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http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20140814/dms1408140830008-n1.htm
2014.08.14 「日本」の解き方
夏休みで帰省している人も多い時期だが、いま「ふるさと納税」が人気となり、政府は2015年度から寄付の上限額拡大を検討していると報じられている。
ふるさと納税制度は、今から7年前の第1次安倍晋三政権の時、当時の菅義偉総務相の発案で導入されたもので、私も創設に深く関わった。
基本的には、自分で選んだ自治体に寄付すると、払った住民税の1割までを税額控除する。要するに、払った住民税の1割までについて、自らで使う先(自治体)を選ぶことができる仕組みだ。寄付金は所得税の所得控除も受けられるので、所得税も少しは戻ってくる。
所得税は所得控除、住民税は税額控除と控除の種類が違っているのが特徴だ。
単純化した例であるが、所得税率が10%として、100万円の所得であれば、所得税は10万円になる。ここで5万円寄付すると、所得控除によって課税所得が95万円になるので、所得税は9・5万円となる。寄付金が5万円なので、実質14・5万円の負担になる。
一方、住民税を10万円とすると、税額控除によって寄付金5万円分が控除されて住民税は5万円となる。寄付金5万円とあわせて、実質負担は10万円のままだ。
これでわかるように、税額控除と所得控除は、戻ってくる金額がまったく違う。どうして、所得税と住民税とで差がついたのかといえば、地方税である住民税は、菅氏の所管だったので税額控除にできたが、国税の所得税については所管する財務省が反対したからだ。
税額控除の仕組みは、寄付金と合わせれば、事実上、税の使い方を国民が選ぶことができる。これは、政府(官僚)が税で徴収して政府(官僚)が配分するのが公正であるという官僚の考え方とはまったく反している。だから、ふるさと納税に官僚が反対したのだ。
ふるさと納税は、このように官僚の反対を押し切って発足したので、当初はかなり誤解されていた。役人の情報だけで記事を書くマスコミが、正確に書かなかったためだ。
しかし、東日本大震災で、被災地に寄付希望が増え、寄付した上に税金が少なくなるというふるさと納税が脚光を浴びた。自分の好きな自治体に納税できることに加え、寄付を受ける自治体でも各種の恩典を出すことで、いい意味での寄付金獲得競争になっている。
自治体では、寄付者にご当地の特産物を送るなどして、地元のアピールに余念がない。どこの自治体に寄付すると、何がもらえるかは、インターネットで探すことができる。
ふるさと納税の拡大はいいことだ。この仕組みは、官僚が税金で集めて官僚が配分するというシステムから官僚の中抜きができる。
官僚は今のシステムでも恣意(しい)的に税金が使われないというが、実際には天下り団体が作られ、税金がムダ使いされてきた。ふるさと納税の仕組みで、寄付先を地方自治体から独立行政法人、公益法人、福祉法人などとすれば、官僚を中抜きした、国民が主役の新しい資金配分の仕組みを作ることができる。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)
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