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写真はイメージ/(C)日刊ゲンダイ
都心マンションで深刻化 駐車場ガラガラで住民負担アップ
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/152696
2014年8月20日 日刊ゲンダイ
今、都心のマンションを中心に深刻な事態が進行している。「値崩れが激しい」とか「入居者がいない」という話ではない。若者はもとよりシニア層のクルマ離れが進み、駐車場がガラガラ。見込んでいた駐車場収入が激減しているのだ。これは「修繕積立金」や「管理費」会計の収入減に直結する。このままでは…。
まずは大田区内のマンションで管理組合の理事をしているKさんの話を聞いてみよう。
「ウチのマンションは現在50台分の駐車場が空いています。80年代に建てられたマンションで入居は約300戸。もともとは100台分の駐車場しかなかったのですが、バブル期に拡張したんです。マイカーは一家に1台が当たり前の時代で、<100台じゃ少ない>ということになって駐車場を立体式にして、300台分に建て替えたんです。ところが、10年ほど前から徐々にクルマを持つ人が減り始め、いまや50台分がガラガラの状況です」
Kさんのマンションの駐車場料金は月額2万円。収入は「管理費」に入る規約になっていて、初めから予算に組み込まれている。50台分の収入が減ると、それだけで月に100万円、年間1200万円の減収。10年だと1億2000万円。いずれは大規模修繕が必要になったとき、住民負担などの形で影響が出るのは避けられない。
Kさんのマンションはまだマシな方だ。港区や中央区など都心になればなるほど、マンション駐車場の“空き率”は高くなっている。
「都内の移動なら地下鉄で十分ですし、たまの遠出も今やレンタカーもあるしカーシェアという方法だってある。わざわざバカ高い駐車料金や税金を負担する必要はない。そう考える高齢者や若い夫婦は多いですよ」(Kさん)
■売るに売れずスラム化
こんな事態になったのは物件を売り出したディベロッパー側にも責任はあるという意見も出てきた。管理組合経験者のM氏が言う。
「もともとマンションには『積立金』と『管理費』という2つの財布があり、本来なら駐車場料金は“臨時収入”として積立金に入れるべきなのです。ところが、毎月の管理費を少しでも安く見せたいディベロッパーは駐車料金も当然入るものとして『管理費』に計上してしまう場合がある。これが諸悪の根源です」
管理費の収入が減るとKさんのマンションのように“管理費アップ”の可能性が出てくる。積立金勘定にしても将来の備えが貯まらないわけで、大規模修繕などに住民の負担が増えるのは目に見えているのだ。
「駐車場を利用している住民とクルマを手放してしまった人の間で感情のシコリができてトラブルが発生しています。収入が減った分、補填として<マンション外の人に貸そう>という意見も出ている。しかし、これも問題で<見知らぬ人の出入りは嫌><営業車だった場合、出入りがウルサい>などと言って侃々諤々。このままいくと『駐車場ガラガラマンション』は売るにも売れずスラム化する危険があります」(前出のM氏)
打つ手はあるのか。
「自転車置き場やトランクルームにする手もありますが、収入はタカが知れてます。平置き駐車場の場合は何かの足しにはなりますが、問題は立体の機械式駐車場。金は入らないにもかかわらず、ベラボーな保守点検費用がかかる。残念ながら『廃止』を考えるしかないでしょうね」(マンション管理士の松本洋氏)
それはそれで、金銭的負担は大きそう。不安は増すばかりだ。
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