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米国バブルの延命
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黄金の日日
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メディアでは金融関係者やエコノミストはアメリカ経済が「堅調」だと言っています。
(さすがにシェール革命でアメリカ経済は絶好調!とかいう恥ずかしいことをいう人は減ってきましたが)
これはいわゆる「高貴な嘘」ですが、日本では専門家と吹聴していながら本気でそう思っている人も結構いそうです。
これまでも、アメリカの潜在成長率が低下していることは公然の事実でした。
サマーズの長期停滞論も今更感がありました。
サマーズの見解が注目を集めたのは、もともとサマーズがユダヤ資本家側の人間だったからです。彼は元財務長官であり、強いアメリカのデマゴーグでした。
FRBの議長になれなかったことで、リップサービスを使う必要がなくなったのかもしれませんし、ちょっとしたリベンジかもしれません。
ユダヤ資本家は戦争でも双方に資金援助してどっちが勝ってもいい戦略をとってきました。ナチスに資金支援していましたし、最近ではイラクの政府軍、ISIS双方に資金援助しています。
金融史上でも、景気が加速して金利が上がるとするGSなどのブル派と、長期停滞で低金利状況が続くとするベア派、どっちのシナリオでも対応できるように両備えで相場を張っているのかもしれません。
アメリカの潜在成長率の低下を補っているのがバブル経済です。
このバブル経済のためには低い金利が必要です。
企業は低金利で社債を発行して資金を調達して、それで自社株買いをしています。自社株買いは株価を釣り上げるだけなくEPSをあげます。
景気が悪いためアメリカ企業の売り上げはほとんど上がりませんが、株主はEPSの上昇を求めるので自社株買いを乱発し従業員をリストラし、設備投資を控えるCEOを好みます。
各企業がEPSを追求することで、合成の誤謬でアメリカ全体の景気は悪くります。また、その企業自身も結局、持続的かつ長期的な利益を失います。
もっとも、CEOは巨額の報酬を得られればすぐ会社辞めますし、株主も入れ替わりが激しいので刹那の利益を求るだけです。先のことや他人のことなど知ったことではありません。
そうやって株価は上がっていきますが、国全体の経済が弱っていきます。
株価上昇に伴う資産効果による消費増のトリクルダウン効果は限定的で、結局タックスヘブンの口座残高を増やしているだけです。
低金利で不労所得が減少した資本家は利回りを求めてジャンク債に手を出します。株よりはまだリスクが低いからです。そうやってろくでもない会社のEPSが上がっていきます。
金利低下で利潤が得られなくなった銀行も信用リスクをとるようになります。住宅ローンはサブプライムバブル崩壊後、融資が難しくなったので、そのかわりに、サブプライム層向けの自動車ローンを増やしています。
住宅バブル崩壊で痛い目をみたサブプライム層ですが、今度は景気がよくなっているというプロパガンダに乗せられて、彼ら好みのごっついアメ車をローンで買っています。融資条件はかなり甘くなっています。
また、銀行の代わりに政府がサブプライム層に住宅ローンを提供しています。
かれらの賃金は増加していません。またしても、将来不良債権が大量に発生しそうです。
これらのバブルはすべて金利が低くなければ維持できません。
FRBは直接的には長期金利はコントロールできませんが、いろいろな方法で金融抑圧をかけてきます。
ドッド・フランク法、ボルカー・ルールなどの金融規制によって自己資本率を厳しくしたり、銀行の自己売買を制限したりすることなどで、銀行のリスクテイクを抑えて、国債を買わざるを得ないように追い込むこともできます。
そして、中国が最終的にアメリカのバブル崩壊のハードランディングを和らげようとするでしょう。アメリカがバブル崩壊すると中国もその余波は免れません。財政余力のある中国と違い今のアメリカにはバブル崩壊に対する耐性がほとんど残っていません。クラッシュすれば、中国経済も大ダメージを受けます。せめて、都市化が完了するまでの猶予期間はアメリカに金を貸し付けて贅沢三昧の消費をさせておきたいところです。
QE3終了後もベルギーをかましてFRBの米国債買いは続くと思います。中国も米国債の買いをじょじょ減らしながらも、危なくなったところでは買い支えてくると思います。もちろん、アメリカとの政治的駆け引きにも使います。
中国は中央銀行が直接保有しない方法などを利用してここ数年、IMFに外貨準備の公的金保有量を報告していません。米国債の保有量も今後はベルギー経由などでその数字を明らかにしない戦略をとってくると思います。
余りまくった外貨準備のドルを米国内の不動産などの実物資産やユーロ資産、金などに換金するまでにはまだ時間がかかります。交換を急ぐと、ドルが暴落してドル建て資産の価格が暴騰してしまう危険があります。そうなると、交換比率が悪くなり大損失です。
ドル暴落に備える価値保存の方法としては、腐敗しない銅などのメタルは貯めこむことなどが考えられますが、穀物や原油は保存期間に限界があります。また国民には金を買うことを推奨していますが、まだまだ十分な量を買い備えることができていない状況です。
米国債の長期金利は、FRBがコントロールを失った後も中国がある程度コントロールできると思います。
どっちにしろ、米国債長期金利は、横ばいか少しずつ下がり続けるシナリオはあってもジリジリ上げていくことはないと思います。インフレ率が上がらず、債務の実質的負担が減らない以上、金利が上昇すれば膨大な債務を抱えるアメメリカは耐え切れません。そこで、利用価値のあるうちは中国がアメリカを延命させるために金利を低く保つことが予想されます。
しかし、アメリカと違って中国には日本を助けるメリットはあまりありません。
IMFでも日本のような経済規模の国は助けることができません。ユーロ圏のようにドイツが助けてくれるわけでもありません。
結局は増税による自助解決しかありません。インフレで債務を目減りをさせる方法では国債の金利は低く抑圧することができても円暴落のハードランディングの危険があります。
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