http://www.asyura2.com/14/hasan89/msg/566.html
Tweet |
金投資と金相場ニュースBlog 〜黄金の日日〜
http://onthegoldenhill.blog.fc2.com/blog-entry-586.html
将来的なアメリカの財政破綻は避けられません。
最終的には金利は暴騰しドルは暴落します。
しかし、米国から中国への富の移転にはまだまだ時間がかかります。
その間は中国が適時に買い支えるために、米国債の暴落はないと思われます。ベルギーをわら人形にして大量の米国債の購入をしているのはFRBと中国だと言われています。両者の協定によるQE4といえるかもしれません。
最後の閾値を超えて一気に暴騰するまでは、米国債の金利は今後もズルズルと下げ続けそうです。
資本利潤率が低下していますし、デフレギャップによってインフレ率が上昇しないためです。
需要不足によって資本の実物投資の利潤率が低下していることころに、金融緩和によって資本が大量に供給されています。これによって資産バブルが形成されます。
利回りを求めて、資本家は労せずそのバブルに依存します。実物投資は大変ですし利益が低く、割りが合わないからです。
そのため、実物投資はますます細っていきます。
資本の大半を握る富裕層の消費性向は低いです。彼らの資本の大半は、消費されずに海外のタックヘイブンに貯蓄されたり、再投資に回されたりします。その結果、富裕層の資産は更に大きくなり、資産所有層はますます豊かになり、所得と資産保有の間の格差が広がっていきます。その資産が世襲で受け継がれることで、アメリカや日本を筆頭に所得階層間の移動が減少しています。いわゆる世襲資本主義です。能力や努力が報われないチャンスのない経済です。これがイノベーションを奪っていきます。
本来なら、こういった弊害を防ぐために、民主主義による多数決の調整機能で富の再配分をします。
しかし、資本家は、数の上ではごく少数派ですが、マスメディアを抑えているために世論調査で選挙の結果を誘導することができます。
富裕層に低所得層の怒りのハケ口が向かないように、民族主義を煽り、マイノリティの敵を設定する戦術はアメリカが始めましたが、今ではどの国の右派も当たり前のようにやっています。そうして日本やアメリカでは富裕層に有利な政治判断をする右派政権が誕生しています。彼らに投票しているのが彼らに搾取される中間層や低所得層です。投票によって自らの首を締めていることになります。教育水準やメディアリテラシーが低く、所得の低い人ほど右傾化する傾向があるのはこの影響があると思います。
今の安倍自民党に投票している右派のロストジェネレーションや若者も完全にメディアコントロールを受けている状態です。
また、メディアで政治不信を煽り、投票率が下がれば既得権益の組織票の強い保守政党が有利になります。
本来なら民主主義によって再配分されるはずの富はこうして富裕層に集中します。
最近アメリカではオバマが戦後、歴代最低の大統領でレーガンが最高の大統領だという世論調査結果がでています。しかし、アメリカやイギリスで格差が急拡大して経済の長期的な衰退がスタートしたのはレーガンやサッチャーの時代からですから皮肉なものです。
日本でも原子力で広範囲に国土を廃土として、格差拡大の起点になった中曽根がいまだに人気があるのも不思議なものです。同じ路線で国益を大きく損ねている安部をいまだに4割の国民が支持をしています。
ピケティが指摘するように、資本の収益率(利潤率)が所得増加率を上回っていることが資本主義の最大の欠点です。金利は不労所得にすぎません。これが、格差を拡大させ、個人消費のパイを縮小し、勤労意識を低下させて、イノベーションを奪います。そしてバブルを発生・破裂させて長期に実体経済の足をひっぱります。
需要不足によって資本の実物投資の利潤率が趨勢的に低下しています。そのかわりに資本家は、金融資産の利潤率すなわち金利をなんとかあげようとしています。ユダヤ資本家などはメディアやエコノミストを使ったプロパガンダに必死です。
最近では、GSなどが米国の金利が上昇するという予想(期待・願望)を繰り返しています。
かれらはアメリカの景気が加速するので金利が上昇すると主張しています。
名目金利は、実質金利+インフレ率です。実質金利は、実質成長率や資本利潤率が低下していますし、インフレ率も需給が緩んでいるので低下圧力があります。
中国や旧ソ連などの東側諸国が自由主義経済市場に加わったことからインフレ率の大幅な上昇は期待できません
世界的な供給能力の拡大、グローバル化に伴う価格競争などで財の価格は下げ続けています。
新興国の需要増によってエネルギーや食料品などの資源価格が上昇しても、コア・インフレへの影響は限定的となっています。資源高によるコスト・プッシュインフレよりも、財の供給過多と需要不足によるコア・インフレの低下の圧力が優っているからです。アメリカの家賃も集合住宅の供給過多による今後は下がっていくと思います。今のインフレ率上昇は一時的だと思います。
グレート・ローテンションはまだ当分続きますが、資源高によるコスト・プッシュインフレもその上昇率が鈍化しつつあります。バルチック指数も趨勢的に低下しています。
テクノロジーの進化が大きいと思います。
食料の生産能力の拡大は人口増加をはるかに上回っています。
国土の広いインド、中国のモータリゼーションで原油価格は上がりますが、さすがに150ドルあたりを超えてくると液化ガス・石炭、電気などのエネルギーへの代替が急ピッチで進むでしょう。エネルギー量の問題はテクノロジーの進化で補えます。もっとも、日本は、トヨタなどがハイブリッドにこだわりすぎたことで、携帯と同じガラパゴス化する危険があります。当面は、ターボなどのエンジンのダウンサイジングが主流になるでしょう。
また、資源だけでなく、90年代後半以降、賃金とインフレの相関も薄れています。
リフレ派が主張するように、賃金が上昇すればデマンドプル・インフレになるとは、必ずしもいえないようです。これは賃金格差が原因していると思います。消費性向の低い一部CEOなどの高額所得者が賃金平均を上げているからです。
格差是正のためには、労働所得への累進課税強化だけでは十分ではなく、神野直彦氏やトマ・ピケティが指摘するように資産所得への累進課税強化が絶対に必要でしょう。もちろん、国際的な枠組みで脱税を阻止しないといけません。海外に逃げた資産家は再入国拒否などの強い姿勢で望む必要があります。
ドイツ、フランスなどの国債の金利が現代史史上最低水準(15世紀のジェノバの金利)まで下落していますが、これは水野和夫氏の「利子率革命」として何年も前から予想していることです。
この金利低下は、日本から始まり、他の先進国に伝染していくと水野氏は指摘していました。
もちろんアメリカもその例外ではありません。
世界の債務比率は、新興市場がGDP比で175%ですが、成長の余地のない先進国ではGDP比で275%です。もちろん、史上最高水準です。
巨額な債務は少しの金利上昇でも利払いを不可能にします。特に成長率が低く、将来の金利支払い能力が新興国に比べて低い先進国のほうの債務比率が高いのが問題です。
先進国の成長率はおしなべて低下中です。
成長率が金利を下回ればおしまいです。
金価格も目先はドル価格や株価よりも金利の動きに敏感です。
金利低下は金価格を上昇させます。
もっとも、金利の大幅な上昇はリスク・プレミアムの上昇すなわち、アメリカの破綻と米国債を担保にしたドルの終焉を意味します。
どっちのシナリオになっても、長期的にみれば。結局、金価格は上昇します。
ベビーブーマーのリタイアによって社会福祉費負担がこれから数年のうちに増大していきます。
2033年には公的年金基金の枯渇が予想されているようですが、今現在進行中の株やジャンク債のバブルが弾けて、自動車ローン、住宅ローン、奨学金の不良債権化がすすめば、もっと前倒しになる可能性もあります。
もちろん、ポートフォリオに株を多く組み込んでいる企業年金、個人年金もダメになります。
アメリカの人口は世界の5%ですが、世界の囚人の半分はアメリカにいます。
かれらを失業者にカウントすればアメリカの失業率は欧州より酷そうです。もちろん囚人1人の管理費用は生活保護よりもかかります。
アメリカの財政が破綻すると、老人だけでなく囚人も養えなくなります。
そうなれば、暴動がおきて社会が不安定になります。
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。