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競馬人気、なぜ回復?コラボ企画や施設充実で、若者・女性・休眠客を獲得 JRAの戦略
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140820-00010005-bjournal-bus_all
Business Journal 8月20日(水)3時0分配信
夏競馬の季節である。競争最高格付けであるG1は、6月末の宝塚記念を最後に、10月のスプリンターズステークスまで休止期間中だ。しかし、ビッグレースこそ少ないが、夏競馬も見所は満載だ。新潟、福島、福岡・小倉、北海道・札幌および函館と、競馬場ごとの色を感じ取ることができ、観光の一環として訪れるファンも多い。特に近年、競馬場内の飲食店の充実ぶりは目を見張るものがあり、各地のご当地グルメを気軽に楽しめるのもうれしい。
日本中央競馬会(JRA)の馬券売上額は、1998年の3兆8000億円をピークに、2011年まで右肩下がりに下降してきた。だが、12年からは2年連続で前年比100%を超えるなど、競馬人気回復の兆しが見えている。
来場者数は98年の1223万9465人から、13年時点で半数近くまで落ち込むなど課題もあるが、売上額の増加の原因について、小畠薫・お客様事業担当理事はスポニチアネックスの取材に対して「東京優駿(日本ダービー)や有馬記念の集中的なプロモーション、払戻金を上乗せした“最終馬連”が功を奏した」と分析している。
JRAは、今後の展開を見据え、さまざまな企画を展開している。大きく分けて、キーワードは以下の4つといえる。(1)若年層の取り込み、(2)女性ファンの獲得、(3)休眠層への呼びかけ、(4)日本競馬を世界ブランドへ。今回は、競馬人気復活に向けたJRAの戦略を一つひとつ検証していきたい。
●若年層とオールドファン、双方に訴求
数年前から、JRAは若者のファン獲得に注力している。そのために採用したのが、アニメやアイドルグループとのコラボレーションだ。いくつか例を紹介すると、人気アクションゲーム『戦国無双4』(コーエー)と動画「ダービー無双」を制作、また競馬を若年層に訴求するための企画「SMART! JRA」で、アイドルグループ・AKB48や、12年に公開された映画『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』とコラボキャンペーンを展開している。13年には、人気漫画『進撃の巨人』(諫山創/講談社)と協力し、「進撃のジャパンカップ」「進撃の有馬記念」と各レースに合わせたプロモーションを行った。
若年層へのアプローチをする一方、就職や結婚などの生活の変化によって、一度競馬を離れた“休眠層”への呼びかけも特徴的だ。13年のテレビCMでは、「THE LEGEND」をうたい文句に、対象レースの過去の優勝馬に焦点を当てた手法で注目を集めた。今年は当該レースに対して、歴史を紹介するストーリー性に特化した演出を行い、オールドファンを喜ばせた。
若者と休眠層へのPRの結果、13年12月22日開催の第58回有馬記念では対前年比105・4%となる約350億円、今年6月29日開催の第55回宝塚記念では対前年比102・3%増の約173億円の馬券売上を記録した。
●施設の充実で競馬場がアミューズメントパーク化
競馬場に足を運んだことがない人は、施設の充実具合と女性客の多さにきっと驚くだろう。
チャイルドコーナー、車椅子観戦シート、シニアシートといった観戦用席の充実はもちろんのこと、マッサージチェアスペース、リフレッシュルーム、救護所まで完備されている。特に東京競馬場(東京・府中市)に関しては、「神田川」「ホテルオークラ」などの人気レストランがテナントとして入居しており、競馬場の内装はホテルさながらで、清掃も隅々まで行き届いている。
競馬場は汚く、大声で野次を飛ばす男性客ばかりという光景は、時代とともに確実に変化しつつある。
京都競馬場で派遣社員として働く女性スタッフは、実際に女性客が増えていると感じると言う。
「ディープインパクト(06年に引退)の活躍以来、競場に興味を持つ女性の数が増えたと感じています。大学生くらいの若者がデートで競馬場に来る、という光景をよく見かけます。パドック(出走前に競走馬がファンの前に姿を現す運動場)では、迫力のある馬を間近で見て盛り上がれますし、動物園感覚でポニー(小柄の馬)と触れ合うこともできます。馬券も100円から買えるので、手軽にレースのドキドキ感も味わえます。時々、女性同士で競馬場に来る姿も見かけます」
また、阪神競馬場で働く女性スタッフは、イケメンジョッキー目当ての“ウマ女”が急増していると語る。
「スタッフの中には、騎手と仲良くなるために競馬場で働き始めた、という女性も多くいます。浜中俊、福永祐一、藤岡康太といった関西所属の騎手は、気軽に写真撮影に応じてくれますし、私たちスタッフに対しても非常に優しいです。東京競馬場、中山競馬場(千葉・船橋市)では、石橋脩や後藤浩輝などの人気騎手の追っかけをする女性もいるという話も耳にします」
●日本競馬のグローバル化
世界的に見れば、日本の競走馬の評価は年々高まっている。11年にヴィクトワールピサが世界最高の賞金額を誇るドバイワールドカップを制覇し、世界で最も権威あるフランスのレース凱旋門賞では、オルフェーヴルが12年、13年に2年連続2着と好走した。
そのほかにも、ロードカナロア、ルーラーシップ、ハナズゴール、ジェンティルドンナ、ジャスタウェイといった国際G1優勝馬が、ここ3年間に続々誕生している。特にジャスタウェイは、8月時点の「ロンジンワールドベストレースホースランキング」で堂々世界1位に選出されており、ゴールドシップ、ハープスターといった国内の調教馬も高い評価を受けている。
今年度開催の凱旋門賞には、ジャスタウェイ、ゴールドシップ、ハープスターの出走が予定されており、日本競馬の悲願である、世界の頂は手の届くところまで近づいてきている。どんな世界でも、スーパースターの存在は大衆を惹きつける。今年は、世界の歴史に名を刻むスターホースが誕生し、競馬人気復活に一役買いそうな予感がしている。
栗田シメイ/Sportswriters Cafe
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