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原発ゼロの酷暑の夏 アベノミクスが吹っ飛ぶ大停電パニック
http://wjn.jp/article/detail/2366886/
週刊実話 2014年8月21・28日 合併号
酷暑の夏真っ盛り−−。
大半のエコノミストは「猛暑が続けば涼を求めて個人消費が伸び、経済活動にプラス」と口をそろえる。しかし、約半世紀ぶりで“原発ゼロ”の夏を迎えた今年は全く勝手が違う。電力の供給不足から大停電地獄が現実味を増しているのだ。これで日本列島がパニックに陥れば、企業は電力の安定供給を求めて工場の海外シフトを加速させる。結果、国内産業の空洞化が急速に進み、アベノミクスが崩壊しかねない。
不吉な数字がある。電力需要に対する供給余力(予備率)は最低限3%が必要で、一般には8%程度が適正とされている。ところが現実はお寒い限り。全国10電力のうち、以前から原発がなかった沖縄電力が39.2%、北海道電力が9.2%の供給余力があるのに対し、残る8社は適正水準の8%を割り込んでいる。
とりわけ深刻なのは関西電力と九州電力。非常事態を危惧した経済産業省の強い要請で火力発電所の運転休止期間短縮、自家発電設備を持つ企業からの調達、さらにはユーザーへの節電呼び掛けなどで両社とも8月には辛うじて予備率3%を死守する見通し。実はこれにもトリックがあり、最悪の場合は周波数が違う東京電力からの融通を見込んでいることだ。
その東電にしても予備率は5.5%に過ぎず、緊急融通にどこまで応じられるかとなると心もとない限り。東電からの融通が得られない場合、関電の予備率は1.8%、九電は1.3%と、一気に非常事態に突入する。まさに綱渡りの融通だ。
危険水域にあるのは何も両社だけではない。中部電力3.5%、中国電力と北陸電力がともに4.1%、四国電力4.3%と、これまた赤信号を点滅させている。まだ東北電力は7.5%と比較的余裕があるが、今後の天候次第ではこれだって予断を許さない。
「厄介な問題は他にもある」と東電OBは顔を曇らせる。原発ゼロを受け、各社は運転開始から40年以上経過するなど老朽化した火力発電所をフル稼働させている。老骨にムチとはこのことで、そのため各地で火力発電所のトラブルが相次いでいる。
もし酷暑で電力消費が急激に増え、そこへ火力発電所のトラブル続出が重なれば大規模な停電パニックは避けられない。だからこそ前出の東電OBは「予備率3%と言ってもピンとこないでしょうが、一般的には火力発電所1基分の50万kwに相当する。老朽化した発電所のトラブルに酷暑の追い打ちがあれば、3%ぐらいアッと言う間に割り込む。もし東電に停電が相次げば関西や九州へ融通できなくなり、パニックの連鎖を招く」と警告する。
悩ましいのは日本列島に深刻な停電リスクが付きまとう中、原発を火力で代替すれば電気料金が高騰することだ。ただでさえ日本は燃料のほぼ全てを海外からの輸入に頼っており、足元を見透かした石油メジャーが“ジャパン・プレミアム”と呼ばれる価格つり上げに走っている。これを嫌った一部の大手企業は工場の海外移転を進めてきたが、そこへ新たに大型停電ラッシュが加わるのだ。電力の安定供給と安い人件費を求めて大企業の“日本脱出”に弾みがつくのは明らかである。
「そうなれば、確実にステップアップしたかに見えるアベノミクスは一転して崩壊に突き進み、来年10月に掲げる消費税率10%への引き上げは絵に描いたモチになる。これぞ安倍政権が最も恐れるシナリオです。口さがない向きは『いまや安倍首相の周辺は雨乞いならぬ“冷夏という神風”乞いの心境ではないか』と囁き合っていますよ」(永田町関係者)
無理もない。政府の本音は原発を早急に稼働させることだが、これには世論の反発が怖い。だからといって、いつ大事故に直結するかも知れないポンコツ火力発電に頼っていたのでは先行きが思いやられる。結果、大企業は日本脱出にかじを切る。
東南アジアは日本に比べて人件費が安いことも、これを後押しする。巨大なピラミッドの頂点に立つ大企業が決断すれば、子会社や下請けが追随する。これが国内産業の空洞化を招く構造だ。
「そんな事態の到来を危惧しているからこそ、経済産業省は中部電力から以西の各社に予備力の積み増しを要請し、各社が企業努力をアピールしたのです。だけど旧盆の連休が明けて工場がフル稼働し、高校野球が終盤に入ったころに記録的猛暑に見舞われたらどうなるか。電力各社はもちろん、安倍首相周辺は考えただけで生きた心地がしないはずで、真夏の怪談よりも怖いでしょう」(経済記者)
そんな胸中をあざ笑うかのように、日本列島は空前の炎熱地獄に燃え上がり、電力需要はピークアウト寸前だ。
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