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4−6月期GDPについて
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52626371.html
2014年08月13日 在野のアナリスト
4-6月期GDP速報値が内閣府から発表され、実質で前期比1.7%減、年率では6.8%減と大幅な落ちこみになりました。しかし市場予想7.0〜7.4%減ほどではなく、市場は消化不足です。中身をみるとかなり悪く、個人消費が5.0%減、民間住宅が10.3%減、民間企業設備が2.5%減と、実質でいずれも軒並み崩れました。一方で在庫が1.0%増と、生産調整にも関わらず在庫が積み上がるのは、将来の成長を先食いした懸念もあって、これは7-9月期も緩慢な回復になる恐れがあります。
下支えしたのは政府支出が0.4%増、後は外需ですが、輸出は0.4%減、輸入は5.6%減、と輸入が大きく減ったためにプラスになっています。GDPデフレーターは2.0%上昇と、増税の影響をのぞくと1%近く上昇しているにも関わらず、これだけ消費が減退している。これは悪いインフレが起こっていることが、数値の上からも鮮明なのであり、日本は未曾有の危機にあると言えます。
しかも注目すべきは、前期の経常収支が赤字になったように、実は外需が寄与したといっても日本が稼ぐ力は大きく失っていることです。それを示す国民総所得(GNI)は実質で前期比1.3%減、年率で5.2%減。国として稼げていないことは、実質の雇用者報酬にも現れており、実質で前期比1.8%減。前年同期比でみても2.2%減。これではどうやっても消費が伸びる見込みがありません。
日経などは、ここに来て猛暑関連消費などを盛り上げようとしていますが、台風11号通過後に、急に冷夏となった。バツが悪いことこの上ありません。確かに7月は回復傾向もありましたが、これは一時金の影響とみられ、8月は再び悪化する恐れもある。実はそれを示す指標が、内閣府から発表されています。消費動向調査ですが、7月の消費者態度指数が0.4pt上昇の41.5。実はこの数字、安倍政権になってから一貫してトレンドは景気の動向と逆。4月まではずっと下向きで、5月から上向きのトレンドが変わっていない。つまり、本来は逆であるはずの、トレンドと景気動向は一致していなければならないはずが、そうなっていないことで回復は緩慢、と示唆されるのです。
内閣府内で「東日本大震災越えはマズイ」として、6.8%減(震災後は6.9%減)となった、そんな噂もあります。改定値でどこまで変わるのか? その頃には7-9月期GDPが注目され、話題にも上らないかもしれませんが、改定値で大きく引き下げ、7-9月期の反動増を大きく見せかけるのでは? とも囁かれ、安倍政権のやることですから、予断を許さないといった声も聞かれます。
甘利経再担当相は、例のしたり顔で「想定の範囲内」と述べていますが、自分たちが「想定する範囲」に収めたのでは? 中には年率10%近い減少となるのでは、ともされていました。ただし、景気の落ちこみは増税先送り、日銀の追加緩和で、市場にはポジティブとされるなど、いわゆるネガポジと呼ばれるもので、決して好ましいものではありません。そのネガポジさえ消した、政府にとって市場予想を上回ったのに、株価が反応しなかったのは想定外だったかもしれません。
今の市場は日米の先物買いの側面があり、上昇しているように見えますが、すでに市場は夏休みモードで、突出して新興市場のスマホ関連株の売買が膨らむなど、異常な状況がつづいています。安倍ノミクスとは、昨年の好調も駆け込み需要ですべて説明がつく、そんなGDPの結果です。それを「想定の範囲内」というなら、安倍ノミクスが虚構だった、と自ら認めるようなものなのでしょうね。
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