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ニューヨークの不動産市場は活発、「バブルの香り」も漂う photo Getty Images
ニューヨークにバブルの香りがする
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/39992
2014年08月02日(土) 真壁 昭夫「通貨とファイナンスで読む世界経済」 現代ビジネス
昨日、ニューヨークから帰ってきた金融関係の友人と会った。
彼は開口一番、「ニューヨークにはバブルの香りがする」と言った。彼はニューヨーク在任期間が長く、米国の金融や不動産市場に詳しい人物だ。
その彼が久しぶりにニューヨークに立ち寄り数週間を過ごし、不動産価格の高騰に目を丸くした。驚いた彼は実際に不動産屋に行って、自分の目で物件の価格をチェックしてみたという。その結果、彼が行く着いた結論は「バブルが出来ている」ということだった。
昨年のノーベル経済学賞を受賞した、イェール大学のロバート・シラー教授もかなり以前から警鐘を鳴らしてきた一人だ。同氏が考案した株価水準の指標では、バブルが発生しつつあることが明らかだという。
■米国の不動産市場はバブルか?
米国の不動産市場のすう勢を見ると、2000年代前半から上昇が顕著になり、2006年の半ばにピークを打った。その後、サブプライム問題が発生し、それがリーマンショックの引き金となった。
その間、景気の低迷が続いたこともあり、不動産価格の低下が長期間続くことになった。その後、米国の思い切った金融緩和策の効果もあり、不動産価格の下落傾向は2011年の春先に底打ちし、上昇トレンドに転換した。
不動産価格の上昇は既に約3年に及び、全体の上昇幅は約3割に達しつつある。価格上昇が顕著だった地域では、既に底値から5割以上上昇している物件もある
ニューヨークの不動産市場にも多額の資金が流入し、一部にはバブルと言えるほどの上昇を示している。
■株式市場もバブルに近づく?
一方、足元の米国株式市場も史上最高値近辺の水準にある。米国企業の業績見込みから見ると、徐々に割高なレベルに近づいているとの見方が台頭する中、ロバート・シラー氏は、「既にバブルの水準」と警鐘を鳴らしてきた。
同氏が考案した株価指標であるCAPE(景気の循環を均し物価変動を除外した株価収益率)で見ると、米国の株価が高すぎるというのが同氏の主張だ。その主張には専門家の間でも賛否両論あるものの、それなりの注目すべきポイントはあるだろう。
現在の金余りの状況を考えると、直ぐに株価が大きく下落することは考え難いだろうが、調整局面を迎えるリスクは頭に入れておいた方がよい。米国の株価が調整局面入りすると、わが国を始め主要国の株価も不安定な展開になることは避けられない。
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