残す姿勢を示している。そのため、市場では欧日への追加緩和催促相場に陥りやすい。 欧州の場合、9月4日の欧州中銀(ECB)理事会で、景気物価見通しを下方修正しても、新たな策を講じなければ、早期の追加緩和期待は後退するだろう。結局、10月の欧州金融機関のストレステストの結果や9月と12月に実施予定の新型長期供給オペ(TLTRO)の効果待ちとなるはすだ。一方の日本では、10月31日の日銀展望リポート発表までは、一部の追加緩和観測はくすぶり続けるだろう。 以上により、夏の終わりの債券市場は、FRBの慎重姿勢を確認しながらのチキンレースとなりそうだ。金利低下の起点が欧州であったことから、目先は9月4日のECB理事会待ち。日本の9月は国債償還が多い月のため、9月上旬まではデュレーション長期化の流れが残りやすい時期だ。短くとも9月上旬までは、金利の下限トライの動きは続くことが見込まれる。 その後は、9月16・17日のFOMC待ちとなるだろう。いずれにせよ、日米欧の金利は上昇しにくく、低金利は長期化するとの見方が定着しそうだ。 *岩下真理氏は、SMBCフレンド証券のチーフマーケットエコノミスト。三井住友銀行の市場部門で15年間、日本経済、円金利担当のエコノミストを経験。2006年1月から証券会社に出向。大和証券SMBC、SMBC日興証券を経て、13年10月より現職。 |