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アベノミクスの惨状:日本の借金がさらに増えた。
ここにきてアベノミクスの惨状が統計でもようやく明らかになって来た。
日刊スポーツの記事で見つけたが、財務省は国債と借入金、政府短期証券の合計した国の借金が今年6月末で、1039兆4132億円と発表した。
過去最大の更新ということだ。
このような借金の増加が消費税の引き上げの影響が出る前に既に起こっていることは、アベノミクスが根本的にデフレ対策として間違っていた事の証明である。
借金の増大はデフレを深刻化させていることの証明だからだ。財政の不安定化は、常に日本政府の行動を制限し続け、国民からの不当な搾取を正当化させるだろう。
不当な搾取は、我々の生産量以下の消費を具現化するからである。それがデフレの根本原因であるからだ。
今後消費税引き上げの悪影響が出てくると、何もかも消費税の姓にする輩が出てくるだろう。しかしアベノミクス自体に既にデフレを解消する力がなかった事は明らかである。
これをしっかり頭に入れておかなければ再び同じ過ちを繰り返すことになる。現に日本はこの23年間何度も同じ過ちを繰り返してきた。
統計結果
1、日本の政府の借金がさらに増加。
2、円安にしても、輸出が増えない。
3、日銀の国債買い取り量の増加にもかかわらず一向に市場への資金量が増えない。銀行の貸し出しの不振
アベノミクスは、もともと小泉政権下の経済政策を踏襲したものでそれをさらに大胆にしたものである。
そのためその政策自体になんらデフレを解消するものはなく、早晩破綻することが明らかなものであった。
それでも日本の多くの為政者や、専門家、財務筋は、税収が欲しいため、小泉政権下の税収増が忘れられなくて、もう一度と同じ政策に走ったのだ。
小泉政権下で税収が増えたのは、欧米のインフレや中国の急成長が輸出伸ばし、その上円安になったからである。その間国内は不振を極め、多くの大企業は国内に見切りをつけ、輸出に突破口を見いだしたのだった。
その間の低金利と異常な金融緩和は円キャリーを生み円安に振れたため、輸出による還流資金が増加し、税収が増えたのである。しかしこれは、政策の失敗がケガの功名のような結果になったに過ぎない。実際は国内は深刻なデフレ循環に陥っていたのである。
その時の政策を十分に吟味せず、あるいは分析できないのだろう。当時の状況と今の状況などを全く勘案する事なく、夢よもう一度と、同じことをやらかしたのだ。
しかしアベノミクスはサブプライムとリーマンショック後であったため、円安にしても外需が弱く輸出が増えない状況である、と同時に多くの有力輸出企業は既に海外移転を完了しており、日本から輸出する必要がなくなっている。
そのため日本の有力な輸出企業が、好決算であっても、国内からの輸出が減っており、円安による還流資金は大幅に少なくなっている。もはや円安に誘導しても輸出は増えない状況になっている。
為政者が小泉政権下の政策を踏襲した最大の理由である、税収の増大の目論見が完全に外れたのである。
今後は円安誘導せずとも円安になっていくだろう。
これ以上の金融緩和をやっても、輸出が伸びず、逆に円安による輸入物価高が、国内の市場資金を外国に流出させ、ますますデフレが深刻になっていく。
もはや円安は、日本の国益ではない。しかしここにきても黒田日銀は、さらなる金融緩和を発表するだろう。それは全世界を敵に回し、アメリカ経済を崩壊させることにつながっていくだろう。(アメリカの金融帝国の崩壊の道筋参照:6/10日)
アベノミクスによる政府の借金の増大は、国内のおびただしい公共事業が、借金以上の所得増をもたらさなかった事を物語っている。
それが借金の増加の統計結果である。公共投資が景気浮揚策としての意味を失い、単にえこひいきな、分捕り合戦となってしまったのだ。
東北の復興やオリンピック事業に投資は必要であろう。しかしそれは日本全体の景気浮揚策にはなっていないということだ。投資した分量の仕事だけ生じるが波及効果がないのである。
このようにデフレ下の公共投資は、乗数効果がないため、投資以上の経済の拡大は望めない。それどころか逆に借金乗数があるため、経済を乗数倍縮小させている可能性すらある。
昔ポルトガルのリスボンが地震に見舞われ、その復興に尽力したが結局元の権勢には戻らなかったという。
それはデフレ下の復興であったからだ。
今の日本は、東北復興の大号令と、東京オリンピック成功の掛け声に乗って、公共投資がその2点に集中している。その結果それ以外の地域を疲弊させている。
それが人手不足と失業率の増加(6月)という奇妙な現象を引き起こしているのだ。有効求人数が増えながら失業者を増やしているのである。
しかし今の阿部率いる自民党にしろ、他の野党にしても公共投資による日本沈没を信じていないため、消費税引き上げによるデフレスパイラルを止めるため、またも公共投資の大判ふるまいをするだろう。
黒田日銀は、さらなる金融緩和を実施する可能性がある。もう彼は戻れないからだ。
それでも銀行の貸し出しは増えない。市場が縮小しているからだ。
そこへ移民の拡大、経済特別区の設置などデフレ下の自由化によるさらなる低次元へのシフト政策が行われようとしている。
アベノミクスは結局国民に莫大な借金を残し、破綻の縁に追いやる結果となる。日本を取り戻す掛け声とは反対の、逆にくれてやることになる。
消費税引き上げは、デフレスパイラルを引き起こしており、時間が経過するにつれ市場から資金がなくなっていく。
NISAなどの金融資産はどんどんアメリカへ流れていく。国内市場に、資金が流れない環境が整ってきている。
しかもここにきて消費税を増税し名目GDPを低下させたことは、税の増収がほとんど期待できないことを意味し、アベノミクスで増やした借金すら十分に返せないだろう。
デフレの最たる問題は、負債の金銭的増加であり、それが政府であるか、銀行であるか、民間企業であるか、個人であるかは問わない。
いずれにせよその借金が原因で、消費がにぶり、縮小循環に陥いるのである。民間個人の借金であれば、消費が不足し、企業であれば、利益が借金返しに使われ、労働賃金が増えない。銀行であれば、貸し渋りが生じる。政府であれば、苛酷な国民負担を強い、消費が奪われるのである。
借金が貯蓄より大きいことががデフレの根本原因であり、借金の大きさが消費不足を起こさせるのである。
我々の作った生産物が借金による消費不足のため、全部消費されず、不良在庫が残っていく。この循環がデフレの縮小循環である。
バブル崩壊後、民間企業の借金や銀行の借金は、政府の必死の政策により、日本政府が大半を背負うことになった。
しかしこの政府の役人や政治家は、国民負担を強いるばかりで一向にデフレを解消しようとはしない。できないといった方がいいだろう。なぜなら今までの経済学書には、正しいデフレの解消法が載っていないためだ。
さらにこの4月からの消費税引き上げによりアベノミクスは完全に終わった。普通のデフレ経済が分かっている人なら、消費税は引き上げない。
一刻も早く政策を完全に転換し、消費者への直接投資、国民負担の軽減、預金金利の引き上げを行わなければならない。今の成長戦略などと称する、特別区、や、外国研修生などの期間の延長など、他の日本の企業をブラック化するだけでなんら効果はない。悪影響だけが残ろう。
最も効果のあるデフレ解消策は消費税の引き下げである事は論を待たない。それがインフレスパイラルを引き起こす必須条件であるからだ。
デフレ解消のための根本的政策
1、消費税の引き下げ
2、物納(固定資産税の物納)を幅広く認める。
3、個人預金金利の引き上げ
4、ローン破綻懸念者に対し、国が代わりにローンを支払う。
5、ガソリン税の軽減処置
6、雇用保険の満額支払い、期間の延長
7、子供手当、年金の拡充
など。いずれも国民負担を軽くする方法であり、一見ぬるく思われるかもしれないが、確実にデフレから脱出する方法である。
一言主。
http://www.eonet.ne.jp/~hitokotonusi/
http://blog.so-net.ne.jp/siawaseninarou/
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