★阿修羅♪ > 経世済民89 > 724.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
キリンに異変、なぜ首位陥落で独り負け?販促&商品戦略不発、市場変化に対応遅れる(Business Journal)
http://www.asyura2.com/14/hasan89/msg/724.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 8 月 14 日 07:55:05: igsppGRN/E9PQ
 

キリンに異変、なぜ首位陥落で独り負け?販促&商品戦略不発、市場変化に対応遅れる
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140814-00010002-bjournal-bus_all
Business Journal 8月14日(木)3時0分配信


 ビール業界で大きな異変が起きている。売り上げ規模において「不動のトップ」だったキリンホールディングス(キリン)が陥落。その座をかつては「業界万年4位」といわれていたサントリーホールディングス(サントリー)に明け渡したのだ。

 8月6日に出揃ったビール大手4社の2014年6月中間連結決算によると、キリンは売上高が前期比3.6%減の1兆563億円、営業利益が同16.8%減の503億円、最終利益が同76.5%減の140億円だった。一方、サントリーは売上高が同18.0%増の1兆1089億円、営業利益が32.2%増の644億円、最終利益が41.8%減の172億円だった。売上高、営業利益、最終利益のいずれもサントリーがキリンを上回ったのだ。14年通期でも、この位置関係は変わらないと見込まれている。

 それだけではない。キリンは大手4社で唯一の減収・営業減益の独り負けだった。主力のビール事業不振が原因だ。

 キリンの三宅占二社長は、中間決算発表の席上で「ビールの売り上げが落ちたのは大問題。下期は販促策の強化で劣勢を挽回する。それにしても第1四半期は業績が良かったのに」と釈明をした。確かに第1四半期の業績は好調だった。消費税増税前の駆け込み需要を取り込み、ビール類(ビール、発泡酒、第三のビール)販売数量は39万7000キロリットルで、前期比6.2%の増加。だが、この傾向は他社も同じ。キリンの独り負けは戦略ミスから生まれたとみられる。

●販促戦略で誤算

 増税後、支出を一層引き締めた消費者に対し、競合他社が次々と新商品投入やさまざまな販促キャンペーンで需要を促して「増税対策」を必死で展開したのに対し、同社だけはそれらしい増税対策をしなかった。サントリー関係者は「我々が額に汗を浮かべてどぶ板を踏んでいる姿を横目に、キリンの営業担当者は悠然と構えていた」と振り返る。その結果、増税後の競争で後れをとり、今年1-6月の上期全体で見ると販売数量が前期比6.6%の減少になってしまった。

 キリンが「悠然と構えていた」のには理由があった。それは6-7月に開催されたサッカー 2014 FIFAワールドカップ(W杯)ブラジル大会だった。電通と共にサッカー日本代表の公式スポンサーになっているキリンは、今年の販促の重点をこのブラジル大会に置いていた。大会が間近に迫った5月からは日本代表応援の気運が盛り上がり、キリンはそれに向けてW杯にちなんだテレビCMを集中的に放送。だが、露出期間は長続きしなかった。日本代表チームは6月25日のコロンビア戦で敗戦し、早々に予選リーグ敗退を喫したからだ。

 さらに、日本代表チームが出場する試合に限らず、時差の関係で早朝開始の試合が多かったため、サッカーファンは「仲間とビールを飲んで盛り上がりる」機会も少なかった。かくしてキリンの販促シナリオは不発に終わった。

●ロングセラー商品が販売数量大幅減

 加えて2つの戦略ミスが重なったと、ビール業界関係者は次のように説明する。

 1つ目のミスは、増税後の家庭向け需要対策。同社の販売数量に占める発泡酒と第三のビールの比率は65%。例えばアサヒグループホールディングス(アサヒ)の約35%と比べると倍近い高さだ。しかも、その90%以上を家庭向けが占めている。増税後の駆け込み重要の反動減は、飲食店など法人向けよりも家庭向けのほうが大きく、その影響を受けて販売数量が他社よりも落ち込んだ。増税後、競合他社が大規模な家庭向け販促キャンペーンをこぞって展開したのに対し、キリンはW杯関連以外で目立った販促キャンペーンを行わなかった。

 2つ目のミスは、商品戦略。同社は今年を「選択と集中の1年」と定め、「まずは中核のビール販売を立て直す」(事業会社キリンの磯崎功典社長)として今年上期は主力商品「一番搾り」の重点的販促に努めた。その結果、一番搾りの販売数量は前期比約5%の伸びを見せた。6月11日には「一番搾りプレミアム」も投入した。

 その割を食ったのが他のブランドだった。ロングセラーで固定ファンも多いビール「ラガービール」や発泡酒「淡麗<生>」は販促予算を削られたこともあり、販売数量が前期比約10%も減少した。

 対して、競合他社は5月以降に新商品を軒並み投入。これらにシェアを奪われる形となった。その結果、上期全体では重点的販促品と定めた一番搾りが前期比0.4%減少したのみならず、一番搾りと並ぶ主力ブランドの「淡麗グリーンラベル」(発泡酒)、「のどごし<生>」(第三のビール)も前期比マイナスになった。

●崩れる競争優位

 キリンは販促の空回りと戦略ミスで、サントリーに首位の座を奪われたのみならず、国内ビール類市場のシェアでもアサヒ38.1%に対してキリン33.1%となり、その差は前期比の2.1ポイントから5.0ポイントに拡大した。キリンはなぜ迷走したのか。

 ビール業界担当の証券アナリストは「業界最強といわれるビジネスモデルが老朽化してきた」と指摘する。つまり、同社の強みはビール、発泡酒、第三のビールの絶妙なバランスにあったが、それが市場の変化で弱みに変じた。例えば、分野別シェアではシェアトップの淡麗<生>を擁する発泡酒は、市場自体が縮小している。

 また、市場成長が続いている第三のビールでは豆類を主原料にしたのどごし<生>が健闘していた。ところが、当初は主流だったこうした「豆系」が廃れ、近年は麦類を主原料にした「金麦」(サントリー)、「クリアアサヒ」(アサヒ)、「麦とホップ」(サッポロホールディングス)などの「麦系」が主流になり、キリンの競争優位が崩れてきたのだ。

 さらに、中核のビール分野でも「プレミアムビール戦争」が本格化する中、キリンだけが蚊帳の外に置かれている。それは、同社が一番搾りを「プレミアムな製法のビール」と位置付け、プレミアムビール戦争勃発後も同社がことあるごとに「一番搾りそのものがプレミアムビール」と強調し、ビールの主戦場に背を向けてきた結果だ。

 要するに、一番搾りへの自信とこだわりが、キリン劣勢の原因となったのだ。業界関係者によると、今年上期のプレミアムビール市場は前期比約20%伸びたが、同社はこの恩恵を受けられなかった。

 キリンは「分野別主力3ブランドのさらなる販促強化で、捲土重来を期す」と、今後も従来の戦略を修正する考えはないようだが、果たしてキリンは劣勢を挽回することができるのか。その評価は今年通期決算で早くも下される。

福井晋/フリーライター


 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

フォローアップ:

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。) ★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
  削除対象コメントを見つけたら「管理人に報告する?」をクリックお願いします。24時間程度で確認し違反が確認できたものは全て削除します。 最新投稿・コメント全文リスト

▲上へ      ★阿修羅♪ > 経世済民89掲示板 次へ  前へ

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
経世済民89掲示板  
次へ