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何がバブルで、何がバブルでないのか?(1)(2)  (闇株新聞)
http://www.asyura2.com/14/hasan89/msg/573.html
投稿者 五月晴郎 日時 2014 年 8 月 05 日 03:50:39: ulZUCBWYQe7Lk
 

http://yamikabu.blog136.fc2.com/blog-entry-1183.html
http://yamikabu.blog136.fc2.com/blog-entry-1184.html

 日本だけではなく世界を見回して、何がバブルで、何がバブルでないのかを直感的に振り分けてみましょう。

 まず真っ先にバブルだと考えられている日本の国債(長期国債)はどうでしょう?

 本日(7月29日)の10年国債利回りは0.52%しかありません。本年初めは0.74%だったので、かなりの低下です。

 6月の消費者物価指数(総合)は前年同月比で3.6%上昇しています。消費増税分を除いても(これもおかしいのですが)1.6%の上昇です。黒田日銀総裁は来年中には2%の物価上昇目標を達成すると自信たっぷりです。

 そのなかで10年国債利回りが0.52%ということは、実質利回りがマイナス1%をこえていて、消費増税分を含めるとマイナス3%にもなります。つまり10年国債を保有すると毎年1%(あるいは3%)ずつ損をしていることになります。

 そりゃ日銀が「異次元」に国債を買い入れているからだろう?思われますが、長期国債の利回りは需給関係より「近い将来の日本経済」を反映するものです。つまり現在の10年国債利回りは、近い将来の日本経済の状況が「思わしくない」ことを示唆しており、バブルではありません。

 以下、世界各国の10年国債利回りを並べます。単に「国債」と書きますが「長期国債」のことです。

 2.50%の米国債も、1.12%のドイツ国債もバブルではありません。近い将来の経済状況を示唆しているだけです。

 一方で、2.63%のイタリア国債、2.46%の(米国債よりも利回りが低い!)スペイン国債、3.58%のポルトガル国債、5.76%のギリシャ国債などは「りっぱな」バブルです。

 これらの国債だけでなく、新興国全般の国債や世界の低格付け社債なども「りっぱな」バブルです。明らかにリスクに見合う「上乗せ金利」が不十分なところまで買い上げられているからです。大変に「危険」にみえます。

 バブルの低利回りを前提としたこれらの国の株式市場もバブルの恐れがあります。

 それでは、日本や米国やドイツの株式市場はバブルでしょうか? これはそれぞれの利回り水準から考えると「まだまだ割安」となります。

 しかし全般的に収益予想の方がバブルのような気がします。特に日本では発表され始めた4〜6月期の収益が、総じて伸び悩みや減益が目立ちます。この収益予想バブルが弾けると調整となりますが、もう少し決算結果をみる必要があります。

 これはあくまでも上場している「一部の選ばれた優良企業の決算」のことで、日本経済全般(たぶん急激に落ち込むと予想します)とはあまり関係がありません。

 米国株でもドイツ株でも基本的に同じ構造です。

 日本の都市部の不動産も、現在の収益利回りを維持できるのであれば、長期国債の利回り水準から考えて「まだまだ割安」となります。

 じゃあ中国不動産こそバブルだろう?

 そうかもしれませんが、中国政府が経済成長を7%台半ばに設定し(実際の成長率は誰もわかりません)、市中への資金供給を緩めに維持している限りは(維持するはずです)、バブルでも簡単に弾けません。

 それでは本誌が考える「世界で最も弾けそうなバブル」は何でしょう?

 それは航空機です。

 スカイマークがエアバスの大型機6機を1900億円以上で発注しており、資金繰りがつかずにキャンセルとなり莫大な違約金を請求されそうですが、世界の航空機市場ではドバイのエミレーツ航空が200機もの中・大型機を990億ドル(10兆円)で発注しており、同じ中東のカタール航空やエティハド航空(アブダビ)も負けずに大型発注を行っています。

 これだけではありませんが、どう考えてみても世界の航空機市場は「今にも弾けそうなバブル」と感じます。

 *

 昨日付け「同題」の記事にコメントをいただきましたので、もう少し続けます。

 記事の中では、国債の価格が極端に上昇する(利回りが極端に下落する)状態をバブルと呼んだのですが、株式や不動産をバブルと呼ぶことに比べてやや違和感があったかもしれません。

 株式や不動産をリスク商品、国債を安全商品と区別しているからですが、国債でも残存年数が長い「長期国債」は立派なリスク商品であり、そのリスクに見合った「上乗せ金利」が極端に縮小すれば(要するに長期国債の利回りが極端に低下するということですが)、やはりバブルとなります。

 同じようにリスク商品である社債や新興国の国債などは、発行体の信用状況に応じた「上乗せ金利」が極端に縮小すれば、やはりバブルとなります。

 あくまでも投資リスクがなく純粋な安全商品は現金だけで、それに預金や短期金融商品(例えばMMF)や残存年数が短い国債なども含まれます。現在では残存年数が3年くらいまでの国債も安全商品と見なされていますが、10年以上の国債は決して安全商品ではありません。

 現在の債券市場の最大の問題は、この「長い残存年数に応じた上乗せ金利」と、社債や新興国の国債など「発行体の信用状況に応じた上乗せ金利」が極端に縮小していることで、やはり立派なバブルとなります。

 コメントをいただいていますが、じゃあJ-REITはどう考えればよいのでしょう? 

まずJ-REITは(他国のREITも同じですが)、国債や社債のような純粋な金利商品ではありません。あくまでも外部負債でレバレッジをかけて不動産で運用する投資信託で、金利裁定が働きません。つまり配当が高いJ-REITが「割安」とは限らず、長期的に修正されるとも限りません。

 だいたいレバレッジの掛け方によって表面的な配当はいくらでも高く設定でき、あくまでも組み入れ不動産の収益力など「運用の稚拙」が問われます。つまりJ-REITを利回りで比較することは「間違い」なのです。

 日本の長期国債に話を戻しますが、株式や不動産や海外投資や貸付などのリスクがとれない資金が、大挙して長期国債に向かっているというのも「違和感」のある説明です。「長期国債」つまり残存年数という立派なリスクを取っているからです。

 じゃあこのバブルはいずれ弾けて、長期国債利回りは急上昇するのでしょうか?

 よく日銀が「異次元」に長期国債をも買い入れているので利回りが急低下しているといわれます。しかしいくら日銀が「異次元」に買い入れても、市場が近い将来に貸し出しなどの資金需要が増加すると考えていれば、極端な低利回りが持続するはずがなく、さらに低下することは「もっと」ありません。

 つまり長期国債の利回りが最近のようにさらに低下を続けている理由は、日銀が「異次元」に買い入れているからではなく(昨年4月からほとんど同じペースで買い入れているので新たに利回りを低下させる効果はないはずです)、市場の日本経済に対する見通しが「悪化」していることに外なりません。

 米国でも資産買入れ(QE3)が本年1月から縮小されていますが、米国10年国債利回りは年初の3%から、直近では2.5%まで低下しています。それだけQE3縮小(本年10月に終了)の影響で、米国経済の見通しが「やや悪化」しているためと考えられます。

 つまり日本の長期国債バブルは、日本経済に対する見通しが「急激かつ劇的に」改善しない限りは弾けません。つまりかなり長期にわたって弾けることはないと考えます。

 じゃあもう1つの社債や新興国の国債などの「発行体の信用状況に応じた上乗せ金利」のバブルはどうでしょう?

 これははっきりと「今にも弾けそうなバブル」で、すぐにでも逃げだすべきと考えます。

 日本企業の発行する社債は、日本経済の見通しが「悪化」している中で「上乗せ金利」が縮小することは、はっきりと矛盾しており、同じように米国経済をはじめとする世界経済の見通しが「悪化」しているとすれば、新興国の国債の「上乗せ金利」が縮小することも、大いに矛盾しているからです。  

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コメント
 
01. 2014年8月05日 09:14:04 : nJF6kGWndY

>日本の長期国債バブルは、日本経済に対する見通しが「急激かつ劇的に」改善しない限りは弾けません。つまりかなり長期にわたって弾けることはない

メインシナリオは、そうだが、短期的な変動もあるし

VIXの低さは、リスクと反比例しているということを忘れない方がいいな


http://diamond.jp/articles/-/57124?page=3 【第326回】 2014年8月4日 広瀬 隆雄
政策金利のベクトルが変わるときは「売り」だ!
【今回のまとめ】
1.米国市場は大幅安した
2.GDPは良かった
3.雇用統計もサプライズなし
4.FRBは今後インフレの兆候を監視する
5.政策金利の方向が変わるときは売り
米国株式市場は大幅安
 先週の米国株式市場は大幅安しました。ダウ工業株価平均指数は−2.75%、S&P500指数は−2.69%、ナスダック総合指数が−2.18%でした。
GDPが良かったので、引締め観測が台頭
 急落の背景には先週発表された第2四半期GDPが+4.0%と強かったことがあります。

 第1四半期のGDPも、これまでの−2.9%から−2.1%に上方修正されました。
雇用統計もしっかり
 先週金曜日に発表された7月の非農業部門雇用者数は20.9万人でした。これはコンセンサス予想よりわずかに低い数字でした。それでも5カ月連続して20万人を上回ったことで、アメリカ経済が安定的に雇用を生み出せるようになっていることが印象付けられました。

 失業率は6.2%でした。

 このため投資家の間には「アメリカ経済は思いのほか強いぞ」という新しい認識が生まれています。
FRBは、もうデフレ・リスクを心配していない
 先週の連邦公開市場委員会(FOMC)では声明文の中からデフレ・リスクという表現が一掃されました。このことは米国連邦準備制度理事会(FRB)が、もはやデフレ・リスクを心配しておらず、逆に今後、インフレが加速する可能性に対して目を光らせ始めたことを示唆しています。
次にFRBがやるべき仕事
 去年5月にバーナンキ前議長が「債券買入れプログラムを縮小しはじめる」とシグナルしました。それ以来、FRBの金利政策は、債券買入れプログラムの縮小だけにフォーカスしてきました。
 この作業は、当初の予定より早く、今年の10月に終了する予定です。
 するとFRBが次にやらないといけないことは、中央銀行の在庫となっている4.1兆ドルの債券類の今後の処分方法に関して、その基本方針を示すことです。下は世界の主要中央銀行の資産を示していますが、米国のFRBは水色です。どんどん資産が増えていますが、その多くが、いま問題にしている量的緩和政策で買い込んだ債券類です。

 もちろん、FRBが保有している債券を全部抱えたままにしておいても、償還が来たものから徐々にキャッシュに変わります。従って、極めてゆっくりしたペースでFRBは在庫を減らしてゆくことが出来るのです。
 ただ、それは現在のような物価が安定した状態が、ずっと続くという理想のシナリオの場合だけにあてはまることで、運悪く物価が上昇しはじめれば、FRBはインフレ退治のために政策金利であるフェデラルファンズ・レートを引き上げはじめないといけません。
 順番としては、フェデラルファンズ・レート引き上げに着手する前に、在庫になっている債券類の処分に関する基本方針を市場に対して示す必要があります。
 幸い、今はアメリカの消費者物価指数が2.1%で推移しており、これはFRBが目標としている2%にほぼ一致しています。つまり慌てる必要は、一切ないのです。
 でも今後は雇用ではなく物価の動向に、より注意を払う必要があります。
FRBは夏に大方針を発表することが多い
 近年、FRBは夏に大方針を発表することが多かったです。もっとピンポイントで言えば、例年8月にワイオミング州で開催されるジャクソンホール・シンポジウムの前後に大方針が打ち出されるのが通例でした。
 すでに債券買入れプログラムの縮小の完了が視野に入っているので、FRBは次の一手を市場に示す必要があります。
政策金利のベクトルが変わるときは、相場は荒れる
 その次の一手とは、在庫にしている債券類を、今後、処分するのか、しないのか? という問題に加えて、一体、いつ頃からフェデラルファンズ・レートの引き上げに着手するのか? という問題です。
 過去、アメリカの株式市場は政策金利のベクトル(方向)が変わるとき、ギクシャクした展開になりました。
 今回の場合、リーマンショック以降、FRBは緩和に次ぐ緩和を繰り返してきました。つまり政策金利のベクトルは「下」だったのです。しかし今日議論してきたことは、それが「上」になるのは何時か? という話です。
次のページ>> 利上げは「しんどい」が、最悪シナリオではない
 政策金利を緩和から引締めに転じるということは、つまりそれだけ景気が良いことを意味します。
 それはこれまで金融相場のストーリーに乗っかって投資してきたのを、業績相場のストーリーに乗っかる投資に置換することに他なりません。
 この気持ちの入れ替えは、しんどい作業であることにはちがいありませんが、「喉元過ぎれば」という類の、一過性のものです。
 本当に怖いのは、インフレの息の根を止めるために、利上げに次ぐ利上げを繰り返し、とうとう経済の息の根まで止めてしまうシナリオです。最近では2007年夏に利下げに転じたエピソードが思い出されます。

 言い換えると、政策金利が「下から上」に変わるとき(=それは今です)は、ようやく景気が立ち直っているときなので、居心地の悪さは一時的だということです。これとは対照的に、政策金利が「上から下」を向き始めた2007年夏の例などでは、大惨事になることもあるということです。
 市場参加者のセンチメントを見ると、リーマンショック以降、かれこれ5年半も「FRBに、おんぶにダッコ」という状態に慣れきってしまった投資家は、まだまだ緊張感が足りません。
 下は投資家の強気(ブル)と弱気(ベア)の状況をグラフ化したものです。

 強気が多いほど、慢心している投資家が多いので危険だという風に解釈します。
 呑気な投資家が多すぎるので、先週の下げで「もう調整は完了。再び買い乗せ出来る」と安心するのは、すこし虫が良すぎる気がします。

 
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