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キヤノン・御手洗社長(左)、武田薬品・武田会長/(C)日刊ゲンダイ
組織作りのプロ断言 次世代トップは社内の“不満分子”にいる
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/152257
2014年8月1日 日刊ゲンダイ
傍流を歩んだ人物の社長就任が相次いでいる。東芝の本流は電力畑だが、現トップの田中久雄社長(63)は資材調達部門の出身。三菱重工業の宮永俊一社長(66)は、同社40年ぶりの事務系社長だ。リーダーとなる人物像が大きく様変わりしている。
三菱商事のトップは、ニューヨーク勤務と企画部門を経験するのが常。しかし、現職の小林健社長(65)はその2つの経験がない。海外赴任先もシンガポールなどのアジア中心。船舶部門の仕事が長かった。
だが、彼には伝説のエピソードがある。80年代の海運不況の時、取引先の海運会社が次々倒産。売るはずだった船12隻が在庫になった。責任追及される中、彼は売れ残った船で船会社をつくってしまう。今でいう企業内ベンチャーのはしりだ。
「会社が危機の際は、このような人物が求められます」と言うのは、「ヒューマンロジック研究所」の古野俊幸代表だ。同社は、キヤノン、京セラ、ソニー、日産などに組織づくりのノウハウを提案している。
「有事の際は、いわゆる優等生では役に立ちません。武田薬品の武田國男元会長(74)しかり、キヤノンの御手洗冨士夫社長(78)しかり。最初から帝王学を学んできたわけでなく、傍流を歩んできたからこそ会社を俯瞰して見られて改善点がわかった。未来のリーダーに育つ可能性を秘めた人材とは、実は会社でくすぶっているような不満分子の中にいるのです」(古野氏)
同社はその不満分子を見極めるため、思考分析のテストを行う。
「そこで、ストレス値が“異常”と診断された若手社員を選出します。ここで言う“異常”とは、ストレス値が極端に高い状態にあるか、もしくは極端に低い状態にあることを指す。ストレス値が異常な人材は、〈自分の能力を発揮できていない〉と不満を抱えている。つまり、現状を変えたいという強い意志を持っていると考えられます」(古野氏)
■富士フイルムでは若手不満分子が大改革
もちろん、「単に不満だけ」を言う皮肉屋はここからはじかれる。では、リーダーの資質を持つ問題児とはどういう人物か。例えば、口癖はこれだ。
「そもそも、これって必要ですか?」
「そもそも、この会議の目的は何ですか?」
いわゆる、どこの職場にもいる“面倒くさい”社員たちだ。
「“そもそも社員”は、単に文句を言っているのではなく、自分の頭で考え、物事の本質に迫ろうとしている。以前、富士フイルムで若手の不満分子が〈フィルムに未来はない〉と進言し、大改革を行いました。言った本人もすごいが、その意見を取り入れた古森重隆会長もすごい。一方、優等生社員は現状に満足しているわけですから、意見が少ない」(古野氏)
ヒューマンロジック研究所では以前、その「問題児社員」と「優秀な社員」のチームを競わせたことがある。
「優等生グループは、意見を足して2で割る。ところが、問題児グループは、あれはこうだ、こうすべきだという意見がぶつかり、最初の提案者の企画は原形をとどめないが、より進化したものができ上がりました」(古野氏)
将来の社長は、不満分子の問題児の中にいる。
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