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最近ほとんど取り上げることがなかった野村ホールディングス(以下「野村HD」ですが、2つのニュースがありました。
1つは、本日(7月29日)発表された2014年4〜6月期の純利益が、前年同期比70%減の199億円になったことです。
同期間の収益合計は前年同期比8.5%減の4622億円で、特に株式委託・投資販売手数料が同39%減の963億円、投資銀行業務が22%減の198億円と大きく落ち込む一方で、トレーディング益が23%増の1586億円、アセットマネジメント業務が7.2%増の454億円と好調でした。
同期間の大和証券グループ本社の純利益が40%減の344億円だったので、後塵を拝してしまったことになります。
もう1つは、7月28日にイタリア財務警察が野村HDの1億400万ユーロ(142億円)相当の資産や現金を差し押さえたと発表したことです。
2000年〜2006年のデリバティブ取引でシチリアに1億7500万ユーロの損失を負わせたとされており、当時の従業員ら7名が関与しており、差押えのうち600万ユーロはこれら従業員の個人資産のようです。
時期的にはサブプライムローン問題が顕在化するはるか以前で、またリーマンブラザーズの欧州部門を買収する前でもあり「何でいまごろ問題化したのか?」と疑問に感じます。
未確認ですがマフィアの関与も囁かれており、もっと奥行きがありそうです。
さてこの前に野村HDを取り上げたのは、2013年6月27日付け「野村HDの株主総会資料から」で、当時の株主総会資料のなかから注目すべきところを解説しました。
特にデリバティブ取引全体の想定元本が124兆円あり、うち野村が売り手となるクレジット・デリバティブの想定元本が40兆円など「刺激的」な数字が並んでいたからですが、今年の株主総会資料では「ほとんど」実態がわからない数字が少しだけ並べられているだけでした。
昨年はいろいろと問い合わせがあったので「刺激的」な数字を消してしまったのでしょう。したがってここ1年間でリスクが増えたのか減ったのかがサッパリわかりません。
今年の株主総会資料では、モンテパスキ銀行関連では15億ユーロ(2000億円)の返還を求められているとか、金融危機以前に米国で販売した20億4600万ドル(2080億円)のMBSが不正販売と主張されているなど「他人事」のように書かれているだけです。
特にMBSの不正販売では、JPモルガン・チェースが130億ドル、シティが70億ドルなど巨額罰金の支払いで合意しており、決して「他人事」ではありません。
久々に取り上げた野村HDですが、最悪だった渡部・柴田体制から待望の営業出身の永井体制となって、安心してほとんど注目していませんでした。しかしアベノミクスによる一時的な証券市場の好調さが去ってしまえば、やっぱり多くの問題を抱えたままのような気がしてきました。
そういえば本年4月30日に1億株・取得総額700億円を上限とする自社株買いを発表しており、自己資金が命よりも大切な証券会社が安直な株主対策で自社株買いを行うべきではないと考えたのですが(闇株新聞プレミアムでは取り上げました)、これらを含めてやっぱり「何か大切なもの」が忘れられているような気がしてきました。
やっぱり「注意深く観察しておくべき」野村HDなのかもしれません。
再び本誌に「頻繁に」登場するようになる予感がします。
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