01. 2014年8月06日 10:45:47
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元々、供給過剰で、長期低落傾向にあったが、最近は、景気が転換局面にありしかも増税の反動も出たのだから、急落も当然だろう http://blog.goo.ne.jp/pineapplehank/e/8e49354d0a80a474a8a2393461ad2ce2 日経新聞 2014年8月4日(月) P.16 景気指標面 連載コラム『景気指標』=編集委員 太田康夫= 『急落した住宅価格』 住宅価格が急落している。 国際基準に基づく不動産価格指数(2008年度平均=100)は4月に89.9と前年同月比4・。1%下がった。 資産デフレの根強さが浮き彫りになった。 米住宅危機を受け主要20ヵ国(G20)は共通基準で住宅動向を把握することで合意。 日本も12年から指数を試験的に算出、前月比など短い時間幅で価格がつかみやすくなっている。 4月の指数は前月比では7.8%も下がった。 例年、年度末明けは住宅価格が下がりやすく、今年は消費税率の引き上げも響いたとみられるが、4月の水準としていは統計がある08年以降で最低だ。 今後下落幅が縮小する可能性もなくはないが、金融面からは住宅需要の弱さが続いていることがうかがえる。 日銀の主要銀行貸出動向アンケート調査では7月の住宅ローンの資金需要判断指数はマイナス17と2000年の調査開始以降で最低だった。 住宅価格が軟調な背景には少子高齢化がある。 団塊ジュニアの住宅購入ピークは過ぎたとみられ、今後、需要が細る公算が大きい。 総住宅の13.5%に上る空き家も、住宅価格の上昇を抑える要因となりそうだ。 所得環境も効いている。 5月の現金給与総額は前年同月比0.6%増と消費者物価上昇率を下回っており、住宅意欲が高まりにくい状況だ。 現在、政府・日銀は実質短期金利をほぼ40年ぶりのマイナス水準に誘導し、住宅購入などを促している。 20年の東京五輪に向けたインフラ整備にも力を入れている。 このため東京ではマンション需要が喚起され、4月の東京のマンションの価格指数は前月比でも下がらなかった。 住宅は目先の値上がり期待だけでなく、居住を前提に長期計画で購入しようとする人も多い。 そうした人たちには五輪後が視野に入り、人口減少の加速やインフラ整備に伴い拡大財政のツケがちらつき始めている。 五輪を越えても成長が続く姿が見せられないと、資産デフレの解消は難しいだろう。 http://blog.goo.ne.jp/pineapplehank/e/f5676cd76568b82d7b227aac3dc480ad?fm=entry_awp 日経新聞 2014年8月4日(月) P.31 地域総合面 連載『時流地流』=空き家の活用に知恵を=
最近、街を歩いていても人の気配がしない放置された家がどんどん増えていると感じていたからやはり、ということだろう。 総務省の調査によると、空き家の戸数が2013年10月時点で820万戸に上り、5年間で63万戸も増えたそうだ。 7,8軒に1軒は人が住んでいない計算になる。 ▲空き家問題で話題になるのが住宅税制の不備だ。 住宅が建っている宅地の固定資産税は特例で軽減されているが、更地(さらち)にすると特例措置が切れ、税負担が増す。 それが空き家の放置につながる。 だから更地にしても軽減措置を続けるべきだというのだが、人が住んでいないのに優遇するのはおかしいという声もある。 ▲都市部でよく目にする建物も敷地も狭い老朽化した物件は税制を変えてでも早期に撤去した方がいいが、地方では壊すのはもったいないと感じる物件が少なくない。 いわゆる古民家だ。 古民家を地域のひとつの資源ととらえて、ユニークな取り組みをしているNPO法人がある。 岐阜県恵那市の「奥矢作森林塾」だ。 ▲森林塾は09年度から1泊2日・全10回の古民家リフォーム塾を定期的に企画し、大工道具の使い方から囲炉裏(いろり)づくり、山水の引き方まで指導している(=公共の水道設備はない。谷川の水を自分で家まで引き込むパイプラインの敷設指導)。 面白いのは移住者が今後暮らす予定の空き家を塾生の実地研修の場にしている点だ。 移住者からみれば材料代を除けば事実上、無料で古民家を再生できる。 すでに移住者は約10世帯に上る。 ▲NPO理事長の大島光利さんによると「物件さえ確保できれば、移住を希望する人はいくらでもいる」のだそうだ。 ただし、空き家を所有者から譲り受けるのは大変らしい。 「親が暮らしていた家だから手放したくない」などという心理的な抵抗感が強いのだろう。 ▲耕作放棄地の増加が止まらない背景も同じかもしれない。 もう農作業はつらいけれど、先祖代々の土地を他人に渡すのは忍びないということだ。 そんな気持ちも分からないではないが、大切なのはそこで人が暮らし、土地を使うことだ。 空き家の活用にもっと知恵を絞りたい。 (谷隆徳記者) http://blog.goo.ne.jp/pineapplehank/e/4ddd027efabbd170b1dcc1a65c65b593 日経新聞 2014年7月18日(金) P.1 特集連載『規制 岩盤を崩す』=競争力そぐ足かせ C=
『空き家放置が合理的』=新築優遇 人口減で裏目= 5月29日、東京都大田区の木造2階建ての古いアパートの前に人だかりができた。 「代執行を開始」。 大田区建築調整課の中山順博課長(61)が宣言すると、アパートを取り壊す作業員らが敷地に入った。 『固定資産税1/6』 築46年の大和荘。 10年以上前から誰も住まず、はがれ落ちた屋根板が隣家の庭に落ちるなどの被害が出ていた。 再三、持ち主に対処を決めた区は結局、持ち主の同意を得ずに解体する強権発動に踏み切った。 隣に住む永田仁志さん(66)は「やっと安心して暮らせる」と胸をなで下ろす。 朽ち果てたアパートをなぜ放っておいたのか。 東京都板橋区に住む持ち主の男性(94)に聞くと意外な答えが返ってきた。 「取り壊して更地(さらち)にすると土地の固定資産税が跳ね上がるから」 固定資産税には、住宅が立っている土地の税額を本来の6分の1に抑える優遇措置がある。 大和荘の約150平方メートルの土地にかかる固定資産税は今年度まで約8万円だったが、更地になる来年度からは優遇が減って約30万円になる。 税の優遇措置が始まったのは高度成長期の1973年。 人口増に住宅の供給が追い付かず、農地などの宅地化を進める目的で取り入れた。 それが「いまでは空き家を撤去せずに放っておく誘因になってしまった」(富士通総研の米山秀隆上席主任研究員)。 税は規制ではないが、実情に追わないと市場をゆがめるのは規制と同じだ。 2008年の空き家は757万戸、住宅全体の13%を占めた。 まだ住める空き家を活用する時も手数料の規定が足かせになる。 「売れるか分かりませんねぇ」。
福岡県のある不動産会社社長は昨秋、空き家になった築40年の実家を売りたいという50代の女性の相談をやんわり断った。 「仮に売れても100万円台。 仲介手数料が安すぎて、広告費や人件費を考えると商売にならない」 宅地建物取引業法に基づく仲介手数料の規定は70年の施行以来、変わっていない。 物件価格が400万円超だと3%プラス6万円なので500万円の新築物件なら21万円。 200万円以下は5%なので100万円の空き家は5万円だけ。 なぜ見直さないのか。 国土交通省の担当者は「消費者保護の規定を上げるには慎重になる」と言うが、売れなくて困るのも消費者だ。 『国は撤去を支援』 建物の固定資産税を3年間半減するのも新築のみ。 住宅ローン減税も古い中古住宅には使えない。 政府は成長戦略に中古住宅の市場規模を20年までに倍増する目標を掲げるが、実際は優遇税制で新築を大量供給。 中古の空き家の増加に拍車をかけている。 新築優遇策の旗を振ってきた国土交通省。 08年度からは空き家の撤去に補助金を出している。 一方で地方税の固定資産税は空き家を撤去せずに放っておいた方が得になる制度のまま。 自治体が空き家を放置するよう税で促した後、国が補助金で撤去を支援する構図だ。 国交省の担当者は「矛盾と言われても仕方ない」と後ろめたそうに話す。 時代遅れになった税や規制。 早く改めないとツケは重くなる。 (関連記事を電子版に▲Web刊→紙面連動)
=山田宏逸記者、藤川衛記者、江渕智弘記者、飛田臨太郎記者が担当しました= ●関連日経記事:2013年8月22日グー・ブログ「同上」投稿記事参照 『日経新聞 インターネット「限界集落、人材交流の場」=徳島県・神山町=』(2013年8月16日付)
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