http://www.asyura2.com/14/hasan89/msg/456.html
Tweet |
実体経済の弱さの象徴として、ニュージャージー州、アトランティック・シティーのトランプ・プラザ・リゾート・カジノ所有者、土曜日、 約1,000人の従業員をレイオフし、9月に閉鎖する予定だと発表した。これは、経済が圧倒的にギャンブル・リゾートに依存しているこの海辺の都市における、今年一連の閉鎖の最新例に過ぎない。
1月以来、アトランティック・クラブ、シティー最大のカジノの一つショーボートと、最新のカジノ、レベル等、他のカジノ三軒が、閉鎖したか閉鎖予定を発表している。今年始め、アトランティック・シティーには、カジノが12軒あった。この最新発表で、わずか9ヶ月の間に、総数は三分の一、従業員数が、四分の一減少することになる。
報道は、トランプ・プラザが深刻な収入減に苦しんでいることを示している。州のデータで、このリゾート・カジノは、第一四半期中、部屋の半分以下しか予約がなく、5月、シティー内のどの施設よりも低いゲーム収入しかなかったことが明らかになっている。当会計年度の初めから今日まで、昨年同期より27パーセント収入が減少した。他のカジノ三軒の閉鎖が示している通り、この施設の落ち込みは個別の現象ではなく、広範な傾向を示すものだ。
トランプ・プラザは、2億1000万ドルをかけて、1984年5月に開業した。億万長者ドナルド・トランプのペット・プロジェクトの一つだった。彼が以来、カジノ金融持ち株会社を徹底的に削減したことが、そのような投資の不安定な性格を示している。トランプ・プラザ売却の試みは、これまでのところうまく行っていない。
アトランティック・シティーは、何十年も、ラスベガスと、リノを含むネヴァダ州のリゾート地に次ぐ、アメリカ第二のギャンブル・センターとしてやってきた。時には“東海岸のギャンブル首都”と呼ばれる。
最盛時に総計12のカジノがあり、業界の中には、シティーは“作りすぎ”たという人々もいた。1978年以来、アトランティック・シティーでは、11のカジノが開業しており、最新のレベルは、わずか二年前の開業だ。世界最大のカジノ会社で、そのような施設を市内に総計四つ所有するシーザーズ・エンタテインメントは、事業を統合して、利益を増やすべく、いまも黒字のショーボートの閉鎖を発表した。それより先に、シーザーズと別の企業、トロピカーナ・エンタテインメントは共に、破産したアトランティック・クラブを購入し、資産分割し、閉鎖した。
アトランティック・シティーで、カジノ四軒の閉鎖は、シティーの労働者にとって、悲惨な影響を及ぼそう。トランプ・プラザで失業する1,000人以上の従業員に加えて、1,600人がアトランティック・クラブをレイオフされ、ショーボートが8月末に閉鎖する際に2,100人が解雇され、もしレベルが閉鎖すれば、3,100人が失業することになり、総計、労働者約7,800人だ。2011年、カジノの総計で、33,000人を雇用していた。
アトランティック・シティーの人口は、40,000人に満たない。カジノ従業員の全員がシティー内で暮らしているわけではないとは言え、これだけの膨大な雇用喪失は、シティーや、その周辺のコミュニティーに、壊滅的影響を及ぼすだろう。ここ数十年、労働者達が、雇用を、ギャンブル業界に依存してきたという事実自体が、アメリカ経済の衰微と、そこそこの賃金が得られる雇用の破壊の証だ。
カジノ労働者を代表するユナイト-ヒア組合のローカル54の対応は、州の調査を要求するというものにすぎない。現地組合のボブ・マクデヴィット委員長は、トランプや他のカジノのレイオフに対して、こう述べた。“これは当事者家族にとって、個人的な悲劇だと言えるが、州にとっての危機でもある。トレントン[ニュージャージー州の首都]が、単なる同情的な言葉ではなしに、しっかり対応するよう期待している。この差し迫った破局の規模に匹敵する行動を要求する。”
経済的荒廃に直面しているデトロイトや他都市と同様、こうした訴えは無意味だ。貪欲な資本主義者連中は、労働者階級の人々に対する影響と無関係に、出来る限り多くの利益を搾り取り、残された死体をバラバラにするのだ。州議会で、アトランティック・シティーを代表する民主党議員のヴィンセント・マゼオはこう発言している。“これはもう決まった話です … 6,000-8,000人が失業します。”
アトランティック・シティーは、ペンシルバニア州やメリーランド州を含む近隣諸州との競争激化で近年苦しんできた。ニュージャージー州内のギャンブル業界が急落しているにもかかわらず、民主党知事アンドリュー・クオモの下で、ニューヨーク州は最近、主な新規収入源という触れ込みで、カジノ・ギャンブル業の大規模拡張を承認した。州内の新施設提案が現在、評価されている。
国民の大多数の生活水準が厳しく攻撃されている中、億万長者の投資家連中は、労働者階級から金を搾り取る新たな仕組みを企んでいる。とはいえ、アトランティック・シティーの例が示している様に、こうした新たなリゾート建設は、ディペロッパーにとってこそ当初の棚ぼたにはなっても、長期的な見込みは芳しくない。益々悪化する経済危機の現実は、労働者は、基本的生活必需品の獲得に苦闘しており、“娯楽”用の余裕などほとんど残されていないことを意味している。
社会通念では、ギャンブルは不況に強いことになっている。状況がいかに酷くなろうと、その可能性がいくら幻想的なものであろうとも、人々は常に、自分達の生活を劇的に向上させてくれるような、あっと言う間の一儲けの可能性に惹かれるものだと、一般的に思われている。とはいえ、アトランティック・シティーの劇的低迷が、実体経済の危機の深刻さを浮き彫りにしている。アメリカ国民の可処分所得の著しい減少だ。
ニュージャージー州は、アメリカ国内でも、経済的に最も二極化した州の一つだ。ウオール街の陰で、ニュアーク、パターソンとキャムデンを含む全ての主要都市が、30パーセント以上の貧困者比率に苦しめられている。アトランティック・シティーや、州内の他の小さな都市部は、皆等しく苦しめられている。
記事原文
ソース
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2014/07/post-9f24.html
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。